○野沢温泉村地下水資源保全条例
昭和59年4月25日条例第20号
野沢温泉村地下水資源保全条例
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、村民の生活用水の根源である地下水の枯渇を防止し、又は、保護するため無秩序な地下水の採取を規制し、もって村民の福祉に寄与することを目的とする。
(用語の意義)
第2条 この条例において「井戸」とは、地下水(温泉法(昭和23年法律第125号)による温泉及び自然湧水を除く。)を採取するための施設をいう。
(村の責務)
第3条 村は、地下水資源の保全を図るために必要な総合的施策を講ずるものとする。
(地下水採取者の責務)
第4条 地下水を採取する者は、その事業の実施にあたり、地下水資源の貴重なことを認識し、村が行う施策に協力するものとする。
(村民の責務)
第5条 村民は、地下水資源の貴重なことを認識し、村が行う施策に協力するものとする。
第2章 地下水保全地区の指定
(保全地区)
第6条 村長は、地下水を保全するため次条の定める区分により、野沢温泉村地下水保全地区(以下「保全地区」という。)を指定する。
(地区の区分)
第7条 保全地区の区分は、次の各号に掲げるところによる。
(1) 特別保全地区 地下水及び温泉源の保護が特に必要な地区
(2) 普通保全地区 地下水の保護と開発利用の調和を図ることが必要な地区
(地区の指定)
第8条 村長は、保全地区を指定しようとするときは、野沢温泉村地下水資源保全審議会(以下「審議会」という。)の意見を聞かなければならない。
(地区の変更・解除等)
第9条 村長は、指定した保全地区について必要があると認めるときは、その区域を変更し、又は解除することができる。
2 前条の規定は、前項の区域の変更、又は指定の解除について準用する。
第3章 地下水の規制
(承認等)
第10条 保全地区内で地下水を採取するため、井戸を掘さくする者は、あらかじめ村長の承認を受けなければならない。
2 第1項の規定にかかわらず、国、県の機関が同項の規定に該当する行為をしようとするときは、同項の承認を要しない。ただし、あらかじめ村長に協議しなければならない。
3 承認基準は、規則で定める。
4 第1項の承認には、条件を付することができる。
5 村長は、第3項の基準を定め、変更し、又は廃止しようとするときは、審議会の意見を聞かなければならない。
第11条 保全地区外で地下水を採取する者は、あらかじめ村長に届出なければならない。
2 前項の届出には、第12条の規定を準用する。
(承認申請)
第12条 第10条第1項の規定により承認を受けようとする者は、井戸を掘さくしようとする日の30日前までに、次の事項を記載した申請書を村長に提出しなければならない。
(1) 住所、氏名(法人にあっては事務所の所在地、名称及び代表者の氏名)
(2) 地下水の用途
(3) 井戸の設置場所
(4) 井戸の口径及び深さ
(5) 井戸のストレーナーの位置、揚水機の規格及び吐出口の断面積
(6) 1日当りの予定揚水量
(7) 工事着手及び完了予定年月日
(8) その他村長が必要と認める事項
(届出及び検査)
第13条 第10条第1項により承認を受けた者は、井戸が完成したときは、15日以内に村長に届出て、同条第3項に規定する承認基準等の適合状況について検査を受けなければならない。
2 第11条第1項により届出した者は、井戸が完成したときは、15日以内に村長に届出なければならない。
(経過措置)
第14条 保全地区内で現に地下水採取のため、井戸を使用している者、又は井戸を掘さくしている者は、この条例施行後60日以内に村長に届出なければならない。
2 前項の規定により届出た者は、第10条第1項の承認を受けたものとみなす。ただし、村長は同条第3項の承認基準に適合してない場合、承認基準に適合するよう期限を定めて施設の改善命令を行うことができる。
3 保全地区外で現に地下水採取のため、井戸を使用している者、又は井戸を掘さくしている者は、この条例施行後60日以内に村長に届出なければならない。
(変更の承認)
第15条 第10条第1項の承認を受けた者、又は前条第2項により承認を受けたとみなされた者(以下「採取者」という。)は、承認を受けた施設を変更しようとするときは、村長の承認を受けなければならない。
2 動力を用いずに地下水を採取していた者で、地下水を採取するため第10条の規定に基づく施設(以下「承認施設」という。)を設置しようとする者は、村長の承認を受けなければならない。
3 第11条第1項による届出をした者は、施設を変更した場合、村長に届出なければならない。
4 前各項の規定は、第12条及び第13条の規定を準用する。
(氏名等の変更の届出)
第16条 採取者及び第11条第1項により届出した者は、第12条第1号並びに第2号に掲げる事項に変更があったときは、その変更があった日から30日以内にその旨村長に届出なければならない。
(承継)
第17条 採取者から承認施設を譲受けた者は、当該承認施設に係る採取者の地位を承継する。
2 採取者について、相続又は合併があったときは、相続人又は合併後存続する法人、若しくは合併により設立した法人は、採取者の地位を承継する。
3 前2項の規定にかかわらず、特別保全地区においては、相続以外は当該承認施設に係る採取者の地位を継承することができない。
4 第1項及び第2項の規定により採取者の地位を承継した者は、その承継のあった日から30日以内にその旨村長に届出なければならない。
(廃止)
第18条 採取者がその承認施設を廃止したとき、及び第11条第1項による届出した者がその施設を廃止したときは、廃止した日から30日以内に原状回復し村長に届出なければならない。
(取消し等)
第19条 村長は、偽り、その他不正な手段により承認を受けた者、又は第10条第3項の規定による承認基準及び同条第4項の規定による条件に違反した者に対してその承認を取り消すことができる。
2 村長は、第10条第1項の規定による承認を受けず、又は同条第3項の規定による承認基準及び同条第4項の規定による条件に違反して地下水の採取が行なわれている揚水施設については、当該揚水施設の所有者、管理者、又は占有者に対して、当該揚水施設による地下水の採取を停止し、若しくはその量を減少させること、又は相当の期限をつけて当該揚水施設のストレーナーの位置を変更し、若しくはその吐出口の断面積を小さくすること、その他その違反の是正のために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第4章 雑則
(立入調査)
第20条 村長は、この条例の円滑な運用を図るため必要があるときは職員に当該土地に立入らせ調査させることができる。
2 前項の規定により調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者から請求があるときはこれを提示しなければならない。
(勧告)
第21条 村長は、地下水資源の保全上、必要があると認めるときは揚水を行う者、及び関係者に対し期限を定めて必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
(措置命令)
第22条 村長は、前条の規定による勧告を受けた者が、当該勧告に係る措置を行なわないときは、期限を定めて当該措置をとるべきことを命令することができる。
(措置の届出)
第23条 第21条の規定による勧告、又は前条に規定する命令を受けた者が、当該勧告又は命令に係る措置をとったときは、7日以内に村長に届出てその検査を受けなければならない。
(停止命令)
第24条 村長は、第22条の規定により命令を受けた者が、当該命令に従わないときは、必要な限度において当該行為の一時停止を命令することができる。
(弁明の機会)
第25条 村長は、第19条第2項、第22条並びに前条の規定による命令をしようとするときは、当該命令を受ける者、又はその代理者に対し期限を定めて弁明の機会を与えなければならない。
(苦情及び紛争の処理)
第26条 地下水の採取に関し、苦情のある者、又は紛争の当事者は村長に対し苦情又は紛争のあっせん、若しくは調定の申立てをすることができる。
2 村長は、前項の規定による苦情、又は紛争の申立てがあったときは、すみやかに実情を調査しその適正な処理に努めるものとする。
(違反者の公表)
第27条 第22条及び第24条の規定に違反した者は、公表することができる。
(補則)
第28条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は村長が別に定める。
附 則
この条例は、昭和59年5月1日から施行する。
附 則(令和4年12月15日条例第26号)
この条例は、公布の日から施行する。