○ニセコ町環境基本条例
平成15年12月19日条例第29号
ニセコ町環境基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 環境基本計画(第5条・第6条)
第3章 責任と義務(第7条―第12条)
第4章 施策(第13条―第26条)
第5章 連携(第27条・第28条)
附則
ニセコ町は、東に羊蹄山、北のニセコアンヌプリ及び南の昆布岳に囲まれ、清流尻別川が町の中央部を流れています。わたしたち町民は、この豊かな自然の恵みと水循環に支えられて、農業や観光を中心とした産業を育んできました。
しかし、人間の経済・社会活動の拡大は、地球規模で環境に危機をもたらすとともに、ニセコの自然環境に大きな影響を与え、誇るべき水循環の環にほころびも見受けられます。
今こそ、わたしたちの生活がこの自然環境に支えられてきたことを再認識するとともに、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会を見直し、壊れかけた環をもう一度直す取組みが必要です。
わたしたち町民は、気候変動問題、水循環をはじめとする資源循環及び生物多様性の保全などの課題解決に資する取組を通じて、地域の生活文化を守り育て、美しい景観が織り成す自然環境と調和した経済社会を持続させることにより、住むことに誇りが持てるまちを築くためにこの条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、ニセコ町の良好な環境の保全と創造(以下「環境保全等」という。)を進める際のわたしたち町民の責任を明らかにし、ニセコの自然生態系や地域の生活文化(以下「環境文化」という。)を守り育てることを目的とする。
(位置づけ)
第2条 この条例は、ニセコ町まちづくり基本条例(平成12年ニセコ町条例第45号)に規定する分野別基本条例のひとつとして、環境保全等に関し必要な事項を定める。
(環境理念)
第3条 環境保全等は、町民が環境に関する情報の共有とまちづくりへの参加を通じ、安全で健康かつ快適な環境を享受する権利の実現を図るとともに、良好な環境を将来の世代へ引き継ぐことを目的として展開しなければならない。
2 環境保全等は、ニセコが育んできた豊かな水循環の保全を基盤にするとともに、気候変動、水循環をはじめとする資源循環及び生物多様性の保全などの課題解決に資する取組を通じて、環境文化を将来にわたって守り育てることを基本としなければならない。
3 環境保全等は、人と自然との共生を基本として、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を築くため、すべての者の自主的かつ積極的な取組によって行われなければならない。
4 環境保全等は、地域の環境が地球全体の環境と深く関わっていることを認識し、地域を越えた協力のもとに推進されなければならない。
(環境方針)
第4条 町は、前条に掲げる環境理念の実現を図るために、次に掲げる基本方針に基づき、地域特性に即した環境保全等に関する取組を推進しなければならない。
(1) 水循環の保全活動をとおして、豊かな環境文化を守り育てること。
(2) ごみゼロ社会を目指し、資源の有効利用を促進することにより環境への負荷を低減し、持続的発展が可能な社会づくりを進めること。
(3) 気候変動問題その他地球規模の視点から環境保全等に取組むこと。
(4) 町民、コミュニティ、事業所等多様な参加による環境づくりを進めること。
(5) 快適かつ安全な住環境及び生活環境づくりを進めること。
第2章 環境基本計画
(環境基本計画の策定)
第5条 町は、環境保全等に関する取組を総合的かつ計画的に推進するため、環境基本計画を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境保全等に関する目標
(2) 環境保全等に関する長期的な取組の大綱
(3) 環境保全等に関する計画的かつ具体的な取組事項
(4) 計画の進行管理に関する事項
3 環境基本計画は、その計画期間をおおむね10年間とする。ただし、社会経済情勢の変化等に伴う計画の見直しを妨げない。
4 環境基本計画の策定においては、ニセコ町まちづくり基本条例第36条に基づく町民参加を基本としなければならない。
(環境基本計画の管理)
第6条 町長は、環境の実態及び環境保全等に関する取組の実施状況を明らかにするため、環境基本計画の進行状況を年に一度とりまとめ、これを公表しなければならない。
2 前項のとりまとめにおいては、ニセコ町まちづくり基本条例第36条に基づく町民参加を基本としなければならない。
第3章 責任と義務
(行動原則)
第7条 本条例に定める環境保全等の活動は、環境理念と環境方針に従って行動しなければならない。
(町民の責任と義務)
第8条 町民は、日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。
2 町民は、自ら環境保全等に積極的に努めるとともに、町が実施するこれらの取組に協力しなければならない。
(住民団体の責任)
第9条 住民団体は、環境保全等の活動に際し、住民参加の体制整備、情報の提供及び活動機会の充実に努めなければならない。
(事業者の責任と義務)
第10条 事業者は、自らの事業活動に際し、環境への負荷の低減及び自然環境の保全に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(町の責任と義務)
第11条 町は、その活動において廃棄物の発生を抑制するとともに、環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を率先して利用しなければならない。
2 町は、町民等が行う環境保全等に関する事業又は活動に協力しなければならない。
(旅行者等の責任と義務)
第12条 通勤、通学又は旅行等で本町に滞在する者は、第8条に定める町民の責任と義務に準じ環境保全等に努めなければならない。
第4章 施策
(規制)
第13条 町は、環境保全等を図る上での支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるよう努めなければならない。
(水循環の保全)
第14条 町は、水源地、河川、湖沼、湿原等の環境保全に努め、健全な水循環と安全な水の確保のために必要な対策を講じなければならない。
(生活排水の適正処理)
第15条 町民及び事業者は、生活又は事業に伴う排水処理を行うときは、水環境への影響を軽減するよう努めなければならない。
2 町は、町民及び事業者が行う前項の活動に対し、情報の提供及び必要な支援に努めるものとする。
(森林及び里山の適切な保全並びに森林資源の利活用)
第16条 町は、人と自然とが共生できる緑豊かな環境を形成するために、森林、里山及び緑地の保全、及び緑化の推進その他必要な取組に配慮しなければならない。
2 町は、森林が有する多面的機能が持続的に発揮されるよう、森林及び里山の実態把握、適切な整備及び保全、森林資源の利活用その他必要な取組に配慮するものとする。
3 町民及び事業者は、前2項の取組に協力するとともに、大規模伐採を避けるよう努めるものとする。
(持続可能な農業の推進)
第17条 町は、環境への負荷を低減するとともに、安心・安全な食料を生産するため、肥料及び農薬の適正な使用及び低減等持続可能な農業の推進に努めなければならない。
2 町は、農業から生ずる廃棄物の適正な処理並びに循環的な利用に配慮しなければならない。
3 町民及び事業者は、前2項の取組に資する農業技術の導入に努めるものとする。
(河川の自然生態系・水質保全)
第18条 町及び河川管理者(以下「町等」という。)は、河川の自然生態系及び水質の維持向上に努めなければならない。
2 町等は、河川改修等に際しては、河川流域の自然生態系の把握とともに、自然に配慮した工法に努めるものとする。
(親水活動の推進)
第19条 町は、町民が水と親しむ活動を進めることができるよう、情報の提供及び必要な支援に努めるものとする。
(廃棄物の削減及び効率的なエネルギー利用)
第20条 町は、環境への負荷を低減するため、廃棄物処理の適正化を推進するとともに、町民及び事業者による廃棄物の減量化、資源の循環的な利用並びにエネルギーの有効活用の促進に努めるものとする。
2 町は、町が行う施設の建設、維持管理、その他事業に際しては、廃棄物の減量化、資源の循環的な利用及びエネルギーの有効活用等環境への負荷の低減に努めなければならない。
3 町民及び事業者は、前2項の取組に協力するとともに、家庭及び事業所における省エネルギーに配意しなければならない。
(地球環境の保全)
第21条 町は、地球環境の保全に資するため、気候変動への対応その他必要な施策の推進に努めるものとする。
(景観の保全)
第22条 町は、ニセコの美しい景観を守り、つくり、育て、快適で潤いのあるふるさとを形成するために、必要な対策を講ずるものとする。
(環境学習の推進及び人材育成)
第23条 町は、環境保全等について、町民、事業者及び住民団体が理解を深め、その活動が促進されるよう教育及び学習の推進を図るものとする。
2 町は、環境保全等に取り組む人材の育成に努めなければならない。
(施設整備)
第24条 町は、環境保全等に関する次に掲げる施設の整備を推進するため、必要な取組に努めるものとする。
(1) 下水道、廃棄物処理施設その他良好な環境を維持・保全するための施設
(2) 多様な野生生物の生息環境の保全、適正な水環境の形成、その他環境保全等に資する施設
(3) 公園、緑地、その他緑空間に親しむための施設
(経済的負担)
第25条 町は、環境保全等について必要な対策を講ずる場合、その経費の一部を受益者の負担とすることができる。
(生活環境整備)
第26条 町は、健康で安全かつ快適な生活環境の確保に資する環境づくりのために、必要な対策を講ずるものとする。
第5章 連携
(町外との連携)
第27条 町民及び町は、環境保全等の推進に際して、町内外のより多くの知恵や意見を積極的に活用するよう努めるものとする。
(国・他自治体等との連携)
第28条 町は、環境保全等に関する必要な広域的取組について、国その他の自治体等と協力してその推進に努めるものとする。
附 則
(施行期日)
この条例は、平成16年4月1日から施行する。
附 則(平成17年12月19日条例第28号抄)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
附 則(令和3年3月23日条例第10号)
(施行期日)
1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。
(検討)
2 町長は、令和3年4月1日から起算しておおむね5年を経過した場合において、社会経済情勢の変化等を勘案し、この条例の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。