○山形市子どもの受動喫煙防止条例
令和2年10月7日条例第33号
山形市子どもの受動喫煙防止条例
いつまでも健康であり続けることは、全ての市民の願いである。「健康医療先進都市」の確立を掲げ、「健康」と「医療」を核とした施策を推進する山形市は、受動喫煙が周囲の人の生命及び健康に悪影響を及ぼすということについて、市民の意識を高め、理解を深め、社会全体の共通認識として広げていく必要がある。
とりわけ子どもは、自らの意思で受動喫煙を避けることが困難であり、大人や社会が子どもを受動喫煙から保護すべきである。
また、子どもは社会の宝、未来への希望であり、全ての子どもが安心して健康に暮らせる環境を整備することは、社会全体の責務である。
こうした認識に立ち、子どもを受動喫煙から守るため、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、受動喫煙による健康への悪影響から子どもを保護するための措置を講ずることにより、子どもの心身の健やかな成長に寄与するとともに、現在及び将来の市民の健康で快適な生活の維持を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) たばこ たばこ事業法(昭和59年法律第68号)第2条第3号に規定する製造たばこであって同号に規定する喫煙用に供されるもの及び同法第38条第2項に規定する製造たばこ代用品をいう。
(2) 喫煙 人が吸入するため、たばこを燃焼させ、又は加熱することにより煙(蒸気を含む。次号において同じ。)を発生させることをいう。
(3) 受動喫煙 人が他人の喫煙によりたばこから発生した煙にさらされることをいう。
(4) 事業者 施設を設けて事業を営む者をいう。
(5) 管理権原者 施設(敷地を含む。第5条及び第7条において同じ。)の管理について権原を有する者をいう。
(6) 子ども 20歳に満たない者をいう。
(7) 保護者 親権を行う者、未成年後見人その他の者で、子どもを現に監護するものをいう。
(8) 学校 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校及び同法第125条第1項に規定する専修学校のうち子どもをその教育の対象に含むものをいう。
(9) 児童福祉施設 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条第1項に規定する児童福祉施設をいう。
(10) 関係機関等 学校、児童福祉施設、医療機関(医療法(昭和23年法律第205号)第1条の2第2項に規定する医療提供施設をいう。)その他これらに準ずるもので子どもの福祉に業務上関係のある団体及び学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、弁護士その他これらに準ずる者で子どもの福祉に職務上関係のあるものをいう。
(市の責務)
第3条 市は、子どもの受動喫煙を防止するための環境の整備に関する総合的な施策を策定及び実施する責務を有する。
(市民の責務)
第4条 市民は、受動喫煙による健康への悪影響に関する理解を深めるとともに、いかなる場所においても、子どもの受動喫煙防止に努めなければならない。
2 市民は、市が実施する子どもの受動喫煙防止に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者及び管理権原者の責務)
第5条 事業者及び管理権原者は、その使用し、又は管理する施設において、子どもの受動喫煙を未然に防止するために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、市が実施する子どもの受動喫煙防止に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(推進体制の整備)
第6条 市は、市民及び関係機関等と連携し、又は協力して、子どもの受動喫煙防止に関する施策を推進するための体制を整備するものとする。
(喫煙場所等における受動喫煙の防止)
第7条 保護者は、喫煙の用に供する場所又は受動喫煙を防止する措置が講じられていない施設に子どもを立ち入らせないよう努めなければならない。
(自動車内における受動喫煙の防止)
第8条 喫煙をしようとする者は、子どもが同乗している自動車(道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第9号に規定する自動車をいう。)内において、子どもの受動喫煙防止に努めなければならない。
(公園等における受動喫煙の防止)
(学校等の周辺における受動喫煙の防止)
第10条 喫煙をしようとする者は、学校、児童福祉施設、小児科又は小児歯科の病院又は診療所その他これらに準ずるものの周辺の路上において、子どもの受動喫煙防止に努めなければならない。
(啓発等)
第11条 市は、子どもの受動喫煙を防止するため、受動喫煙の有害性、禁煙の効果及び禁煙治療に関する知識の普及及び意識の啓発その他の必要な施策を講ずるものとする。
(教育)
第12条 市は、学校教育、社会教育その他の教育の場において、受動喫煙の有害性及び受動喫煙の防止に関する教育の推進のために必要な施策を講ずるものとする。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、令和3年3月1日から施行する。
(検討)
2 市は、この条例の施行後において、健康増進法(平成14年法律第103号)の改正や社会情勢の変化等を勘案し、適宜この条例の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。