○山形県スポーツ推進条例
平成31年3月15日山形県条例第54号
山形県スポーツ推進条例をここに公布する。
山形県スポーツ推進条例
目次
前文
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 スポーツ推進計画(第8条)
第3章 スポーツの推進に関する基本的施策(第9条―第24条)
附則
スポーツは、「する」ことにより心身の健康増進や体力の向上をもたらし、「みる」、「きく」ことにより夢や感動や活力を人々に与え、「ささえる」ことにより一体感や地域への誇りを醸成するものであり、個人の心身に対する効用はもとより、地域振興にも大きく寄与するものである。また、青少年はスポーツによって人格形成に必要な様々なことを学び、生涯にわたってスポーツに関わることで多くのものを得られる。
このようなスポーツの持つ力を最大限に活用して、障がいの有無、性別、年齢、体力、住む地域などに関わりなく、県民誰もがスポーツに親しみ、それによって心身共に健康な人づくり、スポーツによる交流促進、活力ある地域づくりを進める必要がある。そのためには、全ての県民が、幸福を追求するために重要な要素であるスポーツ生活を享受する権利が保障されるよう、環境の整備が求められる。
我が県は、県民に親しまれるスポーツ県民歌を有し、豊富な雪、蔵王や出羽三山といった山岳、最上川や日本海といった水環境など、すばらしい自然とスポーツに最適な環境を誇り、これを生かしたスポーツが盛んである。こうした本県の特性を生かし、スポーツを通じて健康で豊かな県民生活と活力ある地域社会を実現することを目指して、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、スポーツの推進に関し、基本理念を定め、県の責務並びに県民、事業者、スポーツ団体及びスポーツ関係者の役割を明らかにするとともに、スポーツの推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、スポーツの推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって県民の心身の健康の増進及び健康寿命の延伸を図り、健康で豊かな県民生活及び活力ある地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) スポーツ 個人又は集団で行われる運動競技その他の身体活動(散歩、ダンス、健康のために行う体操、ハイキング、サイクリングその他これらに類するものを含む。)をいう。
(2) スポーツ活動 スポーツを行い、観戦し、若しくはスポーツを行う者を指導し、又はスポーツの競技会その他の催しの運営に携わる活動をいう。
(3) スポーツ団体 スポーツの振興のための事業を行うことを主たる目的とする団体をいう。
(4) スポーツ関係者 スポーツ選手、スポーツの指導者、スポーツの競技会その他の催しの運営に携わる者その他スポーツの推進に関する活動を行う者をいう。
(基本理念)
第3条 スポーツの推進は、次に掲げる事項を旨として行われなければならない。
(1) 県民がスポーツ活動の主体であるという認識の下に、県民の自主的な参加が促進されること。
(2) 生涯にわたって身近にスポーツに親しむことにより、心身の健康の保持及び増進が図られること。
(3) 幼児期から青年期にかけて、青少年の心身の健全な発達並びに体力及び運動に関する能力の向上を図るとともに、豊かな人間性が育まれるよう配慮すること。
(4) 全ての県民が、その性別、年齢又は障がいの種類及び程度にかかわらず、スポーツに親しむことのできる環境を整えるよう配慮すること。
(5) 本県のスポーツ選手が、スポーツの競技会において優秀な成績を収め、県の発展に寄与することができるよう、スポーツに関する競技水準(以下「競技水準」という。)の向上が図られること。
(6) 青少年をはじめとする県民が、その生活を営む地域の差異にかかわらず、スポーツ活動に参加する機会が確保されること。
(7) 本県の豊かな自然環境及び観光資源の活用が図られること。
(8) スポーツを通じて世代間及び地域間の交流並びに国際交流の基盤が形成され、更にその交流が促進されることにより、地域の活性化が図られること。
(9) スポーツを行う者の安全の確保が図られるとともに、誠実、健全及び高潔な精神の下にスポーツに関するあらゆる活動が実施されること。
(県の責務)
第4条 県は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、スポーツの推進に関する施策を総合的に策定し、及び計画的に実施する責務を有する。
2 県は、前項の施策を策定し、及び実施するに当たっては、県民、事業者、スポーツ団体、スポーツ関係者、学校及び健康づくり関係者(医療機関、検診機関その他の県民の健康づくりに関係する者をいう。以下同じ。)との連携に努めるものとする。
(県民及び事業者の役割)
第5条 県民及び事業者は、基本理念にのっとり、スポーツ活動を積極的に行うとともに、スポーツの推進に主体的に取り組むよう努めるものとする。
(スポーツ団体及びスポーツ関係者の役割)
第6条 スポーツ団体及びスポーツ関係者は、基本理念にのっとり、スポーツの推進に主体的に取り組むよう努めるとともに、県、市町村、事業者、他のスポーツ団体、他のスポーツ関係者、学校及び健康づくり関係者との協働に努めるものとする。
(市町村との連携)
第7条 県は、スポーツの推進に関する施策の実施に当たっては、市町村との連携を図るとともに、市町村がスポーツの推進に関する施策を策定し、及び実施するための助言その他の必要な協力を行うものとする。
第2章 スポーツ推進計画
第8条 県は、スポーツの推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための計画(以下「スポーツ推進計画」という。)を策定するものとする。
2 県は、スポーツ推進計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、山形県スポーツ推進審議会の意見を聴かなければならない。
3 県は、スポーツ推進計画を策定し、又は変更したときは、速やかに公表するものとする。
4 県は、スポーツ推進計画の進捗状況について毎年度公表し、県民の意見を踏まえつつ、スポーツの推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するよう努めるものとする。
第3章 スポーツの推進に関する基本的施策
(生涯にわたるスポーツ活動の推進)
第9条 県は、全ての県民が生涯にわたってその体力、年齢、適性、健康状態等に応じて身近にスポーツに親しみ、かつ、スポーツを楽しむことができるよう、スポーツ活動を行う機会の提供、スポーツ活動に参加しやすい環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、スポーツ活動を通じた心身の健康の保持及び増進を図り、健康寿命の延伸を図るため、日常生活において運動を行う習慣の定着に向けた取組の促進、スポーツ活動を通じた心身の健康づくりに関する適切な情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。
(青少年のスポーツ活動の推進)
第10条 県は、青少年の心身の健全な発達並びに体力及び運動に関する能力の向上を図るため、幼少期から行うスポーツ活動の充実に向けた取組の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。
(学校におけるスポーツ活動の推進)
第11条 県は、学校(大学を除く。)におけるスポーツ活動の充実及び安全の確保を図るため、必要な環境の整備及び体育に関する教員の資質の向上に努めるとともに、地域におけるスポーツ団体及びスポーツの指導者の活用の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。
(障がい者のスポーツ活動の推進)
第12条 県は、障がい者が自主的かつ積極的にスポーツ活動を行うことができるよう、障がいの種類及び程度に応じたスポーツ活動を行う機会の提供、障がい者の利用しやすい施設及び環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。
(男女間の格差のないスポーツ環境の整備等)
第13条 県は、男女を問わずスポーツに親しむことのできる施設及び環境の整備を図るとともに、スポーツにおいて性別を理由とする格差を生じさせないような県民の意識の向上その他の必要な施策を講ずるものとする。
(競技水準の向上)
第14条 県は、本県のスポーツ選手がオリンピック競技大会、パラリンピック競技大会その他の国際的な規模のスポーツ競技会又は全国的な規模のスポーツの競技会において優秀な成績を収められるようにするとともに、プロスポーツの選手を養成するため、スポーツ選手及びスポーツの指導者の計画的な育成その他の本県の競技水準の向上を図るために必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、本県のスポーツ選手が、スポーツの競技会においてその能力を最大限に発揮することができるよう、スポーツ選手のための環境の整備、スポーツに関する医学的又は科学的知見の活用の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。
(安全の確保)
第15条 県は、スポーツにおける事故の防止その他安全の確保を図るため、スポーツにおける心身の健康の保持及び安全の確保に関する知識の普及、スポーツ施設の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。
(人材の確保等)
第16条 県は、県民のスポーツ活動の充実を図るため、スポーツの指導者その他のスポーツ活動に携わる人材の確保、育成及び活用に関し必要な施策を講ずるものとする。
(スポーツ施設の整備等)
第17条 県は、市町村、事業者及びスポーツ団体との適切な役割分担の下に連携し、計画性を持ってスポーツ施設の整備及び活用を図るものとする。
(地域間の格差のないスポーツ活動の推進)
第18条 県は、県民がその生活を営む地域の差異にかかわらず、等しくスポーツ活動に親しむことができるよう、地域におけるスポーツ団体及びスポーツの指導者の活用の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。
(自然環境等を生かしたスポーツ活動の推進)
第19条 県は、本県の豊かな自然環境及び観光資源並びにそれらを利用したスポーツ施設を有効かつ効果的に活用することにより、地域の特性を生かしたスポーツ活動の推進を図るため、当該スポーツ活動についての情報の発信その他の必要な施策を講ずるものとする。
(スポーツ活動を通じた地域の活性化)
第20条 県は、スポーツ活動を通じて世代間及び地域間の交流並びに国際交流を促進し、地域の活性化を図るため、当該地域の住民が主体的に運営するスポーツ団体への支援、プロスポーツの活用、スポーツによる交流人口の拡大その他の必要な施策を講ずるものとする。
(誠実、健全及び高潔なスポーツ活動の推進)
第21条 県は、誠実、健全及び高潔な精神をもってスポーツ活動に取り組むという県民の意識の維持及び向上が図られるよう、必要な環境の整備、県民の意識の啓発その他の必要な施策を講ずるものとする。
(調査研究及び情報提供)
第22条 県は、スポーツの推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、スポーツに関する調査研究を行うとともに、広く県民に対してスポーツに関する情報の提供を行うものとする。
(顕彰)
第23条 県は、スポーツの競技会で優秀な成績を収めたもの及びスポーツの発展に寄与したものを顕彰するものとする。
(財政上の措置)
第24条 県は、スポーツの推進に関する施策を推進するために、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
附 則
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 この条例の施行の際現に策定されているスポーツの推進に関する計画であって、スポーツ推進計画に相当するものは、第8条第1項の規定により策定されたものとみなす。