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○京都市住宅宿泊事業の適正な運営を確保するための措置に関する条例
平成30年3月6日条例第21号
京都市住宅宿泊事業の適正な運営を確保するための措置に関する条例
目次
第1章 総則(第1条~第7条)
第2章 住宅宿泊事業の適正な運営(第8条~第16条)
第3章 雑則(第17条~第21条)
第4章 罰則(第22条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、住宅宿泊事業法(以下「法」という。)に基づく住宅宿泊事業の運営に関し、その基本理念を定め、並びに本市、住宅宿泊事業者その他の住宅宿泊事業に携わる者、宿泊者及び市民の責務を明らかにするとともに、法第18条の規定に基づく住宅宿泊事業の実施の制限に関する事項その他の本市における住宅宿泊事業の適正な運営の確保を図るために必要な事項を定めることにより、宿泊者及び市民の双方にとって安全かつ安心で良好な環境を確保するとともに、宿泊者に対し質の高いおもてなしを提供することができる環境を形成し、もって国際文化観光都市としての本市の持続的な発展と市民生活の向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において使用する用語は、次項に定めるもののほか、法において使用する用語の例による。
2 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 届出住宅 法第3条第1項の規定による届出(法附則第2条第1項前段の規定により法第3条第2項及び第3項の規定の例により行う届出を含む。以下同じ。)に係る住宅をいう。
(2) 届出予定者 法第3条第1項の規定による届出をしようとする者をいう。
(3) 周辺住民 届出住宅(届出予定者が法第3条第1項の規定による届出をしようとする住宅を含む。以下この項において同じ。)の周辺に居住する者であって、当該届出住宅における住宅宿泊事業の実施により生活環境に悪影響を受けるおそれがあるものをいう。
(4) 近隣住民 次に掲げる者をいう。
ア 届出住宅が存する建築物の当該届出住宅以外の部分の占有者
イ 届出住宅が存する建築物の敷地の境界線からの水平距離が10メートルの範囲内にある敷地に存する建築物(その外壁又はこれに代わる柱の面(以下「外壁等」という。)と当該届出住宅が存する建築物の外壁等との間の水平距離が20メートルを超えるものを除く。)の占有者
(5) 現地対応管理者 法第11条第1項の規定により住宅宿泊事業者が住宅宿泊管理業務を委託した住宅宿泊管理業者(当該住宅宿泊管理業者が法人である場合にあっては、その使用人その他の従業者を含む。)若しくは同項ただし書の規定により自ら届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を行う住宅宿泊事業者又は住宅宿泊管理業者から住宅宿泊管理業務の一部の委託を受けた者(当該委託を受けた者が法人その他の団体である場合にあっては、その使用人その他の従業者を含む。)であって、届出住宅において、宿泊者並びに周辺住民及び近隣住民からの苦情及び問合せ並びに緊急の事態に対応する者をいう。
(6) 避難通路 届出住宅が存する建築物の出入口(当該建築物が複数の出入口を有するものであるときは、当該届出住宅を利用する者が主として利用する出入口に限る。)から建築基準法第42条に規定する道路(以下「道路」という。)、公園その他の空地に通じる通路をいう。
(7) 認定京町家事業 京都市京町家の保全及び継承に関する条例第2条第1号に規定する京町家(以下「京町家」という。)において営まれる住宅宿泊事業のうち、別に定める要件を備えているものとして、市長が認定したものをいう。
(8) 共同住宅 複数の住戸により構成される建築物(長屋を除く。)をいう。
(基本理念)
第3条 住宅宿泊事業は、次に掲げる事項を基本理念として適正に運営されなければならない。
(1) 住宅宿泊事業は、宿泊が旅行の行程を構成する重要な要素であることに鑑み、国内外から本市を訪れる宿泊者をあたたかく迎える心を持って運営されなければならないこと。
(2) 住宅宿泊事業は、宿泊者及び市民にとって安全かつ安心なものとなるよう運営されなければならないこと。
(3) 住宅宿泊事業は、地域の生活環境との調和に配慮して運営されなければならないこと。
(4) 住宅宿泊事業の運営を通じて宿泊者と市民との間の交流の促進が図られるとともに、伝統的な建築物により形成される文化その他の京都固有の文化の継承及び発展が図られるべきこと。
(本市の責務)
第4条 本市は、基本理念にのっとり、住宅宿泊事業の適正な運営の確保を図るために必要な施策を総合的に策定し、及び実施しなければならない。
(住宅宿泊事業者等の責務)
第5条 住宅宿泊事業者(届出予定者を含む。)その他の住宅宿泊事業に携わる者(以下この条において「住宅宿泊事業者等」という。)は、基本理念にのっとり、住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関し本市の施策に協力しなければならない。
2 住宅宿泊事業者等は、住宅宿泊事業の適正な運営の確保に向けて市長が行う指導、勧告、助言又は情報の提供の趣旨及び内容を十分に理解し、真摯に対応するよう努めなければならない。
3 住宅宿泊事業者等は、地域活動(京都市地域コミュニティ活性化推進条例第2条第2号に規定する地域活動をいう。)に積極的に参加すること、地域住民との間で住宅宿泊事業の運営に関する協定を締結すること等により、地域住民との間の信頼関係の構築に努めなければならない。
(宿泊者の責務)
第6条 宿泊者は、基本理念にのっとり、住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関し本市の施策に協力するよう努めなければならない。
2 宿泊者は、届出住宅に宿泊するときは、適正に運営されている住宅宿泊事業を利用するとともに、当該届出住宅において住宅宿泊事業を営む住宅宿泊事業者その他の住宅宿泊事業に携わる者から説明を受けた事項を遵守し、周辺住民に迷惑を及ぼすことがないよう努めなければならない。
(市民の責務)
第7条 市民は、基本理念にのっとり、住宅宿泊事業を利用する宿泊者をあたたかく迎えるための本市の施策に協力するよう努めなければならない。
2 市民は、基本理念にのっとり、適正に運営されていない住宅宿泊事業を是認し、又は助長することのないよう配慮するとともに、住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関し本市の施策に協力するよう努めなければならない。
第2章 住宅宿泊事業の適正な運営
(事前の掲示及び説明等)
第8条 届出予定者は、法第3条第1項の規定による届出をしようとする日の20日前から法第13条に規定する標識を掲げるまでの間、当該届出をしようとする住宅ごとに、公衆の見やすい場所に、別に定めるところにより、次に掲げる事項を掲示しなければならない。
(1) 当該届出をしようとする住宅の所在地
(2) 当該届出予定者の氏名(法人にあっては、名称及び代表者名)
(3) 当該届出予定者の連絡先
(4) 住宅宿泊事業を開始しようとする日
(5) 当該事項の掲示を開始する日
(6) 前各号に掲げるもののほか、別に定める事項
2 届出予定者は、前項の規定による掲示と同時期に、営もうとする住宅宿泊事業の内容について、別に定める事項を、近隣住民に説明しなければならない。
3 届出予定者は、法第3条第1項の規定による届出をしようとする住宅が存する地域の住民組織(京都市地域コミュニティ活性化推進条例第2条第3号に規定する地域自治を担う住民組織をいう。第11条第3項において同じ。)を構成する団体として同号イに規定する団体又は周辺住民若しくは近隣住民から、当該届出をしようとする住宅において営もうとする住宅宿泊事業について説明会の開催又は個別の説明をするよう求めがあったときは、当該求めに真摯に応じるよう努めなければならない。
(届出の際に行う報告等)
第9条 届出予定者は、法第3条第1項の規定による届出をする際に、当該届出をしようとする住宅ごとに、別に定めるところにより、次に掲げる事項を市長に報告しなければならない。
(1) 前条第1項の規定による掲示の状況として別に定める事項及び同条第2項の規定による説明の状況として別に定める事項
(2) 当該届出をしようとする住宅の存する敷地が都市計画法第7条第1項に規定する市街化区域(以下「市街化区域」という。)内に存する場合にあっては同法第8条第1項第1号に規定する用途地域の種類、当該届出をしようとする住宅の存する敷地が市街化区域内に存しない場合にあってはその旨
(3) 宿泊者の定員
(4) 第12条第1項の規定により代理人を選任しなければならない届出予定者にあっては当該代理人の氏名、住所及び連絡先(法人にあっては、名称及び代表者名、主たる事務所の所在地並びに連絡先)、同条第2項の規定により代理人の選任を要しない届出予定者にあっては日本における代表者の氏名、住所及び連絡先
(5) 第12条第4項ただし書の規定により面接以外の方法により本人確認及び人数確認を行うときは、その方法
(6) 現地対応管理者の氏名(法人にあっては、名称及び代表者名)
(7) 現地対応管理者が駐在する場所並びに当該場所から当該届出をしようとする住宅への移動に要する時間及び当該移動のための交通手段
(8) 避難通路の最も狭い部分の幅員
(9) 住宅宿泊事業の実施に伴って生じる廃棄物の処理の方法
(10) 届出予定者(個人に限る。)が、法第11条第1項ただし書、第1号及び第2号のいずれにも該当しないときは、当該届出予定者が法第3条第2項第1号の規定により届出をする住所を自らの生活の本拠として使用していた期間
(11) 当該届出をしようとする住宅が住宅宿泊事業法施行規則(以下「規則」という。)第2条第2号に該当するときは、当該届出をしようとする住宅について、入居者の募集を開始した日
2 届出予定者は、前項の規定による報告の際に、法第3条第1項の規定による届出をしようとする住宅ごとに、次に掲げる書類を市長に提出しなければならない。
(1) 当該届出予定者が個人(日本国内に住所を有する者に限る。)であるときは、住民票の写し
(2) 当該届出をしようとする住宅が存する区域を管轄する消防署長が発する書面であって、当該届出をしようとする住宅が消防法及び京都市火災予防条例の規定に適合していることを認める旨を記載したもの
(3) 当該届出をしようとする住宅の存する敷地における用途地域の種類又は当該敷地が市街化区域内に存しないことを確認することができる書類
(4) 当該届出に係る住宅宿泊事業が認定京町家事業として実施しようとするものであるときは、認定京町家事業として市長の認定を受けていることを証する書類
(5) 第12条第1項の規定により代理人を選任したときは、その代理権を証する書類
(6) 当該届出をしようとする住宅の周辺の地図(当該届出をしようとする住宅の内部に現地対応管理者を駐在させないときは、現地対応管理者が駐在する場所から当該届出をしようとする住宅への移動の経路を示したものに限る。)
(7) 当該届出をしようとする住宅の避難通路の最も狭い部分の幅員を確認することができる書類
3 第1項の規定による報告をした者は、同項第3号から第5号まで、第8号又は第9号に掲げる事項に変更があったときはその日から30日以内に、同項第6号又は第7号に掲げる事項を変更しようとするときはあらかじめ、その旨を書面により市長に報告しなければならない。
4 第2項第5号から第7号までに掲げる書類を市長に提出した者は、同項第5号又は第7号に掲げる書類に記載された事実に変更があったときはその日から30日以内に、同項第6号に掲げる書類に記載された事実(同号に規定する駐在する場所又は移動の経路に限る。)を変更しようとするときはあらかじめ、変更後の書類を市長に提出しなければならない。
5 住宅宿泊事業者(個人に限る。)は、法第3条第4項の規定による届出(当該住宅宿泊事業者の氏名又は住所の変更(住所の変更にあっては、変更後の住所が日本国内にあるものに限る。)に係るものに限る。)をする際に、当該変更後の氏名又は住所が記載された住民票の写しを市長に提出しなければならない。
6 住宅宿泊事業者は、法第3条第4項の規定による届出(規則第4条第3項第8号から第10号までに掲げる事項の変更に係るものに限る。)をする際に、当該変更後の届出住宅に関しその存する区域を管轄する消防署長が発する書面であって、当該変更後の届出住宅が消防法及び京都市火災予防条例の規定に適合していることを認める旨を記載したものを市長に提出しなければならない。
(法第18条の規定に基づく住宅宿泊事業の実施の制限)
第10条 法第18条の規定に基づき条例で定める住宅宿泊事業の実施を制限する区域(以下「実施制限区域」という。)及び期間は、次の表に掲げるとおりとする。

区域

期間

都市計画法第8条第1項第1号に規定する第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域及び第2種中高層住居専用地域

3月16日正午から翌年1月15日正午まで

2 届出住宅の敷地が実施制限区域の内外にわたる場合において、当該敷地の過半が実施制限区域内にあるときは、当該届出住宅は、実施制限区域内にあるものとみなす。
(法第18条の規定に基づく住宅宿泊事業の実施の制限の適用除外)
第11条 前条の規定は、次に掲げる住宅宿泊事業については、適用しない。
(1) 法第11条第1項ただし書、第1号及び第2号のいずれにも該当しない住宅宿泊事業者であって、次に掲げる要件を満たすものが営む住宅宿泊事業
ア 当該住宅宿泊事業を営む届出住宅を現に生活の本拠として使用していること。
イ 当該届出住宅を生活の本拠として使用することを始めた日から法第3条第1項の規定による届出をする日までの期間が3箇月を超えること。
(2) 認定京町家事業であって、その宿泊の形態が、1回の宿泊について、9人以下で構成される1組に限られるもの
2 前項第2号の規定により前条の規定の適用を受けない住宅宿泊事業を営む住宅宿泊事業者(当該住宅宿泊事業者が法第11条第1項の規定により届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託した場合にあっては、当該住宅宿泊管理業者を含む。次項、次条第3項から第7項まで、第13条第2項、第14条、第15条、第17条、第18条及び第20条において同じ。)は、宿泊者に対し、その届出住宅の内部において、面接の方法により、当該届出住宅の由来及び京町家としての特徴並びに当該届出住宅において受け継がれてきた生活文化を説明しなければならない。
3 第1項第2号の規定により前条の規定の適用を受けない住宅宿泊事業を営む住宅宿泊事業者は、その届出住宅に係る住宅宿泊管理業務が住宅宿泊管理業者により行われるときは、当該届出住宅が存する地域の住民組織との間に信頼関係を構築することができる範囲として市長が認める範囲内に当該届出住宅の現地対応管理者を置かなければならない。
(住宅宿泊事業の適正な実施)
第12条 住宅宿泊事業者が個人であって日本国内に住所を有しないとき又は外国法人であるときは、当該住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、当該届出住宅において営む住宅宿泊事業に関する一切の行為(裁判上の行為を除く。)をする代理権を付与した代理人(日本国内に住所を有する者に限る。)を選任しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、住宅宿泊事業者は、会社法第817条第1項に規定する日本における代表者を定めているときは、前項の代理人を選任することを要しない。
3 住宅宿泊事業者は、その届出住宅に宿泊することの申込みを受け、これを承諾するときは、当該申込みをした者(代理人を通じて当該申込みをした場合にあっては、当該代理人)に対し、当該申込みをした者が当該届出住宅に到着することを容易にするために必要な情報として別に定めるものを必要な時点までに提供しなければならない。
4 住宅宿泊事業者は、届出住宅の内部において、面接の方法により、全ての宿泊者の本人確認及び人数確認をしなければならない。ただし、面接と同等の方法として市長が認める方法により全ての宿泊者の本人確認及び人数確認を行うときは、この限りでない。
5 住宅宿泊事業者は、別に定めるところにより、前項の規定による本人確認及び人数確認と併せて、宿泊者に対し、周辺住民の生活環境の悪化を防止するために必要な事項として別に定めるもの(当該届出住宅が共同住宅に存する場合にあっては、その共用部分を適切に使用するために留意すべき事項を含む。)を説明しなければならない。
6 住宅宿泊事業者は、前項の規定により説明すべき事項を記載した書面(当該事項を必要に応じ直ちに表示することができる機器を含む。)を、宿泊者の見やすい場所に備え付けなければならない。
7 住宅宿泊事業者は、届出住宅に係る住宅宿泊管理業務が住宅宿泊管理業者により行われるときは、当該届出住宅に人を宿泊させる間、現地対応管理者を、当該届出住宅若しくは当該届出住宅が存する建築物の内部又は当該届出住宅におおむね10分以内に到着することができる場所(以下この項において「現地対応管理者待機場所」という。)に駐在させなければならない。ただし、現地対応管理者待機場所に現地対応管理者を駐在させた場合と同等以上の水準で周辺住民からの苦情及び問合せに対応することができ、かつ、緊急の事態にも対応することができると市長が認めるときは、当該届出住宅に市長が認める時間以内に到着することができる場所に現地対応管理者を駐在させることをもって代えることができる。
(衛生設備及び衛生に必要な措置)
第13条 住宅宿泊事業者は、届出住宅の構造設備について、次に掲げる基準を満たすものとしなければならない。
(1) 階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね1メートル以上であること。
(2) 適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。
(3) 洗面設備は、宿泊者の需要を満たすことができる数の給水栓を有すること。
(4) 便所は、次に掲げる基準に適合すること。
ア 宿泊者の需要を満たすことができる数を有すること。
イ 流水式手洗い設備(給水栓から供給される流水により手を洗うことができる設備をいう。)を設け、便器の周辺については、不浸透性材料(コンクリート、タイルその他の汚水が浸透しないものをいう。)で造築すること。
(5) 出入口及び窓を除き、宿泊室(宿泊者の就寝の用に供する室をいう。以下同じ。)は、壁又は板戸、ふすまその他これらに類するもの(固定されたものに限る。)で区画されたものであること。
2 住宅宿泊事業者は、届出住宅の衛生に必要な措置について、次に掲げる基準を満たすものとしなければならない。
(1) 宿泊室の宿泊者1人当たりの床面積は、別に定める面積以上とすること。
(2) 居室に置く飲食器、寝具その他届出住宅内で宿泊者が使用する器具は、清潔で衛生的なものとすること。
(3) 浴衣、敷布、布団カバーその他これらに類するものは、宿泊者ごとに洗濯したものと交換すること。ただし、同一の宿泊者が連続して宿泊する場合にあっては、必要に応じて交換すること。
(4) 換気、採光、照明、防湿及び排水の設備は、定期的に保守点検を行い、適切に維持管理すること。
(5) 届出住宅の内部及び周囲は、清掃及びねずみ、昆虫等の駆除を適切に行うとともに、清潔で衛生的に保つこと。
(6) 便所は、防臭及び防虫の措置を講じ、清潔で衛生的に保つこと。
(7) 洗面用水は、飲用に適する水を用いること。
(8) 入浴設備は、次に掲げる基準に適合すること。
ア 入浴設備において使用する器具は、届出住宅に宿泊者が宿泊するごとに清掃を行うこと。
イ 浴用に供する湯水は、水道水その他の清浄な湯水とすること。
(共同住宅に存する届出住宅等における住宅宿泊事業の適正な実施)
第14条 届出住宅が共同住宅に存するときは、住宅宿泊事業者は、次に掲げる事項(住宅宿泊管理業者にあっては、第1号に掲げる事項を除く。)を遵守しなければならない。
(1) 当該共同住宅の主な出入口又はその付近の見やすい場所に、当該共同住宅に届出住宅が存する旨、当該届出住宅の部屋番号(当該共同住宅において、各居室を識別するための番号、記号その他の符合をいう。)その他別に定める事項を、掲示に必要な権原を取得したうえで掲示すること。
(2) 当該共同住宅の当該届出住宅以外の部分の占有者に対し、別に定めるところにより、各営業日における宿泊者の有無及び宿泊をしようとする者の数を事前に周知すること。
(3) 第12条第4項の規定による本人確認を行う際に、全ての宿泊者に対し、当該届出住宅の宿泊者であることを示す事項として別に定めるものを記載した証明書(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)により作成されたもの(以下「電磁的証明書」という。)を含む。以下この条において同じ。)の交付(電磁的証明書にあっては、別に定める方法による提供。以下同じ。)をするとともに、当該共同住宅及びその敷地の内部(当該届出住宅の内部を除く。)においては、当該証明書(電磁的証明書を提供された場合にあっては、当該電磁的証明書を表示することができる機器)を携帯し、当該共同住宅の他の占有者その他の関係者に提示することができるようにするよう求めること。
2 届出住宅が存する建築物の敷地(当該敷地が届出住宅の占有者以外が主として占有する部分又は他の敷地の占有者との共用に供されている部分を含むものであるときは、当該部分を除く。第1号において同じ。)が接する道が、幅員が4メートル未満の袋路状の道(その一端のみが他の道路に接続したものをいう。以下同じ。)のみであるときは、当該届出住宅において住宅宿泊事業を営む住宅宿泊事業者は、次に掲げる事項(住宅宿泊管理業者にあっては、第1号に掲げる事項を除く。)を遵守しなければならない。
(1) 当該届出住宅が存する建築物の敷地が接する袋路状の道と他の道路とが接続する部分の付近の見やすい場所に、宿泊をしようとする者が当該届出住宅の正確な位置を識別するために必要な事項として別に定めるものを、掲示に必要な権原を取得したうえで掲示するよう努めること。
(2) 当該袋路状の道に接する敷地(当該敷地が当該袋路状の道に接する他の敷地の占有者との共用に供されている部分を含むものであるときは、当該共用に供されている部分を除く。次号において同じ。)に存する当該届出住宅以外の建築物の占有者に対し、別に定めるところにより、各営業日における宿泊者の有無及び宿泊をしようとする者の数を事前に周知すること。
(3) 第12条第4項の規定による本人確認を行う際に、全ての宿泊者に対し、当該届出住宅の宿泊者であることを示す事項として別に定めるものを記載した証明書の交付をするとともに、当該袋路状の道を通行するときは、当該証明書(電磁的証明書を提供された場合にあっては、当該電磁的証明書を表示することができる機器)を携帯し、当該袋路状の道に接する敷地に存する当該届出住宅以外の建築物の占有者その他の関係者に提示することができるようにするよう求めること。
(避難通路の幅員が1.5メートル未満である届出住宅における住宅宿泊事業の適正な実施)
第15条 届出住宅の避難通路の最も狭い部分の幅員が1.5メートル未満であるときは、当該届出住宅において住宅宿泊事業を営む住宅宿泊事業者は、次に掲げる事項(住宅宿泊管理業者にあっては、第4号に掲げる事項を除く。)を遵守しなければならない。
(1) 宿泊の形態を、1回の宿泊について、5人以下で構成される1組に限ること。
(2) 当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務が住宅宿泊管理業者により行われるときは、当該届出住宅が存する町(京都市区の所管区域条例に規定する町をいう。)内又は災害時における宿泊者の安否の確認及び避難誘導を適切に行うことができる範囲として市長が認める範囲内に現地対応管理者を置くこと。
(3) 災害時における宿泊者の避難上の安全性の向上に努めること。
(4) 当該届出住宅の耐震性能の向上を図るよう努めること。
(定期報告の際に行う報告及び提出書類)
第16条 住宅宿泊事業者は、法第14条の規定による報告の際に、当該報告をする日の属する月の前月及び前々月における届出住宅の周辺住民からの苦情の状況に関し次に掲げる事項を市長に報告しなければならない。
(1) 苦情の件数
(2) 苦情を受けた日時
(3) 苦情の内容
(4) 苦情への対応の状況
2 住宅宿泊事業者は、法第3条第1項の規定による届出をした後初めて第9条第1項第9号の規定により報告した方法により住宅宿泊事業の実施に伴って生じた廃棄物の処理をしたときは、その処理をした日以後最初に行う法第14条の規定による報告の際に、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に掲げる書類を市長に提出しなければならない。
(1) 住宅宿泊事業者が自らその廃棄物を廃棄物の処理施設に運搬する場合 廃棄物を、廃棄物の処理施設に運搬し、処分を委託したことを証する書類
(2) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第7条第1項本文又は第14条第1項の規定による許可を受けた者(以下「収集運搬許可業者」という。)に対し廃棄物を収集し、又は運搬することを委託する場合 収集運搬許可業者に対し廃棄物を収集し、又は運搬することを委託したことを確認することができる書類
3 第9条第3項の規定による報告(同条第1項第9号に掲げる事項の変更に係るものに限る。)をした者は、当該報告の後初めて変更後の方法により廃棄物の処理をした後最初に行う法第14条の規定による報告の際に、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に掲げる書類を市長に提出しなければならない。
(1) 変更後の廃棄物の処理の方法が、住宅宿泊事業者が自らその廃棄物を廃棄物の処理施設に運搬するものである場合 廃棄物を、廃棄物の処理施設に運搬し、処分を委託したことを証する書類
(2) 変更後の廃棄物の処理の方法が、収集運搬許可業者に対し廃棄物を収集し、又は運搬することを委託するものである場合 収集運搬許可業者に対し廃棄物を収集し、又は運搬することを委託したことを確認することができる書類
第3章 雑則
(勧告及び命令)
第17条 市長は、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、住宅宿泊事業者に対し、業務の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置を採ることを勧告することができる。
2 市長は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に係る措置を採らなかったときは、その者に対し、相当の期限を定めて、その勧告に係る措置を採ることを命じることができる。
(報告徴収及び立入検査)
第18条 市長は、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、住宅宿泊事業者に対し、その業務に関し報告を求め、又は市長が指定する職員に、届出住宅、住宅宿泊事業者の営業所及び事務所その他の施設に立ち入り、その業務の状況若しくは設備、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者及び宿泊者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(届出の状況の公表)
第19条 市長は、法第3条第1項の規定による届出を受けたときは、当該届出に係る届出住宅の届出番号(規則第4条第7項の規定により市長が住宅宿泊事業者に対し通知する届出番号をいう。)、当該届出住宅の所在地及び当該届出を受けた日を公表するものとする。
(命令の公表)
第20条 市長は、住宅宿泊事業者に対し、法第15条、第16条第1項若しくは第2項若しくは第42条第2項又はこの条例第17条第2項の規定による命令をしたときは、次に掲げる事項を公表することができる。
(1) 当該命令を受けた住宅宿泊事業者の氏名及び住所(法人にあっては、名称及び代表者名並びに主たる事務所の所在地)
(2) 当該命令に係る届出住宅の所在地
(3) 当該命令の内容
(4) その他市長が必要と認める事項
(委任)
第21条 この条例において別に定めることとされている事項並びに法及びこの条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
第4章 罰則
(過料)
第22条 次の各号のいずれかに該当する者は、50,000円以下の過料に処する。
(1) 第9条第1項若しくは第3項又は第16条第1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
(2) 第9条第2項若しくは第4項から第6項まで又は第16条第2項若しくは第3項の規定による書類の提出をせず、又は虚偽の書類の提出をした者
(3) 第17条第2項の規定による命令に違反した者
(4) 第18条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者(宿泊者を除く。)
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成30年6月15日から施行する。ただし、次項から附則第4項までの規定は、同年3月15日から施行する。
(経過措置)
2 当分の間、法第3条第1項の規定による届出をしようとする者は、当該届出をする際に、当該届出をする日前3箇月間において、当該届出をしようとする住宅に宿泊料を受けて人を宿泊させた事実の有無を市長に報告しなければならない。
3 法附則第2条第1項前段の規定により法第3条第2項及び第3項の規定の例により行う届出をしようとする者は、第8条及び第9条の規定の例により、事前の掲示及び説明等並びに届出の際に行う報告等を行わなければならない。この場合において、次の表の左欄に掲げるこの条例の規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の右欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

第8条第1項各号列記以外の部分

法第3条第1項の規定による届出をしようとする日の20日前

平成30年5月26日

第9条第1項各号列記以外の部分

別に定めるところにより、次に掲げる

第1号に掲げる事項にあっては前条第1項の規定による掲示及び同条第2項の規定による説明を行った後速やかに、第2号から第11号までに掲げる事項にあっては当該届出をする際に、当該

4 法附則第2条第1項前段の規定により法第3条第2項及び第3項の規定の例により行う届出に係る住宅宿泊事業に関する第11条第1項第1号イの規定の適用については、同号イ中「法第3条第1項の規定による届出をする日まで」とあるのは、「平成30年6月15日まで」とする。
(検討)
5 市長は、この条例の施行後3年を経過した場合において、この条例の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講じるものとする。



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