○山形県再生可能エネルギーと地域の自然環境、歴史・文化的環境等との調和に関する条例
令和3年12月24日山形県条例第66号
山形県再生可能エネルギーと地域の自然環境、歴史・文化的環境等との調和に関する条例をここに公布する。
山形県再生可能エネルギーと地域の自然環境、歴史・文化的環境等との調和に関する条例
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 再生可能エネルギー発電事業の実施(第3条―第21条)
第3章 山形県再生可能エネルギー発電事業審査委員会(第22条―第28条)
第4章 雑則(第29条・第30条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、2050年までの脱炭素社会(地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号。以下「法」という。)第2条の2に規定する脱炭素社会をいう。)の実現の重要性が増大している一方、地域の自然環境、歴史・文化的環境等に配慮すべきことについての県民等の要請にこたえることが緊要となっていることに鑑み、再生可能エネルギー発電事業を行おうとする者(以下「再エネ発電事業実施予定者」という。)と県民等との間で合意形成を図るための手続を定めること等により、再生可能エネルギー発電事業と地域の自然環境、歴史・文化的環境等との調和を確保し、もって再生可能エネルギー発電事業の導入に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 歴史・文化的環境 地域におけるその固有の歴史及び伝統を反映した人々の活動とその活動が行われる歴史上価値の高い建造物及びその周辺の環境とが一体となって形成してきた良好な環境並びに人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された環境で県民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないものをいう。
(2) 再生可能エネルギー発電設備 太陽光、風力、水力、地熱及びバイオマス(再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第2条第3項第5号に規定するバイオマスをいう。)を電気に変換する設備及びその附属設備で、規則で定める出力以上のものをいう。
(3) 再生可能エネルギー発電事業 再生可能エネルギー発電設備の全部又は一部を土地(造成された土地を含む。)に設置し、発電する事業をいう。
第2章 再生可能エネルギー発電事業の実施
(再エネ発電事業計画の作成及び認定)
第3条 再エネ発電事業実施予定者は、再生可能エネルギー発電設備ごとに、規則で定めるところにより、当該再生可能エネルギー発電設備の設置、維持管理及び廃止を適切に行うための再生可能エネルギー発電事業の実施に関する計画(以下「再エネ発電事業計画」という。)を作成し、知事の認定を受けなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、再生可能エネルギー発電事業が法第22条の2第3項の規定による認定を受けた同条第1項に規定する地域脱炭素化促進事業計画に係るものである場合には、当該再エネ発電事業実施予定者は、前項の認定を受けることを要しない。この場合において、当該再エネ発電事業実施予定者は、同条第3項の規定による認定を受けた旨を知事に届け出なければならない。
(再エネ発電事業計画の案の作成に係る協議)
第4条 再エネ発電事業実施予定者は、再エネ発電事業計画の案を作成しようとするときは、規則で定めるところにより、あらかじめ、知事と協議しなければならない。
2 再エネ発電事業実施予定者は、前項の規定による協議の後、関係市町村(当該再エネ発電事業実施予定者が作成しようとする再エネ発電事業計画の案に関し、地域の自然環境、歴史・文化的環境等との調和の観点から意見を求める必要があると知事が認める市町村をいう。以下同じ。)の長に対し、規則で定めるところにより、当該再エネ発電事業計画の案の作成に係る協議を求めなければならない。
(再エネ発電事業計画の案の説明)
第5条 再エネ発電事業実施予定者は、前条の規定による措置の後、再エネ発電事業計画の案を作成し、地元住民(関係市町村の住民のうち、再生可能エネルギー発電事業により、その生活環境に著しい影響を受けるおそれがある者をいう。以下同じ。)に対して、地域の自然環境、歴史・文化的環境等との調和の観点から、説明会の開催その他地元住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
(再エネ発電事業計画の案の届出)
第6条 再エネ発電事業実施予定者は、地元住民の意見を踏まえ、必要に応じて再エネ発電事業計画の案を修正し、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。
2 知事は、前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、その旨及び当該再エネ発電事業計画の案を公表しなければならない。
(意見書の提出)
第7条 前条第2項の規定による公表があったときは、地元住民その他の当該再生可能エネルギー発電事業に関し利害関係を有する者は、当該公表の日から30日以内に、知事に対し、規則で定めるところにより、地域の自然環境、歴史・文化的環境等との調和の観点からの意見書を提出することができる。
2 知事は、前項の意見書の提出があったときは、遅滞なく、再エネ発電事業実施予定者に対し、当該意見書の概要を通知するとともに、期限を定めて、当該意見書の概要についての再エネ発電事業実施予定者の見解を求めなければならない。
3 再エネ発電事業実施予定者は、前項の意見書の概要を踏まえ、必要な措置を講じなければならない。
(再エネ発電事業計画の認定の申請等)
第8条 再エネ発電事業実施予定者は、第3条第1項の認定を受けようとするときは、規則で定めるところにより、知事に申請書を提出しなければならない。
2 再エネ発電事業実施予定者は、第3条第2項後段の規定による届出を行おうとするときは、規則で定めるところにより、法第22条の2第3項の規定による認定を受けた同条第1項に規定する地域脱炭素化促進事業計画の写しを添えて行わなければならない。
(関係市町村の長からの意見聴取)
第9条 知事は、前条第1項の規定による申請書の提出があったときは、遅滞なく、関係市町村の長に対し、同項の申請書の写しを送付するとともに、期限を定めて、当該関係市町村の長の意見を聴かなければならない。
(認定の基準)
第10条 知事は、第7条第1項の意見書、同条第2項の見解、第8条第1項の申請書及び前条の意見を踏まえ、当該再生可能エネルギー発電事業の実施についてこの条例その他関係法令に違反していないと認めるときは、第3条第1項の認定をするものとする。
2 第3条第1項の認定には、地域の自然環境、歴史・文化的環境等との調和の観点から必要な条件を付することができる。
3 知事は、第3条第1項の認定をしたときは、規則で定めるところにより、当該認定を受けた再エネ発電事業計画を公表するものとする。
(再エネ発電事業計画の変更等)
第11条 認定再エネ発電事業実施者(第3条第1項の認定(この項の規定による変更の認定を含む。)を受けた者をいう。以下同じ。)は、同条第1項の認定を受けた再エネ発電事業計画(この項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定再エネ発電事業計画」という。)を変更しようとするときは、規則で定めるところにより、知事の認定を受けなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更については、この限りでない。
2 認定再エネ発電事業実施者は、前項ただし書の規則で定める軽微な変更をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。
3 第4条から第8条第1項まで、第9条及び前条の規定は、第1項の規定による変更の認定について準用する。
4 第3条第2項後段の規定による届出を行った再エネ発電事業実施予定者は、法第22条の3第5項において準用する法第22条の2第3項の規定による認定を受けたときは、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。
(地位の承継)
第12条 認定再エネ発電事業実施者が当該認定再エネ発電事業計画に係る再生可能エネルギー発電事業を譲渡したときは、譲受人は、当該認定再エネ発電事業実施者の地位を承継する。
2 認定再エネ発電事業実施者について相続、合併又は分割(当該認定再エネ発電事業計画に係る再生可能エネルギー発電事業を承継させるものに限る。)があったときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により当該認定再エネ発電事業計画に係る再生可能エネルギー発電事業を承継した法人は、当該認定再エネ発電事業実施者の地位を承継する。
3 前2項の規定により認定再エネ発電事業実施者の地位を承継した者は、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。
4 知事は、前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、その旨を公表するものとする。
(工事の実施)
第13条 認定再エネ発電事業実施者は、認定再エネ発電事業計画に従って再生可能エネルギー発電設備の設置に関する工事及び当該再生可能エネルギー発電設備を設置する土地の造成に関する工事(以下「再エネ発電設備設置等工事」という。)を行わなければならない。
(工事の届出)
第14条 認定再エネ発電事業実施者は、再エネ発電設備設置等工事を行おうとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。
2 認定再エネ発電事業実施者は、再エネ発電設備設置等工事を中止する場合(次条の規定により中止する場合を除く。)には、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。
(工事の停止命令等)
第15条 知事は、再エネ発電設備設置等工事が、当該再エネ発電設備設置等工事に係る認定再エネ発電事業計画に適合しないことが明らかであると認める場合には、認定再エネ発電事業実施者に対し、当該再エネ発電設備設置等工事の停止又は中止その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(維持管理の方法)
第16条 認定再エネ発電事業実施者は、再生可能エネルギー発電事業を実施する間、認定再エネ発電事業計画に従って再生可能エネルギー発電設備及び当該再生可能エネルギー発電事業を実施する区域内の土地の維持管理をしなければならない。
(廃止の方法)
第17条 認定再エネ発電事業実施者は、認定再エネ発電事業計画に従って再生可能エネルギー発電事業を廃止しなければならない。
2 前項の規定により再生可能エネルギー発電事業を廃止したときは、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。
3 第3条第1項の認定(第11条第1項の規定による変更の認定を含む。以下同じ。)は、第1項の規定により認定再エネ発電事業実施者が認定再エネ発電事業計画に係る再生可能エネルギー発電事業を廃止したときは、その効力を失う。
(報告徴収及び立入検査)
第18条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、認定再エネ発電事業実施者に対し、その事業の状況、再生可能エネルギー発電設備の状況その他の必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、認定再エネ発電事業実施者の事業所若しくは事務所若しくは再生可能エネルギー発電設備を設置する場所に立ち入り、帳簿、書類、再生可能エネルギー発電設備その他の物件を検査させることができる。ただし、住居に立ち入る場合においては、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(改善命令等)
第19条 知事は、認定再エネ発電事業実施者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該認定再エネ発電事業実施者に対し、その改善に必要な措置その他の措置をとるべきことを命ずることができる。
(1) 認定再エネ発電事業計画に従って再生可能エネルギー発電事業を実施していないとき。
(2) 第10条第2項の規定により第3条第1項の認定に付された条件に違反したとき。
(認定の取消し)
第20条 知事は、認定再エネ発電事業実施者が不正な手段により第3条第1項の認定を受けたときは、当該認定を取り消さなければならない。
2 知事は、認定再エネ発電事業実施者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、第3条第1項の認定を取り消すことができる。
(1) 第15条又は前条の規定による命令に違反したとき。
(2) 第18条第1項の規定により報告を求められて、正当な理由がなくこれに従わず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
3 知事は、前2項の規定による取消しをしたときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、その旨を公表するものとする。
(認定を受けないで再生可能エネルギー発電事業を実施している者に対する勧告及び命令)
第21条 知事は、第3条第1項の認定を受けないで再生可能エネルギー発電事業を実施している者に対し、期限を定めて、必要な手続その他の措置をとるべきことを勧告することができる。
2 知事は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わなかったときは、期限を定めて、当該勧告に従うべきことを命ずることができる。
3 知事は、前項の規定による命令を受けた者が、正当な理由がなく、同項の規定による命令に従わなかったときは、規則で定めるところにより、当該者の氏名、違反の事実その他規則で定める事項を公表することができる。
4 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に対し、あらかじめ、意見を述べる機会を与えなければならない。
第3章 山形県再生可能エネルギー発電事業審査委員会
(設置)
第22条 第3条第1項の認定に関する事項について、知事の諮問に応じ、調査審議させるため、山形県再生可能エネルギー発電事業審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。
(委員)
第23条 委員会は、委員10人以内で組織する。
2 委員は、学識経験を有する者のうちから、知事が任命する。
3 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 委員は、再任されることができる。
(委員長)
第24条 委員会に委員長を置き、委員の互選によって定める。
2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
3 委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、あらかじめ委員長の指名する委員が、その職務を代理する。
(会議)
第25条 委員会の会議は、委員長が招集する。
2 委員長は、前項の会議の議長となる。
3 委員会の会議は、委員の過半数の出席がなければ、開くことができない。
4 委員会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(専門委員)
第26条 委員会に、専門の事項を調査するために必要があるときは、専門委員を置くことができる。
2 専門委員は、学識経験を有する者のうちから、知事が任命する。
3 専門委員は、当該専門の事項に関する調査が終了したときは、解任されるものとする。
(庶務)
第27条 委員会の庶務は、環境エネルギー部において処理する。
(委任)
第28条 この章に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が委員会に諮って定める。
第4章 雑則
(市町村の条例との関係)
第29条 市町村の条例により、地域の自然環境、歴史・文化的環境等との調和を確保するための措置の適切な実施が確保されると知事が認めるときは、当該市町村の区域において行う再生可能エネルギー発電事業については、第4条から第8条第1項まで、第9条から第11条第3項まで及び第12条から前条までの規定は適用せず、第3条第2項中「法第22条の2第3項の規定による認定を受けた同条第1項に規定する地域脱炭素化促進事業計画に係る」とあるのは「第29条に規定する市町村の区域内で行おうとする」と、「、前項」とあるのは「、同項」と、「同条第3項の規定による認定を受けた」とあるのは「当該再生可能エネルギー発電事業を行う」と、第8条第2項中「第3条第2項後段」とあるのは「第29条の規定により読み替えて適用する第3条第2項後段」と、「法第22条の2第3項の規定による認定を受けた同条第1項に規定する地域脱炭素化促進事業計画の写し」とあるのは「当該再生可能エネルギー発電事業の内容に関する書類」と、第11条第4項中「第3条第2項後段」とあるのは「第29条の規定により読み替えて適用する第3条第2項後段」と、「法第22条の3第5項において準用する法第22条の2第3項の規定による認定を受けた」とあるのは「第29条の規定により読み替えて適用する第8条第2項に規定する再生可能エネルギー発電事業の内容に関する書類の記載事項に変更があった」とする。
(委任)
第30条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
1 この条例は、令和4年4月1日から施行する。
2 この条例の規定は、この条例の施行の日以後に着手される再エネ発電設備設置等工事に係る再生可能エネルギー発電事業(同日前に当該再生可能エネルギー発電事業について第4条及び第5条の規定による措置に相当する措置が講じられたと知事が認めるものを除く。)について適用する。