○山形県こども・子育て基本条例
平成22年3月19日山形県条例第4号
山形県子育て基本条例をここに公布する。
山形県こども・子育て基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条―第11条)
第2章 基本的施策(第12条―第21条)
附則
「こども」は、いつの時代においても社会の宝であり、未来への希望である。本県のこどもが、健やかに心豊かに成長するとともに、県民誰もが安心してこどもを生み、育てることができることは、県民の願いである。
しかしながら、近年、こどもや子育てを取り巻く社会環境は、多様化及び複雑化しており、そのことによって、こどもを生むことへの不安や子育てに大変さを感じている県民も多いのが現状である。特に共働き世帯が多い本県においては、仕事と家庭との両立が課題となっている。また、少子化も進行しており、県民生活の全般にわたり、将来に深刻な影響をもたらしかねない。
今、全力を挙げて取り組んでいかなければならないのは、こうした事態に対処するための少子化対策であり、「将来の山形」を担うこどもたちを安心して生み、育てる環境を整備するとともに、こどもが社会の一員として健やかに成長し、将来自立したおとなとなることができるよう、社会全体でこどもの成長を支える取組を推進することである。これは、本県にとって、人口減少の流れを変える未来への礎である。
幸い本県には、「もう一つの日本」と称されるように自然と人間との調和がとれ、多彩な地域文化、三世代同居や地域社会における連帯感をはじめとする互助の精神が引き継がれるなど、こどもの健やかな成長や子育てにとって恵まれた環境がある。
これらの環境を生かして、行政、県民、家庭、事業者、保育所、幼稚園、学校、非営利活動団体、地域の団体等がそれぞれの役割分担の下に連携し、こどもの健やかな成長を支える取組を推進するとともに、子育ての喜びや素晴らしさを共有しながら、こどもを生み、育てる者を総ぐるみで支援し、子育ての負担感の軽減を図っていくことが大切である。
そのためには、県民一人一人ができることから、こどもやこどもを生み、育てる家庭に対する応援活動を実践することが必要である。
人と人とが「お互いさまの心」を大切にして助け合う行動が積み重なって、やがて、山形らしい風土となって親から子へと受け継がれていく。これにより、自然と人間との調和を図りながら、多彩な地域文化を生かし、将来にわたって、本県に生まれ、育つすべてのこどもが健やかに心豊かに成長するとともに、誰もが「こどもが笑顔の山形県」、「子育てするなら山形県」と実感できる社会を実現することを目指して、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、こども・子育て支援及び少子化対策に関し、基本理念並びに県、県民、保護者及び事業者の責務又は役割を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、県、市町村、県民、事業者その他こども及び子育ての支援に関する取組を行う者総ぐるみでこども・子育て支援及び少子化対策を推進し、もって県民が安心してこどもを生み、育てることができ、かつ、こどもが社会の一員として健やかに成長し、将来自立したおとなとなることができる社会の実現に寄与することを目的とする。
(定義及び取組の対象)
第2条 この条例において「こども・子育て支援及び少子化対策」とは、こどもを生み、育てる者の負担の軽減その他の県民が安心してこどもを生み、育てることができ、かつ、こどもが社会の一員として健やかに成長し、将来自立したおとなとなることができるような環境の整備のための県、市町村、県民、事業者その他こども及び子育ての支援に関する取組を行う者の取組をいう。
2 この条例において「こども」とは、心身の発達の過程にある者をいい、こども・子育て支援及び少子化対策の対象となるこどもの範囲は、取組ごとに定めるものとする。
(基本理念)
第3条 こども・子育て支援及び少子化対策は、次に掲げる事項を旨として、行われなければならない。
(1) こどもの権利を尊重し、その最善の利益を優先して考慮すること。
(2) 父母その他の保護者が、子育てについて第一義的責任を有するものであること。
(3) 県、市町村、県民、事業者その他こども及び子育ての支援に関する取組を行う者が適切な役割分担の下に連携し、協力すること。
(4) 結婚、出産及び子育てに関する個人の意思を尊重すること。
(県の責務)
第4条 県は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、こども・子育て支援及び少子化対策に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
2 県は、こども・子育て支援及び少子化対策の推進に当たり、市町村と緊密に連携するものとする。
(県民の役割)
第5条 県民は、こども・子育て支援及び少子化対策の重要性についての関心と理解を深め、県及び市町村が実施するこども・子育て支援及び少子化対策に関する施策に協力するよう努めるものとする。
2 県民は、基本理念にのっとり、それぞれの地域において、すべての世代の県民が互いに協力し、地域の特色ある資源を活用したこどもの自然体験、文化体験その他の体験を豊かにするための多様な機会の提供等を通じて、こども・子育て支援及び少子化対策に取り組むよう努めるものとする。
(保護者の責務)
第6条 父母その他の保護者は、基本理念にのっとり、家庭がこどもを育てる基盤であることを認識し、こどもが社会の一員としての自覚と責任を持つよう、自らが模範となって、深い愛情と責任を持って育てるものとする。
(事業者の役割)
第7条 事業者は、基本理念にのっとり、こどもを生み、育てる者が充実した職業生活を営みつつ豊かな家庭生活を送ることができるよう雇用環境の整備に努めるとともに、県及び市町村が実施するこども・子育て支援及び少子化対策に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(計画の策定)
第8条 知事は、こども・子育て支援及び少子化対策に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための計画(以下「計画」という。)を策定するものとする。
2 知事は、計画を策定するに当たっては、こども・子育て笑顔の山形県推進協議会の意見を聴かなければならない。
3 知事は、計画を策定したときは、速やかにこれを公表するものとする。
4 前2項の規定は、計画の変更について準用する。
(連携体制)
第9条 県は、こども・子育て支援及び少子化対策に関する施策を市町村、県民、事業者その他こども及び子育ての支援に関する取組を行う者と協力して推進するための連携体制を整備するものとする。
(財政上の措置)
第10条 県は、こども・子育て支援及び少子化対策に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるものとする。
(施策の実施状況の公表)
第11条 県は、毎年度、こども・子育て支援及び少子化対策に関する施策の実施状況を公表するものとする。
第2章 基本的施策
(こどもの意見の尊重)
第12条 県は、こどもが社会の一員として、意見を表明することができ、かつ、その意見をこども・子育て支援及び少子化対策に反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
(社会的気運の醸成)
第13条 県は、子育てにおいて家庭が果たす役割及び家庭生活における男女の協力の重要性について県民の認識を深めるとともに、結婚、こども及び子育ての支援に取り組む社会的気運の醸成を図るために必要な措置を講ずるものとする。
(こどもを生み、育てる者の負担軽減)
第14条 県は、こどもを生み、育てる者の負担を軽減するため、こどもを生み、育てる者の交流の促進、保育サービスの整備その他の多様な需要に対応した子育ての支援が図られるよう必要な措置を講ずるものとする。
(こども及びこどもを生み、育てる者の健康増進)
第15条 県は、県民が安心してこどもを生み、育てることができるよう、妊娠及び出産に関する情報の提供及び相談の実施、母子保健医療体制の充実その他のこども及びこどもを生み、育てる者の健康を増進するために必要な措置を講ずるものとする。
(仕事と子育てとの両立の支援)
第16条 県は、こどもを生み、育てる者が充実した職業生活を営みつつ豊かな家庭生活を送ることができるよう、こどもを生み、育てる者の雇用の継続を図るための制度の普及、保育サービスの体制の整備に係る支援その他の必要な措置を講ずるものとする。
(安心して生活を送ることができる環境の整備)
第17条 県は、こども及びこどもを生み、育てる者が安心して生活を送ることができるよう、多様な居場所づくり及び居住環境の整備に係る支援、道路の整備その他のこども及びこどもを生み、育てる者に配慮した生活環境を整備するために必要な措置を講ずるものとする。
(若者が自立して家庭生活を送ることができる環境の整備)
第18条 県は、こどもを生み、育てる若者が自立して家庭生活を送ることができるよう、県内における就業機会の確保、地域において能力を発揮することができる環境の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。
(困難を有するこどもへの支援等)
第19条 県は、虐待その他のこどもの健やかな成長を阻害する行為を防止するとともに、貧困その他の社会生活を送る上での困難を有するこどもが健やかに成長することができるよう、虐待等の防止等に関する県民の理解を深めるための情報の提供、相談体制の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。
(県民運動)
第20条 県は、こども・子育て支援及び少子化対策が、市町村、県民、事業者その他こども及び子育ての支援に関する取組を行う者と総ぐるみとなった運動として行われるよう、これらの者の取組に対する支援、啓発、情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。
(家庭の日)
第21条 県民の間に広く子育てにおいて家庭が果たす役割の重要性についての関心と理解を深めるとともに、県民が家族のきずなを大切にするため、家庭の日を設ける。
2 家庭の日は、毎月の第3日曜日とする。
3 県は、市町村その他子育ての支援に関する取組を行う者と連携し、家庭の日の趣旨について普及及び啓発に努めるものとする。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成25年7月9日条例第41号抄)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
附 則(令和7年3月21日条例第15号)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(山形県青少年健全育成条例の一部改正)
2 山形県青少年健全育成条例(昭和54年3月県条例第13号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう略〕