○座間市の地下水を保全する条例
平成10年4月10日条例第19号
座間市の地下水を保全する条例
目次
第1章 総則(第1条-第6条)
第2章 地下水の汚染の防止及び浄化(第7条-第13条)
第3章 地下水の採取(第14条-第23条)
第4章 地下水の涵養及び水源の保護(第24条-第27条)
第5章 雑則(第28条-第36条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地下水が市民共有の貴重な資源であることにかんがみ、その保全を図ることにより市民生活に必要な水を確保し、もって市民の健康で文化的な生活に寄与することを目的とする。
(用語の意義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 地下水 座間市の地下に存する地下水をいう。
(2) 井戸 動力を用いて地下水を採取するための施設をいう。
(3) 有害物質 人の健康を害するおそれがある物質として水質汚濁防止法施行令(昭和46年政令第188号)第2条に定めるものをいう。
(4) 使用事業場 有害物質を使用し、製造、洗浄、検査等これらに類する事業を行う施設をいう。
(5) 井戸の設置者 井戸を設置しようとする者及び設置している者のうち規則で定める者をいう。
(6) 地下水採取事業者 井戸の設置者のうち規則で定める者をいう。
(7) 事業者 市内に工場、商店、事務所、倉庫、車庫、研究所、市営水道等事業所をおく者をいう。
(8) 水源保護地域 水源の保護に必要な地域として、座間市全域をいう。
一部改正〔平成15年条例11号〕
(市の責務)
第3条 市は、次に掲げるところにより、地下水の保全に係る必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(1) 貴重な自然環境資源、社会資源である地下水を将来にわたって保全するために総合的かつ計画的な施策を行うこと。
(2) 市民及び事業者に情報を提供し、地下水保全への意識の啓発を図るとともに、施策への協力を求めること。
(3) 地下水の広域性、流動性等の自然要因にかんがみ、神奈川県等と連携を密にし、地下水保全に努めること。
(財産権の尊重)
第4条 市は、この条例の運用にあたっては、関係者の土地所有権等憲法第29条で保障されている権利を尊重するよう留意しなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、市の地下水保全に関する施策の実施に協力するとともに、自ら地下水の保全に努めなければならない。
(市民の責務)
第6条 市民は、市の地下水保全に関する施策の実施に協力するとともに、自ら地下水の保全に努めなければならない。
第2章 地下水の汚染の防止及び浄化
(使用事業場設置の届出)
第7条 使用事業場を設置しようとする者又は設置している者は、次に掲げる事項を市長に届け出なければならない。
(1) 氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)
(2) 使用事業場の名称及び所在地
(3) 使用事業場の業種及び事業の概要
(4) 使用事業場の敷地内における建物等の配置及び構造
(5) 使用する有害物質の種類
(6) 有害物質の使用、保管及び処分の方法
(7) 有害物質による土壌及び大気の汚染の防止方法
2 前項の届出は、使用事業場ごとにしなければならない。
(届出事項の変更)
第8条 前条の規定による届出をした者は、その届出の内容に変更があったときは、その日から30日以内に市長に届け出なければならない。
(有害物質の数量の報告)
第9条 使用事業場を設置している者は、毎年度(4月から翌年の3月まで)の有害物質の購入数量、使用数量及び保管数量をその年度終了後60日以内に市長に報告しなければならない。
(有害物質の使用量の削減等)
第10条 使用事業場を設置している者は、有害物質の使用量を削減し、又は有害物質以外の物質に変更するように努めなければならない。
一部改正〔平成15年条例11号〕
(汚染の防止及び指導)
第11条 市長は、第7条及び第8条の規定による届出があったときは、汚染防止のため現況を正確に把握するとともに、地下水等の汚染の危険があると予測されるときは、未然に防止するため適切な指導をしなければならない。
2 市長は、地下水等の水質調査により、水質状況の把握をし、水質保全に努めなければならない。
3 使用事業場を設置している者は、有害物質が土壌及び大気を汚染しないよう適切に使用し、厳格な管理をしなければならない。
(汚染の調査及び浄化)
第12条 市長は、前条の規定にかかわらず、汚染が発生し、又は発見されたときは、水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)及び神奈川県生活環境の保全等に関する条例(平成9年神奈川県条例第35号)により県と連携し、調査、浄化等の措置を講ずるものとする。
(使用廃止の届出)
第13条 使用事業場を設置している者は、その届出に係る全ての有害物質の使用を廃止したときは、速やかに、市長に届け出なければならない。
第3章 地下水の採取
(地下水利用基本計画の策定)
第14条 市長は、地下水の自然的な性質に基づき、可能な範囲の調査をし、地下水利用基本計画を策定するものとする。
(地下水取水基準の遵守)
第15条 地下水採取事業者は、市が可能な範囲で規則で定める取水基準を遵守し、適正に地下水を取水しなければならない。
(井戸設置の届出)
第16条 井戸の設置者は、次に掲げる事項を市長へ届け出なければならない。
(1) 氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)
(2) 井戸の所在地
(3) 業種及び事業の概要
(4) 地下水採取予定量(日量及び年間採取量)
(5) 井戸の種類
(6) 採取する地下水の用途
(工事完了届出)
第17条 前条の規定による届出をした者のうち、新たな井戸の設置者は、当該届出に係る井戸の工事が完了したときは、完了の日後30日以内に市長に届け出なければならない。
(届出事項の変更)
第18条 第16条の届出の内容を変更する者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める日までに市長に届け出なければならない。
(1) 第16条第4号又は第5号の届出の内容を変更するとき 変更しようとする日の30日前まで
(2) 第16条第1号から第3号まで又は第6号の届出の内容を変更するとき 変更した日から30日以内
全部改正〔平成15年条例11号〕
(届出事項の結果通知)
第18条の2 市長は、第16条の規定による届出又は前条第1号に規定する届出があったときは、必要に応じ第32条に規定する地下水採取審査委員会に諮り、その結果を受けて届出をした者に通知するものとする。
追加〔平成15年条例11号〕
(井戸の管理)
第19条 井戸の設置者は、井戸を適正に管理しなければならない。
2 市長は、井戸の適正管理に関し必要な措置を講ずるよう指導することができる。
3 市長は、前項の規定による指導を受けた者に対し、その措置状況に関して報告を求めることができる。
一部改正〔平成15年条例11号〕
(地下水採取量の報告)
第20条 地下水採取事業者は、地下水採取量を測定できる水量測定機器を設置し、市長の求めに応じ、地下水採取量を市長に報告しなければならない。
(地下水等の有効利用)
第21条 地下水採取事業者は、地下水の有効な利用を図るため、地下水の再利用を促進する設備及び雨水を利用するなど地下水採取量の削減に協力するものとする。
(緊急時の処置等)
第22条 市長は、異常渇水等の緊急の場合において、取水制限等の必要が生じたときは、地下水採取事業者と協議をし地下水の採取の削減の協力を求めることができる。
(使用廃止の届出)
第23条 井戸の設置者は、当該井戸の使用を廃止したときは、速やかに、市長に届け出なければならない。
第4章 地下水の涵養及び水源の保護
(地下水涵養策の推進)
第24条 市長は、法令の範囲内において、地下水涵養策を推進しなければならない。
(水源保護地域の指定)
第25条 市長は、水源を保護するため、法令の範囲内において、水源保護地域を指定することができる。
2 市長は、前項の規定により水源保護地域の指定又は解除を行った場合は、直ちにその旨を告示しなければならない。
(水源保護地域の行為の届出)
第26条 水源保護地域で水源保護に影響を及ぼすおそれがあるもので規則に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ市長にその旨を届け出なければならない。
(水源保護地域の助成)
第27条 市長は、水源保護地域で涵養策など水源保護に必要な助成策を講ずることができる。
第5章 雑則
(立入調査)
第28条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、事業主等の事務所その他の事業所にある土地若しくは建物に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を調査させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
(改善命令)
第29条 市長は、第7条、第8条、第16条、第17条、第18条、第19条及び第20条の規定による届出等があった場合又は前条第1項の規定により立入調査をした場合において、地下水の保全に悪影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがあると認めるときは、使用事業場の設置者又は井戸の設置者に対し、当該使用事業場又は井戸について必要な改善を命ずることができる。
(承継)
第30条 使用事業場を設置している者から使用事業場を譲り受け(合併したときを含む。)、又は借り受けた者は、第7条の届出をした者の地位を承継するものとする。
2 井戸の設置者から井戸を譲り受け(合併したときを含む。)、又は借り受けた者は、第16条の届出をした者の地位を承継するものとする。
(連絡協議会)
第31条 市長は、地下水採取事業者の代表及び市民の代表による地下水保全連絡協議会(以下「協議会」という。)を設置する。
2 協議会は、市民の相互理解と協力により、地下水の保全その他関連する事項について協議する。
3 協議会の組織運営に関し必要な事項は、規則で定める。
一部改正〔平成15年条例11号〕
(審査委員会)
第32条 市長は、学識経験者等による地下水採取審査委員会(以下「審査委員会」という。)を設置する。
2 審査委員会は、地下水揚水量等に関連する事項について審査する。
3 審査委員会の組織運営に関し必要な事項は、規則で定める。
追加〔平成15年条例11号〕
(協力金)
第33条 市長は、地下水調査等必要な施策を実施するために要する費用について、地下水採取事業者に対し、協力金の納入を求めることができる。
一部改正〔平成15年条例11号〕
(基金)
第34条 市長は、市民の浄財を受けて、地下水を保全する事業その他必要な事業を行うために地下水保全対策基金を設置することができる。
一部改正〔平成15年条例11号〕
(公表)
第35条 市長は、この条例の規定に対して悪質な違反をした者があるときは、その事実について公表することができる。
一部改正〔平成15年条例11号〕
(委任)
第36条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
一部改正〔平成15年条例11号〕
附 則
1 この条例は、公布の日から8月を超えない範囲内において規則で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
2 この条例施行の際、現に使用事業場を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)は、施行日から30日以内に第7条に規定する届出をしなければならない。
3 この条例施行の際、現に井戸を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)は、施行日から30日以内に第16条に規定する届出をしなければならない。
附 則(平成15年3月28日条例第11号)
1 この条例は、平成15年6月1日から施行する。
2 この条例の施行の日から30日以内に限り、改正後の第18条第1号の届出については、なお従前の例による。