○山形県地下水の採取の適正化に関する条例
昭和51年3月31日山形県条例第16号
山形県地下水の採取の適正化に関する条例をここに公布する。
山形県地下水の採取の適正化に関する条例
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 地下水の採取の適正化(第3条―第15条)
第3章 削除
第4章 補則(第22条―第25条)
第5章 罰則(第26条・第27条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地下水の採取により、地盤の沈下、地下水の水位の異常な低下等の障害が生じ、又は生ずるおそれのある地域について、地下水採取適正化計画を策定することにより、地下水の採取に関する適正かつ合理的な基準を明らかにし、これに基づく指導、勧告等を行い、もつて地下水の水源の保全と地盤の沈下の防止に資することを目的とする。
(地下水の範囲)
第2条 この条例にいう「地下水」には、温泉法(昭和23年法律第125号)第2条第1項に規定する温泉、鉱業法(昭和25年法律第289号)第5条に規定する鉱業権に基づいて掘採する同法第3条第1項の可燃性天然ガスを溶存する地下水並びに河川法(昭和39年法律第167号)第3条第1項及び第100条第1項に規定する河川の流水であることが明らかなものは含まないものとする。
第2章 地下水の採取の適正化
(地下水採取適正化計画)
第3条 知事は、地下水の採取に伴い生ずる地盤の沈下、地下水の水位の異常な低下又は塩水化等の障害(以下「地下水採取に伴う障害」という。)を防止するため必要があると認める地域について、地下水の採取の適正化を図るため、地下水採取適正化計画を定めることができる。
第4条 地下水採取適正化計画は、地下水採取適正化地域及び当該地域に係る次の事項について定めるものとする。
(1) 適正な地下水の水位、その採取量及び水質の基準に関する事項
(2) 地下水を採取するための設備の規模、構造等の基準
(3) 地下水の保全に関する措置に関する事項
(4) その他水の使用の合理化に関する事項
2 前項の地下水採取適正化地域は、次の各号に該当する地域とする。
(1) 地下水採取に伴う障害が生じ、又は生ずるおそれのある地域
(2) 前号の地域に隣接する地域で、当該地下水採取に伴う障害の原因となつている地下水の採取が行われている地域
3 地下水採取適正化計画は、地下水採取適正化地域の地形又は地質に応じ、当該地域における総合的な水の需給の現状及び見通しを勘案して定めるものとする。
4 知事は、地下水採取適正化計画を定める場合には、あらかじめ、山形県環境審議会及び関係市町村長に当該地下水採取適正化計画の案を示し、その意見を聴かなければならない。
5 知事は、地下水採取適正化計画を定めたときは、その旨及び当該地下水採取適正化計画の要旨を公表しなければならない。
(地下水採取適正化計画の変更)
第5条 知事は、土地利用の状況又は用水事情の変化等により必要が生じたときは、遅滞なく、地下水採取適正化計画を変更しなければならない。
2 前条第4項及び第5項の規定は、前項の地下水採取適正化計画の変更について準用する。
(地下水採取者の責務)
第6条 地下水採取適正化地域内において、地下水を採取している者は、地下水採取適正化計画に適合するよう地下水の採取の適正化と地下水の水源の保全に努めなければならない。
(地下水採取の届出)
第7条 地下水採取適正化地域内において、新たに地下水を採取しようとする者は、次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつてはその代表者の氏名
(2) 地下水を採取する場所
(3) 地下水を採取するための設備に係るストレーナーの位置及び吐出口の断面積
(4) 平均1日採取予定量
(5) 採取する地下水の用途
(6) その他規則で定める事項
2 前項の規定は、次の各号の一に該当する場合には、適用しない。
(1) 地下水を採取することについて工業用水法(昭和31年法律第146号)又は建築物用地下水の採取の規制に関する法律(昭和37年法律第100号)の規定の適用がある場合
(2) 動力を用いて地下水を採取するための設備で揚水機の吐出口の断面積(吐出口が2以上あるときは、その断面積の合計とする。)が6平方センチメートルを超えるもの以外の設備により地下水を採取する場合
(3) 前2号に掲げる場合のほか、非常用その他の規則で定める用途に供する地下水の採取の場合
3 第1項の規定による届出は、新たに地下水を採取するための設備の工事に着手する日の30日前までにしなければならない。
第8条 前条第1項及び第3項の規定は、同条第2項第2号又は第3号の規定に該当する地下水の採取について、当該地下水の採取をするための設備又は当該採取に係る地下水の用途を変更することにより、同項各号の規定のいずれにも該当しなくなる場合について準用する。この場合において、同条第3項中「新たに地下水を採取するための設備の工事に着手する日」とあるのは、「当該設備に係る変更の工事に着手する日又は当該採取に係る地下水の用途の変更をする日」と読み替えるものとする。
(計画変更等の勧告)
第9条 知事は、第7条第1項(前条において準用する場合を含む。)の規定による届出があつた場合において、その届出に係る地下水の採取をするための設備が第4条第1項第2号の地下水を採取するための設備の規模、構造等の基準に適合しないと認めるとき、その他地下水採取に伴う障害を防止するため特に必要があると認めるときは、その届出をした者に対し、当該設備による地下水の採取に関する計画を変更すべきことその他その届出に係る事項について必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
2 前項の規定による勧告は、第7条第1項(前条において準用する場合を含む。)の規定による届出があつた日から起算して30日以内にしなければならない。
(勧告に基づき講じた措置の報告)
第10条 知事は、前条第1項の規定による勧告をした場合において、必要があると認めるときは、その勧告を受けた者に対し、その勧告に基づいて講じた措置について報告をさせることができる。
(地下水の既採取者の届出等)
第11条 地下水採取適正化地域になつた際現に当該地域内において地下水の採取(第7条第2項各号の一に該当する地下水の採取を除く。)をしている者(地下水を採取するための設備の工事に着手している者を含む。)は、その日から起算して60日以内に同条第1項各号に掲げる事項を知事に届け出なければならない。
(地下水採取設備等の変更の届出及び計画変更等の勧告等)
第12条 第7条第1項(第8条において準用する場合を含む。)又は前条の規定による届出をした者は、当該届出に係る地下水の採取をするための設備又は当該届出に係る地下水の用途の変更(規則で定める変更に限る。)をしようとするときは、当該変更に係る事項を知事に届け出なければならない。
2 第7条第3項の規定は前項の者が同項の規定による届出をする場合について、第9条及び第10条の規定は当該届出があつた場合についてそれぞれ準用する。この場合において、第7条第3項中「新たに地下水を採取するための設備の工事に着手する日」とあるのは、「当該設備に係る変更の工事に着手する日又は当該地下水の用途の変更をする日」と読み替えるものとする。
(改善勧告等)
第13条 知事は、地下水採取適正化地域内において地下水の採取(第7条第2項各号の一に該当する地下水の採取を除く。)をしている者のその採取をするための設備が第4条第1項第2号の地下水を採取するための設備の規模、構造等の基準に適合しないと認めるとき、その他地下水採取に伴う障害を防止するため特に必要があると認めるときは、当該地下水の採取をしている者に対し、期限を定めて、地下水の採取に関し必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
2 前項の規定は、第11条の規定による届出をした者については、適用しない。ただし、その者が前条第1項の規定による届出をした場合において、同条第2項において準用する第9条及び第10条に規定する勧告等の措置に必要な期間として規則で定める期間を経過した後においては、この限りでない。
3 第10条の規定は第1項の規定による勧告をした場合について準用する。
(採取者の地位の承継)
第14条 届出をして地下水を採取している者(以下この条、次条及び第22条において「採取者」という。)から当該届出に係る設備を譲り受け、又は借り受けた者は、当該設備に係る採取者の地位を承継する。
2 採取者について相続、合併又は分割(当該届出に係る設備を承継させるものに限る。)があつた場合においては、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割により当該届出に係る設備を承継した法人は、当該採取者の地位を承継する。
3 前2項の規定により採取者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。
(氏名の変更等の届出)
第15条 採取者は、次の各号のいずれかに該当する場合は、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。
(1) 氏名若しくは名称又は住所に変更があつたとき。
(2) 届出に係る設備により地下水を採取することを廃止したとき。
(3) 届出に係る設備を届出を要しないものとしたとき。
(4) その他規則で定める事由に該当するとき。
第3章 削除
第16条から第21条まで 削除
第4章 補則
(指導等)
第22条 知事は、地下水採取適正化計画に即し地下水の適正な採取及びその合理的な利用を図るため、採取者に対し、必要な指導又は助言をすることができる。
(公表)
第23条 知事は、この条例の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、規則で定めるところによりその旨を公表することができる。
(報告及び調査)
第24条 知事は、この条例を施行するため必要があるときは、地下水採取適正化地域内において地下水の採取(第7条第2項各号の一に該当する地下水の採取を除く。)をしている者に対し、当該地下水の採取をするための設備の状況その他地下水の採取の状況等について報告を求め、又はその職員に、当該設備の設置場所若しくは当該地下水の採取をしている者の工場、事務所等に立ち入り、当該設備その他の物件を調査させることができる。
2 前項の規定による調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
(委任)
第25条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
第5章 罰則
第26条 次の各号の一に該当する者は、3万円以下の罰金に処する。
(1) 第7条第1項(第8条において準用する場合を含む。)、第11条又は第12条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(2) 第24条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による調査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第27条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の罰金刑を科する。
附 則
この条例は、昭和51年4月1日から施行する。
附 則(昭和54年3月26日条例第8号)
この条例は、昭和54年4月1日から施行する。
附 則(平成13年3月23日条例第9号)
この条例は、平成13年4月1日から施行する。
附 則(平成13年7月10日条例第42号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成15年7月8日条例第43号)
1 この条例は、平成15年9月1日から施行する。
2 この条例の施行の際現に山形県地下水審議会に諮問されている事項については、山形県環境審議会に諮問されているものとみなす。