○津市開発事業に関する指導要綱
平成18年1月1日告示第25号
津市開発事業に関する指導要綱
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 基本方針(第7条―第17条)
第3章 設計の基本(公共施設及び公益施設)(第18条―第41条)
第4章 工事施行に伴う事業者の義務(第42条)
第5章 立入検査等(第43条・第44条)
第6章 公共施設等の帰属又は寄附及び管理(第45条―第47条)
第7章 小規模開発(第48条―第50条)
第8章 補則(第51条・第52条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この要綱は、本市の土地利用を計画的に推進し、健康的かつ安全な生活環境の保全と良好な都市環境の整備を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 開発事業 次に掲げる事業をいう。
ア 都市計画法(昭和43年法律第100号。以下「法」という。)第4条第12項に規定する開発行為
イ 駐車場、資材置場等の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更
(2) 開発事業区域 開発事業をする土地の区域をいう。
(3) 事業者 開発事業を施行する者をいう。
(4) 公共施設 道路、公園、緑地、広場、上水道、下水道、河川、運河、水路、消防水利施設その他公共の用に供する施設をいう。
(5) 公益施設 教育文化施設、社会福祉施設、交通施設、集会所、ごみ処理等の環境事業施設その他公益の用に供する施設をいう。
(6) 小規模開発 開発事業区域の面積が500平方メートル以上1,000平方メートル未満の開発事業をいう。
(適用対象)
第3条 この要綱は、本市の区域内において行われる開発事業区域の面積が500平方メートル以上の開発事業(その計画規模がこれに該当しない場合であっても、開発事業が継続して行われ、その結果これに該当することとなったものを含む。)に適用する。
(適用除外)
第4条 前条に該当する開発行為であっても次に掲げるものについては、その適用を除外する。
(1) 法第29条第1項第3号から第10号までに規定する開発行為
(2) 本市が行う開発事業
(3) 本市がその組織に加わっている一部事務組合及び本市が設置する団体が行う開発事業
(4) 国及び県が行う開発事業
(5) 三重県がその組織に加わっている一部事務組合、広域連合又は港務局が行う開発行為
(総合計画等の尊重)
第5条 事業者は、開発事業の計画に当たっては、本市の総合計画及び都市計画、環境、緑化、福祉等に関する基本計画を尊重しなければならない。
(指導基準)
第6条 事業者は、開発事業の計画及び施行等に当たっては、この要綱及び別に定める津市開発技術基準(以下「開発技術基準」という。)に従い、これを行うものとする。
第2章 基本方針
(基本原則)
第7条 開発事業の計画の作成に当たっては、本市の均衡ある発展に寄与し、健康で文化的、機能的な生活環境を確保するため、環境の整備改善を図り、交通安全の確保、災害発生の防止その他健全な地域社会の形成に必要な公共施設及び公益施設の整備並びに宅地に関する事項が適正に定められていなければならない。
(地区等の選定)
第8条 事業者は、開発事業区域を選定するに当たっては、法第8条及び第9条の規定による地域地区指定の趣旨に沿ってこれを行わなければならない。
2 河川改修、上水道、下水道、都市排水等に係る諸計画との調整上、開発事業を施行するに当たって適合しない区域又は好ましくない区域における開発事業は、原則としてこれを認めない。ただし、事業者の負担において、公共施設及び公益施設を整備し、開発事業を施行するに当たって適合し得る措置を講じた場合は、この限りでない。
(利害関係者等の意見の尊重等)
第9条 事業者は、開発事業に係る計画について、利害関係を有するもの(団体を含む。)、開発事業区域の周辺住民等の意見を十分尊重し、当該計画の説明会等を通じ、あらかじめ必要な調整を行うものとする。
2 当該事業に関し紛争が生じたときは、事業者及び利害関係者等は、誠意を持って話合いを行い、当事者間において当該紛争を解決するものとする。
(自然環境との調和及び緑地の保全)
第10条 事業者は、開発事業区域において、良好な自然条件を備え、優れた環境を有する土地については、その自然的効用を生かすため、できる限り自然地として保全するよう努めるものとする。
2 事業者は、開発事業により生じた表土については、緑化を図るなどの措置を講じ、自然と緑を回復するよう努めるものとする。
3 事業者は、市街地から望む、良好な景観を有する区域を含む大規模開発にあっては、森林法(昭和26年法律第249号)との整合を図りながら、緑豊かな景観の保全に努めるものとする。
(緑化の推進)
第11条 事業者は、住宅地に係る開発事業においては、生け垣の設置及び植樹により緑豊かな住宅地の形成に努めるものとする。
(文化財の保護)
第12条 事業者は、開発事業の実施に当たっては、文化財に対する影響等について事前に関係機関と協議の上、その指示に基づく必要な措置を工事着手前に完了させるものとする。
2 事業者は、開発事業の工事施行中に文化財を発見した場合は、直ちに工事を中止し、関係機関の指示を受け、必要な措置を講じるものとする。
(防災措置)
第13条 事業者は、開発事業の施行に当たっては、事前に地形、地質、過去の災害等を十分調査し、開発事業区域及びその周辺の区域において災害が発生しないよう万全の防災措置を講じなければならない。
(住居表示制度への対応)
第14条 事業者は、開発事業の計画に当たっては、住居表示制度の趣旨を尊重し、これに対応できるよう配意するものとする。
(工事による公害の防止)
第15条 事業者は、開発事業に係る工事に伴って発生する騒音、振動、粉じん、水質汚濁等の防止を図り、生活環境保全のため、万全の措置を講ずるものとする。この場合において、公害を発生させたときは、事業者は、直ちに市長に報告するとともに、当該事業者の責任において適切な措置を講ずるものとする。
(通園、通学路の安全確保)
第16条 事業者は、開発事業に係る工事を施工する際に、工事用車両が幼稚園、小学校、中学校及び義務教育学校の通園、通学路を通行するときは、市教育委員会等の関係機関と協議の上、当該通園、通学路を利用する園児、児童、生徒等の安全確保に努めるものとする。
(公共施設及び公益施設の整備)
第17条 開発事業の施行に伴い設置を必要とする公共施設については、事業者が自己の負担において、整備しなければならない。
2 事業者は、第34条に定める基準により、集会所に係る用地を確保し、本市に対し無償でこれを譲与するものとする。
3 市長が開発事業の規模により、その開発区域内に学校及び保育所を設置する必要があると認めるときは、事業者は、第35条に定める基準による面積の土地を確保し、造成しなければならない。この場合において、その確保した土地については、本市が鑑定評価額を限度として買い受けるものとする。
第3章 設計の基本(公共施設及び公益施設)
(道路計画)
第18条 事業者は、開発事業区域及びその周辺の区域における道路網については、開発事業の目的に基づき、自動車、歩行者等の交通量を勘案し、総合的に計画するものとする。
(幹線道路等)
第19条 開発事業区域における主要な道路の幅員は、次のとおりとする。
2 前項の規定にかかわらず、市長が公共施設及び公益施設の設置上、必要があると認めるときは、主要な道路の幅員を20メートルとすることができる。
3 都市計画に定められた道路が開発事業区域内にある場合には、原則として、これを当該都市計画に適合させ、事業者において整備するものとする。
目的 | 住宅地 | 住宅地以外 |
道路の区分 | 幹線道路 | 補助幹線道路 | 幹線道路 | 補助幹線道路 |
開発区域の面積 | ― | ― | ― | ― |
2.5ha以上5ha未満 | ―― | ―― | 10m以上 | ―― |
5ha以上10ha未満 | 10m以上 | ―― | 12m以上 | ―― |
10ha以上20ha未満 | 14m以上 | 10m以上 | 16m以上 | 10m以上 |
20ha以上 | 14m以上 | 10m以上 | 20m以上 | 10m以上 |
(区画道路)
第20条 事業者は、区画街路については、各住宅地に直接面するよう計画するものとする。この場合において、区画街路を通過するための交通を避け、かつ、幹線道路及び補助幹線道路との接続が少なくなるよう設計するものとし、その有効となる幅員は、原則として6メートルとする。
(開発区域外の既存道路との接続)
第21条 事業者は、開発事業区域内の幹線道路を開発事業区域外の既存道路に接続する場合は、原則として当該幹線道路と同等又はそれ以上の幅員の既存道路に接続しなければならない。ただし、市長が開発事業区域の周辺の道路の状況により、車両の通行に支障がないと特に認める場合において、事業者がその負担により開発事業区域外の既存道路の改良を行うときは、この限りではない。
(自転車及び歩行者の安全確保)
第22条 事業者は、自転車及び歩行者の通行帯については、できる限り車道と区別し安全を確保するとともに、公共施設及び公益施設の配置についても自転車及び歩行者の安全を考慮して計画するものとする。
(道路の設計)
第23条 事業者は、道路の設計に当たっては、開発技術基準によるほか事前に市長に協議するものとする。
(公園用地)
第24条 事業者は、主として住宅地に係る開発事業で開発事業区域の面積が3,000平方メートル以上の場合には、当該面積の3パーセント以上の面積又は3平方メートルにその計画人口(3.5人に計画戸数を乗じて得たものをいう。)を乗じて得た面積のいずれか多い方の面積の土地を公園用地(緑地及び広場を含む。)として確保するものとする。
2 中高層住宅を建設する住宅地の開発事業で開発事業区域の面積が3,000平方メートル以上の場合は、公園用地を確保するものとする。ただし、面積については別途協議するものとする。
(公園等の配置)
第25条 事業者は、開発事業の規模に応じ主となる公園1箇所を中央に設置し、他に誘致距離を勘案して街区公園等を配置するものとする。
(施設の配置)
第26条 公園内の遊具、植栽その他施設の設置は、事業者がその負担によりこれを行うものとし、その配置については、事前に市長に協議するものとする。
(排水計画の原則)
第27条 事業者は、排水計画については、その開発事業区域内だけでなく集水区域全体の状況を考慮し、かつ、その放流河川の流下能力、水質基準及び下流域への影響を勘案し、洪水調整池等による流量調整及び水質保全に万全を期するものとする。また、治水安全度の向上のため、雨水流出抑制対策を積極的に行うものとする。
(下水排除方式等)
第28条 事業者は、下水排除方式については、分流式とし、下水排除をするため、所要の管路施設、ポンプ場及び汚水処理施設を整備するものとする。ただし、当該処理施設については、開発事業区域の面積が2.5ヘクタール以上又は開発事業区域における住宅の戸数が100戸以上の場合には、公共下水道に接続する場合を除きこれを設置するものとする。また、公共用水域の水質保全のため、下水道事業計画における予定処理区域外においては、合併処理浄化槽を設置するものとする。
2 前項の処理施設の維持管理等は、事業者又は受益者がこれを行うものとする。
(水路の整備)
第29条 水路については、雨水又は開発事業に伴う処理水を開発事業区域外の水路等に放流するため、事業者の負担により整備するものとする。
(排水施設の設計)
第30条 事業者は、排水施設の設計に当たっては、開発技術基準によるほか、事前に市長に協議するものとする。
(上水道)
(消防水利等)
第32条 事業者は、消防水利等については、消防法(昭和23年法律第186号)によるほか開発技術基準によるものとし、その施設の配置については、事前に市長に協議するものとする。
(公益施設の配置等)
第33条 事業者は、公益施設の配置等については、当該公益施設の管理者と協議して行うものとする。
(集会所用地)
第34条 事業者は、次に定める基準により、集会所の用地を確保しなければならない。
区分 | 面積 |
100戸以上300戸未満 | 300㎡ |
300戸以上500戸未満 | 500㎡ |
500戸以上 | |
(500戸以上については、箇所数を事前に市長に協議するものとする。) | 500戸を超す100戸ごとに100㎡を加算 |
(学校及び保育所用地)
第35条 事業者は、次に定める基準により、学校及び保育所の用地を確保しなければならない。
区分 | 面積 | 備考 |
中学校 | 1校につき | 3.0ha | 18学級編成 |
小学校 | 1校につき | 2.53ha | 18学級編成 |
幼稚園 | 1園につき | 3,600㎡ | 4学級編成 |
保育所 | 1園につき | 1,500㎡ | 定員 90名 |
(ごみ処理)
第36条 事業者は、家庭から排出される一般廃棄物(ごみ)の一時集積場所については、別に定める開発技術基準によるものとし、その位置、規模等については、市長に協議するものとする。
2 一時集積場所の維持管理については、その地域住民において、行うものとする。
(駐車場等)
第37条 事業者は、開発事業の目的及び規模、開発事業地周辺の状況等を考慮し、住環境に支障が生じないよう、開発技術基準により駐車場等を設置するものとする。
(油水分離槽の設置)
第38条 事業者は、油等による水質汚濁防止のため、開発技術基準により油水分離槽を設置するものとする。
(購買施設)
第39条 事業者は、開発事業区域の面積が10ヘクタール以上の住宅地に係る開発事業については、住民の利便を考慮し、必要な購買に係る施設を設置するものとする。
(地下埋設物等に係る協議)
第40条 事業者は、本市に帰属することとなる公共施設内に地下埋設物等(ガス管、水道管、電柱等をいう。)を設置する場合には、事前に当該公共施設の管理者と協議するものとする。
(保安施設)
第41条 事業者は、その必要に応じて、その負担により開発事業区域内に防犯灯を設置し、事業者又はその地域住民は、これを維持管理するものとする。
第4章 工事施工に伴う事業者の義務
(施工計画及び施工管理)
第42条 事業者は、開発事業に着手する前に、当該開発事業に伴う工事の全工程表を市長に提出するとともに、土砂等の搬入路について周辺の道路の状況を勘案して、市長と協議の上決定するものとする。この場合において、これによる防じん、交通安全等について適切な措置を講ずるものとする。
2 事業者は、開発事業に着手する前に防災計画を市長に提示し、周辺の地域に係る災害を防止するため防災工事を行わなければならない。
3 事業者は、開発事業を施行するに当たっては、関係法令及びこの要綱に定める事項を遵守するものとし、施行過程において当初の計画に変更の必要が生じた場合は、事前に市長に協議して必要な手続を行わなければならない。
4 事業者は、開発事業の施行に伴い、公共施設及び住宅、農作物等に関し被害又は紛争が生じたときは、遅延なくその補償等の対策を講ずるものとする。
第5章 立入検査等
(立入検査)
第43条 市長は、開発事業の施行に関し必要と認める場合は、当該職員をして開発事業の区域内に立ち入らせ、工事の進ちょく状況、防災措置等を検査させることができる。
(中間検査、完了検査等)
第44条 事業者は、法第36条第2項の規定による工事完了の検査を受けるほか、本市に帰属し、又は寄附することとなる公共施設については、本市の職員による中間検査及び完了検査を受けなければならない。
第6章 公共施設等の帰属又は寄附及び管理
(公共施設等の土地の帰属又は寄附)
第45条 法第32条の規定による協議において本市の同意を得て設置される公共施設又は公益施設(以下「公共施設等」という。)に係る土地については、法第36条第3項に規定する工事完了に係る公告の日の翌日に本市に帰属するものとする。
2 この要綱の適用対象となる開発行為により設置される公共施設等に係る土地のうち、前項の規定による土地以外のものについては、工事完了の日の翌日に本市に寄附できるものとする。
3 前2項の場合において、当該公共施設等に係る土地の本市への所有権移転登記の手続は、事前に市長に協議し、事業者においてこれを行うものとする。
(公共施設等の管理)
第46条 法第32条の規定等による協議において本市の同意を得て設置される公共施設等については、法第36条第3項に規定する工事完了に係る公告の日の翌日又は工事完了の日の翌日に本市の管理に属するものとする。この場合において、当該公共施設等の本市への管理引継ぎの手続は、事前に市長に協議し、事業者においてこれを行うものとする。
(その他の公共施設等の管理)
第47条 法第32条の規定等による協議において事業者又は受益者が所有管理することとなる公共施設等については、適切な管理がされるよう努めなければならない。
第7章 小規模開発
(道路)
第48条 開発事業区域内に設置される道路については、建築基準法(昭和25年法律第201号)第42条第1項第5号の規定により、指定を受けたものでなければならない。
(排水施設等)
第49条 事業者は、住宅地内の雨水については、隣地へ流出しないよう側溝の設置など適切な措置を講ずるものとする。
2 事業者は、側溝、下水道管等については、溢水又は漏水のおそれのないよう設置し、公共の水路又はこれに準ずる施設に接続しなければならない。
3 事業者は、造成による土砂の流出を防止するため、別に定める開発技術基準による土留めを設置しなければならない。
4 事業者は、市道、水路等を占用し、又はこれらに加工しようとする場合は、必要な手続を行わなければならない。
(適用除外)
第50条 小規模開発については、第17条第2項、第18条から第27条まで、第29条から第35条まで、第39条及び第41条から第43条までの規定は適用しない。
第8章 補則
(指導に従わない者に対する措置)
第51条 市長は、この要綱に従わない事業者に対しては、この事実を公表することができる。
(委任)
第52条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
この告示は、平成18年1月1日から施行する。
附 則(平成20年5月2日告示第73号)
この告示は、公布の日から施行する。
附 則(平成24年3月27日告示第61号)
1 この告示は、平成24年4月1日から施行する。
2 改正後の津市開発事業に関する指導要綱第45条の規定は、この告示の施行の日(以下「施行日」という。)以後に工事に着手する開発行為について適用し、施行日前に工事に着手する開発行為については、なお従前の例による。
附 則(平成29年3月29日告示第38号)
この告示は、平成29年4月1日から施行する。