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○京都市不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関する条例
平成26年11月11日条例第20号
京都市不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関する条例
目次
第1章 総則(第1条~第7条)
第2章 不良な生活環境を解消するための支援(第8条~第10条)
第3章 不良な生活環境を解消するための措置(第11条~第14条)
第4章 雑則(第15条~第18条)
第5章 罰則(第19条~第21条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関し必要な事項を定めることにより、その状態の解消を推進し、もって要支援者が抱える生活上の諸課題の解決、市民の安心かつ安全で快適な生活環境の確保及び市民が相互に支え合う地域社会の構築に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 建築物等 建築基準法第2条第1号に規定する建築物及びその敷地をいう。
(2) 不良な生活環境 建築物等における物の堆積又は放置、多数の動物の飼育、これらへの給餌又は給水、雑草の繁茂等により、当該建築物等における生活環境又はその周囲の生活環境が衛生上、防災上又は防犯上支障が生じる程度に不良な状態をいう。
(3) 要支援者 疾病、障害その他の理由により不良な生活環境の解消を自ら行うことができない市民であって、その状態を解消するための支援を要するものをいう。
(4) 自治組織 自治会、町内会その他の地域住民の組織する団体をいう。
(基本方針)
第3条 不良な生活環境の解消は、次に掲げる基本方針に基づき、推進されるものとする。
(1) できる限り不良な生活環境を生じさせた者が行うこと。
(2) 不良な生活環境を生じさせた者のみによっては不可能であると認められるときは、本市、自治組織及び関係する行政機関その他の関係者が協力して行うこと。
(3) 生活環境の悪化を防止するため、できる限り早期に行うこと。
(4) 要支援者が不良な生活環境を生じさせた背景に地域社会における要支援者の孤立その他の生活上の諸課題があることを踏まえ、これらの解決に資するように行うこと。
(5) 市民の安心かつ安全で快適な生活環境の確保及び市民が相互に支え合う地域社会の構築に寄与するように行うこと。
(本市の責務)
第4条 本市は、基本方針にのっとり、不良な生活環境の解消を推進しなければならない。
(市民の責務)
第5条 市民は、不良な生活環境の発生の予防に努めなければならない。
2 市民は、不良な生活環境を生じさせたときは、速やかにその状態の解消に努めなければならない。
(自治組織の責務)
第6条 自治組織は、基本方針にのっとり、不良な生活環境を解消するための取組に協力するとともに、市民の安心かつ安全で快適な生活環境の確保に向けて主体的かつ積極的に取り組むことにより、市民が相互に支え合う地域社会の構築に寄与するよう努めなければならない。
(相互の協力)
第7条 本市、市民及び自治組織は、この条例の目的を達成するため、相互に、その果たす役割を理解し、協力するものとする。
第2章 不良な生活環境を解消するための支援
(相談及び情報の提供等)
第8条 本市は、不良な生活環境を解消するための取組について、要支援者又は自治組織からの相談に応じ、これらのものに対し、必要な情報の提供及び助言を行わなければならない。
2 前項の規定は、要支援者が抱える生活上の諸課題を解決するための取組について準用する。
(支援の方法)
第9条 本市は、要支援者の意思に従いつつ、必要に応じて自治組織及び関係する行政機関その他の関係者と協力して、不良な生活環境を解消するための支援を行わなければならない。
2 前項の支援を行う場合において堆積している物があるときは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱いの形態、取引価値の有無、要支援者の意思その他の事情を総合的に勘案し、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条第1項に規定する廃棄物とその他の物とを分別するものとする。
3 第1項の支援を受けた者は、別に定める場合を除き、当該支援に要した費用を負担しなければならない。
4 前項の費用の額は、別に定める算定基準に従い、市長が算定して通知する額とする。
(支援の際の留意事項)
第10条 要支援者の不良な生活環境を解消するための取組は、この章の規定による支援を基本とし、これと次章の規定による措置とを適切に組み合わせて行われなければならない。
第3章 不良な生活環境を解消するための措置
(指導及び勧告)
第11条 市長は、不良な生活環境を生じさせた者(その者を確知することができない場合にあっては、その状態にある建築物等の所有者)に対し、これを解消するために必要な指導を行うことができる。
2 市長は、前項の指導を行ったにもかかわらず、なお不良な生活環境が解消しないときは、前項に規定する者に対し、その状態を解消するために必要な措置を採ることを勧告することができる。
3 市長は、前項の規定による勧告をしようとするときは、第1項に規定する者に対し、適切な説明を行い、その理解を得るよう努めなければならない。
(命令、公表等)
第12条 市長は、前条第2項の規定による勧告を受けた者がその勧告に係る措置を採らなかったときは、その者に対し、相当の期限を定めて、その勧告に係る措置を採ることを命じることができる。
2 市長は、著しく不良な生活環境が生じているときは、その状態を生じさせた者(その者を確知することができない場合にあっては、その状態にある建築物等の所有者)に対し、相当の期限を定めて、その状態を解消するために必要な措置を採ることを命じることができる。
3 市長は、前2項の規定による命令をしようとする場合において、必要があると認めるときは、学識経験のある者その他市長が適当と認める者の意見を聴くものとする。
4 市長は、第1項又は第2項の規定による命令を受けた者がその命令に従わないときは、次に掲げる事項を公表するとともに、当該事項(第2号に掲げる事項を除く。)を記載した標識を不良な生活環境にある建築物等に設置することができる。この場合においては、当該命令を受けた者は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
(1) 命令を受けた者の氏名及び住所(その者が不良な生活環境にある建築物等の所有者である場合にあっては、その者の氏名及び住所(法人にあっては、名称及び代表者名並びに主たる事務所の所在地)並びにその者が当該所有者である旨)
(2) 不良な生活環境にある建築物等の所在地
(3) 不良な生活環境の内容
(4) 命令の内容
(5) その他市長が必要と認める事項
5 第9条第2項の規定は、前項に規定する者が同項の命令に従わないため行政代執行法(次項において「法」という。)第2条の規定による代執行を行う場合について準用する。
6 前項の代執行を受けた者は、別に定める場合を除き、法第5条に規定する代執行に要した費用のほか、当該代執行後に要した費用を負担しなければならない。
7 第9条第4項の規定は、第5項の代執行を受けた者が負担する前項の当該代執行後に要した費用について準用する。
(緊急安全措置)
第13条 市長は、不良な生活環境に起因して、人の生命、身体又は財産に危害が及ぶことを避けるため緊急の必要があると認めるときは、これを避けるために必要最小限の措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。
2 市長は、前項の措置を講じたときは、当該措置の内容を不良な生活環境を生じさせた者(その者を確知することができない場合にあっては、その状態にある建築物等の所有者)に通知しなければならない。
3 第1項の措置を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
4 第9条第2項の規定は、第1項の措置を行う場合について準用する。
5 第2項に規定する者は、別に定める場合を除き、第1項の措置に要した費用を負担しなければならない。
6 第9条第4項の規定は、第2項に規定する者が負担する第1項の措置に要した費用について準用する。
(軽微な措置)
第14条 前条の規定は、市長が不良な生活環境にある建築物等について、堆積している物の撤去、動物の収容、草刈りその他の別に定める軽微な措置を採ることによりその状態を解消し、又は改善することができると認めるときについて準用する。
第4章 雑則
(調査、報告の徴収等)
第15条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、不良な生活環境の内容及びその状態を生じさせた者の心身の状態、親族関係、就労の状況、法令に基づく給付の受給の状況その他その者に関する事項について、必要な調査をし、又はその者に対して報告を求めることができる。
2 市長は、不良な生活環境を生じさせた者を確知することができないときは、その状態にある建築物等の所有者又はその連絡先を確知するために必要な調査をすることができる。
3 市長は、不良な生活環境にある建築物等の所有者又はその連絡先を確知することができない場合において必要があると認めるときは、固定資産税の課税その他のこの条例に基づく事務以外の事務のために利用する目的で保有する情報で当該建築物等の所有者又はその連絡先を確知するために有用なものについては、この条例の施行に必要な限度において、自ら利用し、又は提供することができる。
4 市長は、この条例の施行に必要な限度において、不良な生活環境にある建築物等の所有者に対し、当該建築物等の使用及び管理の状況について報告を求めることができる。
(立入調査等)
第16条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、市長が指定する職員に、不良な生活環境にある建築物等に立ち入り、その状態を調査させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入調査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
4 市長は、不良な生活環境を生じさせた者又はその状態にある建築物等の所有者が第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述せず、若しくは虚偽の陳述をしたときは、次に掲げる事項を公表することができる。
(1) 不良な生活環境を生じさせた者又はその状態にある建築物等の所有者の氏名及び住所(法人にあっては、名称及び代表者名並びに主たる事務所の所在地)
(2) 不良な生活環境にある建築物等の所在地
(3) 不良な生活環境の内容
(4) その他市長が必要と認める事項
5 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ同項に規定する者にその理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。
(調査結果等の提供等)
第17条 市長は、第15条第1項の規定による調査若しくは報告、同条第2項の規定による調査、同条第4項の規定による報告又は前条第1項の規定による立入調査若しくは質問の結果を自治組織及び関係する行政機関その他の関係者に提供し、不良な生活環境を解消するために必要な協力を要請することができる。
2 前項の結果の提供を受けた者は、正当な理由がないのに、当該結果に係る者に関して知り得た事項であってその者を特定させるものを漏らしてはならない。
(委任)
第18条 この条例において別に定めることとされている事項及びこの条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
第5章 罰則
(過料)
第19条 正当な理由がなくて第12条第1項又は第2項の規定による命令に違反した者は、50,000円以下の過料に処する。
第20条 正当な理由がなくて第16条第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述せず、若しくは虚偽の陳述をした者は、30,000円以下の過料に処する。
第21条 第17条第2項の規定に違反した者は、50,000円以下の過料に処する。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。ただし、第13条第5項及び第6項(これらの規定を第14条において準用する場合を含む。)並びに第5章の規定は、平成27年1月1日から施行する。



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