○西脇市こどもの笑顔をはぐくむ条例
令和元年9月26日条例第8号
西脇市こどもの笑顔をはぐくむ条例
西脇市は、豊かな自然に恵まれ、歴史、文化を大切にしながら、播州織や播州釣針、黒田庄和牛などの特色ある産業や特産品を育んできました。こどもたちは、これらを誇りに思い、この地とここに暮らす人々に安心と優しさを感じています。
しかしながら、近年、核家族化や人間関係、社会意識の希薄化等が進行し、子育て環境の悪化による虐待などが社会問題となっています。
私たちは、こどもたちが社会の大切な一員であることを改めて認識し、こどもたちの今を、そして、その成長を、保護者とともに地域全体で見守り、支えていく必要があります。
こどもたちは、一人ひとりがかけがえのない存在です。その笑顔が全ての市民の笑顔につながり、その健やかな育ちは、全ての市民の幸せな暮らしへとつながります。そして、その存在が西脇市の未来を創っていきます。
こどもたちの幸せは、全ての市民の願いです。私たちは、ここに、安心して子育てができる社会、そして、地域の宝であるこどもたちが、その人権が尊重され、夢を持って笑顔で健やかに育つことができる社会の実現を目指して、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、本市におけるこども及び子育て家庭の支援に関し基本理念を定め、保護者、市民(こどもを除く。以下同じ。)、学校園等関係者及び事業者の役割並びに市の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定めることにより、安心してこどもを育て、こどもが夢を持って笑顔で健やかに育つことができる社会の実現を目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) こども 18歳未満の者及び社会的にその成長への支援が必要であると認められる者をいう。
(2) 保護者 親及び児童福祉法(昭和22年法律第164号)第6条の4に規定する里親その他親に代わってこどもを養育する者をいう。
(3) 学校園等関係者 学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する学校、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)に規定する施設その他こどもが学び、育つことを目的とする施設の関係者をいう。
(基本理念)
第3条 こども及び子育て家庭の支援は、次に掲げる事項を基本理念として、地域社会全体で推進しなければならない。
(1) こどもの人権が尊重され、その思い及び意見が大切にされるとともに、年齢及び成長に応じた最善の利益が考慮されること。
(2) 保護者が、自信を持ってこどもと向き合い、愛情を持って育て、その成長に喜びを実感することができること。
(3) 保護者、市民、学校園等関係者、事業者及び市が、それぞれの役割又は責務を自覚し、主体的に取り組むとともに、関係機関とも相互に連携し、協働すること。
(保護者の役割)
第4条 保護者は、子育ての第一義的責任を有すること及び家庭がこどもの人格形成に大きな影響を与えることを認識し、次に掲げる役割を果たすよう努めるものとする。
(1) こどもが心身ともに健やかに成長し、安らぐことができる家庭環境づくりを行うこと。
(2) こどもが豊かな人間性を育むとともに社会性を身に付けることができるよう、その成長を見守り支えること。
(市民の役割)
第5条 市民は、地域のこどもたちに関心を持ち、こどもが地域との関わりの中で、健やかに育つ環境づくりに努めるものとする。
2 市民は、こどもの育ちを支援する取組に協力するよう努めるものとする。
(学校園等関係者の役割)
第6条 学校園等関係者は、こどもが安心して育ち、学べる環境づくりに努めるものとする。
(事業者の役割)
第7条 事業者は、職場で働く保護者が仕事と子育てを両立できるよう、就労環境の整備に努めるものとする。
2 事業者は、こどもの育ちを支援する活動に協力するよう努めるものとする。
(市の責務)
第8条 市は、こども及び子育て家庭の支援に関する総合的かつ計画的な施策を実施するものとする。
2 市は、保護者、市民、学校園等関係者及び事業者がそれぞれの役割を果たすことができるよう、これらの者に対して必要な支援及び調整を行うものとする。
(切れ目のない子育て支援)
第9条 市は、保護者が安心してこどもを産み育て、こどもが健やかに育つことができるよう、妊娠、出産及びその後の子育てにおける様々な段階に応じた保健、医療、教育、福祉等に係る切れ目のない支援を行うものとする。
(こどもの社会参加の促進)
第10条 市は、こどもが社会の一員として、自分の意見を表明できる場並びに社会に参加する機会を設けるものとする。
(相談支援体制の充実)
第11条 市は、こども及び子育て家庭が抱える様々な悩みに対して、安心して利用できる相談支援体制の充実を図るものとする。
(支援が必要なこども及び子育て家庭への取組)
第12条 市は、障害、虐待、いじめ、不登校、経済的困難等を理由とした支援を必要とするこども及びその家庭に対し、こどもの状況及び置かれた環境に応じた支援を行うものとする。
2 市は、虐待、いじめ等の防止及び早期発見に取り組むものとする。
(地域における子育て支援)
第13条 市は、こどもが地域との関わりの中で健やかに育つことができるよう、こども及び子育て家庭と市民との交流を促進し、地域における学びの機会の充実を図るとともに、市民活動の支援を行うものとする。
(こどもの居場所づくりの推進)
第14条 市は、こどもが安心して過ごし、遊び、学び及び活動することができる居場所づくりを推進するものとする。
(安全で安心な環境づくり)
第15条 市は、交通安全対策及び防災・防犯対策を講ずるなど、こどもにとって安全で安心な環境づくりを行うものとする。
(仕事と子育ての両立支援)
第16条 市は、働く保護者が仕事と子育てを両立できるよう、家庭生活との調和のとれた働き方等の啓発及び保育の提供等の充実を図るものとする。
(広報及び啓発)
第17条 市は、こども及び子育て家庭の支援について、こども、保護者、市民、学校園等関係者及び事業者の関心及び理解を深めるため、広報及び啓発を行うものとする。
(財政上の措置)
第18条 市は、こども及び子育て家庭の支援に関する施策を実施するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
附 則
この条例は、令和2年4月1日から施行する。