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○京都市眺望景観創生条例
平成19年3月23日条例第30号
京都市眺望景観創生条例
目次
第1章 総則(第1条~第5条)
第2章 眺望景観保全地域の指定等(第6条・第7条)
第3章 眺望景観保全地域内における建築物等に関する制限(第8条~第14条)
第4章 建築物等のデザインに関する事前協議等(第15条~第21条)
第5章 雑則(第22条~第27条)
第6章 罰則(第28条~第31条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、特定の視点場から特定の視対象を眺めるときに視界に入る建築物等の高さ、形態及び意匠について必要な事項を定めることにより、京都の優れた眺望景観を創生するとともに、これらを将来の世代に継承することを目的とする。
(基本理念)
第2条 京都の優れた眺望景観は、先人から受け継いだ京都市民にとってかけがえのない財産であるのみならず、国民にとって貴重な公共の財産であることにかんがみ、現在及び将来の市民及び国民がその恵沢を享受できるよう、市民の総意の下に、その創生が図られなければならない。
2 京都の優れた眺望景観は、京都の町を取り囲む低くなだらかな山並みと京都の町を流れる川が一体となって山紫水明と形容される優れた自然風景の中で、世界遺産を含む数多くの歴史的資産や趣ある町並みが形成され、地域ごとに特色ある多様な形で生み出されてきたこと及びその基層となった優れた伝統や文化とともに市民生活の中に溶け込み、先人がその豊かな感性の下に、日々の暮らしの中で()で、今日に継承されてきたものであることにかんがみ、その創生は、自然、歴史的資産、町並み、伝統、文化等との調和を踏まえ、地域ごとの特性に応じた適切な制限の下に行われなければならない。
3 京都の優れた眺望景観の創生は、現にある優れた眺望景観を保全することのみならず、新たに優れた眺望景観を創出することを含むものであることを旨として、行われなければならない。
(本市の責務)
第3条 本市は、前条に定める基本理念にのっとり、京都の優れた眺望景観の創生を図るために必要な施策を実施するとともに、市民及び事業者の意識の啓発に努めなければならない。
(市民及び事業者の責務)
第4条 市民及び事業者は、第2条に定める基本理念にのっとり、自らが京都の優れた眺望景観を創生する主体であることを理解するとともに、それぞれの立場から、その創生に努めなければならない。
(定義)
第5条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 視点場 神社、寺院、城、御所その他の歴史的な建造物又は公園、河川、橋りょう、道路その他の公共性の高い場所で、優れた眺望景観を享受することができる場所をいう。
(2) 視対象 視点場から眺めることができる対象物で、山並み、河川その他の自然、歴史的な建造物、趣のある町並み、自然と一体となった伝統文化を象徴する目印その他優れた眺望景観の要素となるものをいう。
(3) 眺望空間 特定の視点場から特定の視対象を眺めるときに視界に入る空間をいう。
(4) 眺望景観 特定の視点場から眺めることができる特定の視対象及び眺望空間から構成される景観で、次のいずれかに該当するものをいう。
ア 境内の眺め 神社、寺院等の境内地及びその背景にある空間によって一体的に構成される景観をいう。
イ 境内地周辺の眺め 参道その他境内地周辺の道及びその周辺の樹木、建築物等によって一体的に構成される景観をいう。
ウ 通りの眺め 通りの先にある山並み又は歴史的な建造物及び沿道の建築物等によって一体的に構成される景観をいう。
エ 水辺の眺め 河川、水路等及びその周辺の樹木、建築物等によって一体的に構成される景観をいう。
オ 庭園からの眺め 神社、寺院等の庭園において、その背景にある自然を当該庭園の一部として一体的に取り込んだ景観をいう。
カ 山並みへの眺め 河川及び河川から山並みを見通す空間によって一体的に構成される景観をいう。
キ 「しるし」への眺め 日常の市民生活の中で目印となる歴史的な建造物又は自然と一体となった伝統文化を象徴する目印及びこれらを見通す空間によって一体的に構成される景観をいう。
ク 見晴らしの眺め 山並み、河川その他の自然が一体となって一定の広がりをもって構成される景観をいう。
ケ 見下ろしの眺め 山頂、山ろく又は展望所から見下ろす一定の広がりをもった市街地の景観をいう。
(5) 建築物等 建築基準法第2条第1号に規定する建築物(以下「建築物」という。)及び建築物以外の工作物で土地又は建築物に定着するもの(屋外広告物法第2条第1項に規定する屋外広告物(屋外広告物を掲出する物件を含む。)を除く。以下「工作物」という。)をいう。
(6) 建築等 建築物の新築、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替え若しくは色彩の変更又は工作物の新設、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替え若しくは色彩の変更をいう。
第2章 眺望景観保全地域の指定等
(眺望景観保全地域の指定)
第6条 市長は、眺望景観を保全し、及び創出するため建築物等の建築等を制限する必要がある区域を、その建築物等に係る行為の制限の内容に応じて、次に掲げる区域(以下「眺望景観保全地域」という。)に指定することができる。
(1) 眺望空間保全区域 視点場から視対象を眺めるとき、視対象への眺望を遮る建築物等の建築等を禁止する区域
(2) 近景デザイン保全区域 視点場から視対象を眺めるとき、眺望空間にある建築物等の形態及び意匠を制限する区域
(3) 遠景デザイン保全区域 視点場から視対象を眺めるとき、眺望空間にある建築物等の外壁、屋根等の色彩を制限する区域(近景デザイン保全区域を除く。)
2 市長は、眺望景観保全地域を指定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ京都市美観風致審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴くとともに、市民の意見を聴かなければならない。
3 市長は、眺望景観保全地域を指定し、又は変更したときは、これを告示しなければならない。
4 市長は、前項の規定により告示したときは、関係図書を一般の縦覧に供しなければならない。
5 眺望景観保全地域の指定及び変更は、第3項の規定による告示によってその効力を生じる。
(眺望景観保全地域の提案)
第7条 何人も、京都の優れた眺望景観の創生にふさわしいと思慮する一団の土地の区域について、別に定めるところにより、市長に対し、眺望景観保全地域として指定することを提案することができる。
2 市長は、前項の提案があった場合において、その提案の内容が京都の優れた眺望景観の創生にふさわしいものと認めたときは、前条の規定により、その提案に係る区域を眺望景観保全地域として指定することができる。
第3章 眺望景観保全地域内における建築物等に関する制限
(建築物等の高さ、形態及び意匠の制限)
第8条 眺望景観保全地域内の建築物等は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 眺望空間保全区域にあっては、建築物等(塔屋その他これに類する物件が屋上に設けられる場合にあっては、当該物件)の各部分の標高(東京湾の平均海面からの高さをいう。以下同じ。)は、視点場から視対象への眺望を遮らないものとして別に定める標高を超えないこと。
(2) 近景デザイン保全区域にあっては、視点場から視認することができる建築物等の形態及び意匠は、優れた眺望景観を阻害しないものとして別に定める基準に適合すること。
(3) 遠景デザイン保全区域にあっては、視点場から視認することができる建築物等の外壁、屋根等の色彩は、優れた眺望景観を阻害しないものとして別に定める基準に適合すること。
2 前項の基準は、市長が、第5条第4号アからケまでに掲げる区分及び眺望景観保全地域ごとの特性に応じ、あらかじめ審議会の意見を聴いたうえで、定める。これを変更しようとする場合についても、同様とする。
3 第6条第3項から第5項までの規定は、第1項の基準の策定及び変更について準用する。
(計画の認定)
第9条 眺望空間保全区域内において、建築物等の建築等(新築、新設及び建築物等の標高の増加を伴うものに限る。以下この条において同じ。)をしようとする者は、別に定めるところにより、あらかじめ、その計画が前条第1項第1号に掲げる基準に適合するものであることについて、申請書を提出して市長の認定を受けなければならない。別に定める軽微な変更を除き、当該認定を受けた建築物等の計画を変更しようとする場合についても、同様とする。
2 市長は、前項の規定による認定の申請があった場合において、当該申請に係る建築物等の計画が前条第1項第1号に掲げる基準に適合していると認めるときは、前項の規定による認定をしなければならない。
3 第1項の規定による認定に係る建築物等の建築等の工事は、当該認定を受けた後でなければ、これを施工してはならない。
4 市長は、京都の優れた眺望景観の創生のために必要があると認めるときは、第1項の規定による認定に条件を付することができる。
5 第1項の規定にかかわらず、第13条第1項前段又は第14条第1項の規定による許可を受けた建築物等の建築等については、第1項の規定による認定を受けることを要しない。
(完了等の届出)
第10条 前条第1項の規定による認定を受けた者は、当該認定に係る行為が完了したときは、別に定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
2 前条第1項の規定による認定を受けた者は、当該認定に係る行為を中止したときは、別に定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(建築物等の建築等に関する届出及び勧告)
第11条 近景デザイン保全区域又は遠景デザイン保全区域内において、建築物等の建築等(次に掲げるものを除く。)をしようとする者は、別に定めるところにより、あらかじめ、その旨を市長に届け出なければならない。
(1) 建築等をしようとする地点と当該地点が存する遠景デザイン保全区域の視点場との水平距離が3キロメートルを超える建築等で、建築等を行った後の建築物等(塔屋その他これに類する物件が屋上に設けられる場合にあっては、当該物件)の地盤面からの高さが10メートル以下となるもの
(2) 建築物等の外観の変更を伴わない建築等
2 前項の規定による届出をした者は、当該届出に係る事項のうち別に定める事項を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を市長に届け出なければならない。
3 建築物等の建築等が、歴史的風土保存区域、近郊緑地保全区域、特別緑地保全地区、美観地区、美観形成地区、建造物修景地区、風致地区、自然風景保全地区又は伝統的建造物群保存地区内において行われるときは、次に掲げる法律又は条例の規定による申請、協議、通知又は届出をもって、第1項の届出があったものとみなす。
(1) 古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法
(2) 近畿圏の保全区域の整備に関する法律
(3) 都市緑地法
(4) 景観法
4 市長は、第1項又は第2項の規定による届出があった場合において、その届出に係る行為が第8条第1項第2号又は第3号に掲げる基準に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置を採ることを勧告することができる。
(維持保全)
第12条 視対象その他眺望景観保全地域内の建築物等の所有者、管理者又は占有者は、常時、その視対象又は建築物等を優れた眺望景観の保全上支障がない状態に維持するよう努めなければならない。
(建築物等の制限の緩和)
第13条 眺望空間保全区域内の建築物等の建築等に関する計画について、市長が、視対象への眺望景観の保全上支障がないと認めて許可したものについては、第8条第1項第1号に掲げる基準を適用しない。この場合において、市長は、あらかじめ当該計画について、審議会の意見を聴くものとする。
2 前項前段の許可に関し必要な事項は、別に定める。
3 第10条の規定は、第1項前段の規定による許可を受けた者について準用する。
(仮設の建築物等に対する制限の緩和)
第14条 眺望空間保全区域内の次に掲げる建築物等で、当該建築物等の位置、規模、形態及び意匠について、市長が、視対象への眺望景観の保全上支障がないと認めて許可したものについては、第8条第1項第1号に掲げる基準を適用しない。
(1) 仮設の興行場等の建築物等その他これらに類する仮設の建築物等で、存続する期間が1年以内のもの
(2) 工事のために必要な仮設の建築物で、工事の期間中に限り存続するもの
2 前項の許可に関し必要な事項は、別に定める。
3 第10条の規定は、第1項の規定による許可を受けた者について準用する。
第4章 建築物等のデザインに関する事前協議等
(デザインに関する事前協議)
第15条 近景デザイン保全区域(当該近景デザイン保全区域に係る視点場を含む。)のうち、自然、歴史的資産、町並み、伝統、文化等との調和を踏まえ、地域ごとの特性に応じた眺望景観の創生を特に図る必要があるものとして市長が指定する区域(以下「事前協議区域」という。)において、建築物等の建築等(次に掲げるものに限る。以下この章(第20条を除く。)において同じ。)をしようとする者(以下この章において「特定建築主」という。)は、あらかじめ、別に定めるところにより、当該建築物等の建築等に係る計画について市長と協議しなければならない。
(1) 視点場にあっては、建築物の新築若しくは増築又は工作物(別に定めるものに限る。次号及び第3号において同じ。)の新設
(2) 近景デザイン保全区域のうち、視点場に近接する区域として市長が指定する区域にあっては、建築物の新築若しくは増築又は工作物の新設(別に定める規模以上のものに限る。)
(3) 前2号に掲げる区域以外の区域にあっては、建築物の新築若しくは増築(別に定める規模以上のものに限る。)又は工作物の新設(別に定める規模以上のものに限る。)
2 第6条第2項から第5項までの規定は、前項の規定による指定について準用する。
3 第1項の規定による協議をしようとする者は、当該協議に係る建築物等の建築等に係る計画が第11条第1項の規定による届出を要するものであるときは、当該届出(同条第3項の規定により届出があったものとみなされる場合にあっては、同項に規定する申請、協議、通知又は届出)に先立って、第1項の規定による協議を経なければならない。
4 市長は、特定建築主による第1項に規定する計画の作成を支援するため、情報の提供その他必要な措置を講じるものとする。
(専門的知識を有する者を交えた協議の場)
第16条 市長は、前条第1項の規定による協議の申出があった場合において、優れた眺望景観を創生するために必要があると認めるときは、自然、歴史的資産、町並み、伝統、文化等について専門的知識を有する者を交えた協議の場を設けることができる。この場合において、当該申出をした特定建築主は、当該協議の場に参加しなければならない。
(協議の終了等)
第17条 市長は、第15条第1項の規定による協議の申出があったときは、その日から45日以内に協議を終了させなければならない。
2 市長は、協議を終了させたときは、別に定める事項を記載した協議書を作成し、当該協議に係る特定建築主に交付しなければならない。
3 市長は、特定建築主が前条に規定する協議の場に参加しないときその他協議を終了させることができない正当な理由があるときは、その旨及びその理由を記載した通知書を第1項の期間内に当該特定建築主に交付しなければならない。
4 特定建築主は、第2項の協議書の交付を受けた後でなければ、協議に係る建築物等の建築等に着手してはならない。
5 特定建築主は、建築物等の建築等を行うに当たっては、協議の結果を尊重するよう努めなければならない。
(書類の閲覧)
第18条 市長は、第15条第1項の規定による協議に関する書類であって別に定めるものについては、別に定めるところにより、閲覧の請求があった場合には、これを閲覧させなければならない。
(勧告及び公表)
第19条 市長は、特定建築主が第15条第1項の規定による協議の申出を行わないときは、当該特定建築主に対し、協議を行うよう勧告することができる。
2 市長は、前項の勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
3 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ当該公表の対象となる者にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。
4 公表の対象となる者が前項の規定により意見を述べたときは、市長は、第2項の規定による公表の際、当該意見を併せて公表しなければならない。
(眺望景観の創生に関する助言)
第20条 事前協議区域において建築物等の建築等をしようとする者は、市長に対して、地域ごとの特性に応じた眺望景観の創生に関する助言を求めることができる。
2 第18条の規定は、前項の助言に関する書類で別に定めるものについて準用する。
(顕彰)
第21条 市長は、第15条第1項の規定による協議又は前条第1項の規定による助言を行った場合において、当該協議又は助言に係る建築物等が自然、歴史的資産、町並み、伝統、文化等との調和を踏まえ、地域ごとの特性に応じた特に優良なものであると認めるときは、これを顕彰することができる。
第5章 雑則
(適用の除外)
第22条 眺望景観保全地域の指定又は変更の際、現に存する建築物等又は現に建築等の工事中である建築物等が、この条例の規定若しくはこれに基づく基準に適合せず、又はこの条例の規定若しくはこれに基づく基準に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物等又は当該建築物等の部分に対しては、当該規定又は当該基準は、適用しない。
2 前項の規定は、工事の着手が眺望景観保全地域の指定又は変更の後である増築、改築、移転、大規模の修繕又は大規模の模様替え等に係る建築物等又は建築物等の部分のうち、当該工事に係る部分に対しては、適用しない。
3 眺望景観保全地域内にある建築物等で、次の各号のいずれかに該当するものについては、第8条第1項、第9条及び第11条の規定を適用しない。
(1) 文化財保護法第27条第1項の規定により指定された重要文化財、同法第78条第1項の規定により指定された重要有形民俗文化財又は同法第109条第1項の規定により指定され、若しくは同法第110条第1項の規定により仮指定された史跡名勝天然記念物
(2) 景観法第19条第1項の規定により指定された景観重要建造物
(3) 京都府文化財保護条例第7条第1項の規定により指定された京都府指定有形文化財、同条例第36条第1項の規定により指定された京都府指定有形民俗文化財又は同条例第43条第1項の規定により指定された府指定史跡名勝天然記念物
(4) 京都市文化財保護条例第6条第1項の規定により指定された京都市指定有形文化財、同条例第30条第1項の規定により指定された京都市指定有形民俗文化財又は同条例第36条第1項の規定により指定された市指定史跡名勝天然記念物
(5) 京都市市街地景観整備条例第38条第1項の規定により指定された歴史的意匠建造物
(6) 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為に係る建築物等
(7) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為に係る建築物等
(8) 祭礼又は慣例的行事のために必要な仮設の建築物等で、祭礼等の期間中に限り存続するもの
(9) 工事のために必要な仮設の工作物で、工事の期間中に限り存続するもの
(10) その他視対象への眺望景観の保全上支障がないと認める工作物で別に定めるもの
4 近景デザイン保全区域又は遠景デザイン保全区域内にある建築物等で、次の各号のいずれかに該当するものについては、第8条第1項第2号及び第3号並びに第11条の規定は適用しない。
(1) 前項第1号、第3号又は第4号に掲げる建築物等であったものの原形を再現する建築物等で、市長がその原形の再現がやむを得ないと認めたもの
(2) 工事のために必要な仮設の建築物で、工事の期間中に限り存続するもの
(3) 電気事業法の規定による電気事業の用に供する電気工作物
(4) 電気通信事業法第120条第1項に規定する認定電気通信事業者が行う事業の用に供する電気通信設備
(5) その他視対象への眺望景観の保全上支障がないと認める工作物で別に定めるもの
5 第3項各号(第1号、第3号及び第4号を除く。)及び次の各号のいずれかに該当する建築物等については、前章(第20条及び前条を除く。)の規定を適用しない。
(1) 文化財保護法第125条第1項本文の規定による許可に係る建築物等(視点場に存するものに限る。)
(2) 地下に設ける建築物
(3) その他視対象への眺望景観の保全上支障がないと認める建築物等で別に定めるもの
(監督処分)
第23条 市長は、この条例の規定又はこれに基づく認定に付した条件に違反した建築物等の建築主等(建築物等に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその工事をする者をいう。以下同じ。)、当該建築物等に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。以下同じ。)若しくは現場管理者又は当該建築物等若しくはその敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対し、工事の停止を命じ、又は相当の期限を定めて、建築物等の外観の変更、除却、移転、改築、増築、修繕、模様替えその他違反を是正するために必要な措置を採ることを命じることができる。
2 市長は、この条例の規定又はこれに基づく認定に付された条件に違反することが明らかな建築等の工事中の建築物等について、緊急の必要があって京都市行政手続条例第14条第1項に規定する意見陳述のための手続を取ることができない場合に限り、当該手続によらないで、当該建築物等の建築主等又は当該工事の請負人若しくは現場管理者に対し、当該工事の施工の停止を命じることができる。この場合において、これらの者が当該工事の現場にいないときは、当該工事に従事する者に対し、当該工事に係る作業の停止を命じることができる。
3 市長は、前2項の規定による処分をしたときは、標識の設置その他別に定める方法により、その旨を公示しなければならない。
4 前項の標識は、第1項又は第2項の規定による処分に係る建築物等の敷地内に設置することができる。この場合においては、当該建築物等又はその敷地の所有者、管理者又は占有者は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
(違反建築物の設計者等に対する措置)
第24条 市長は、前条第1項又は第2項の規定による命令をした場合においては、別に定めるところにより、当該命令に係る建築物の設計者(その者の責任において、設計図書を作成した者をいう。以下同じ。)、工事監理者(建築士法第2条第6項に規定する工事監理をする者をいう。以下同じ。)若しくは工事の請負人又は当該建築物についての宅地建物取引業に係る取引をした宅地建物取引業者の氏名又は名称及び住所その他別に定める事項を、建築士法、建設業法又は宅地建物取引業法の定めるところによりこれらの者を監督する国土交通大臣又は都道府県知事に通知しなければならない。
(報告又は資料の提出)
第25条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、眺望景観保全地域内の建築物等の建築主等、設計者、工事監理者若しくは工事施工者(建築物、その敷地若しくは工作物に関する工事の請負人又は請負契約によらないで自らこれらの工事をする者をいう。以下同じ。)又は建築物等若しくはその敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対し、建築物等の敷地、構造若しくは建築設備又は建築物等に関する工事の計画若しくは施工の状況その他必要な事項について報告又は資料の提出を求めることができる。
(立入調査等)
第26条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、市長が指定する職員に、土地又は建築物等に立ち入り、その状況を調査させ、必要な検査をさせ、又は関係者に質問させることができる。ただし、住居に立ち入るときは、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。
2 前項の規定により立入調査、立入検査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査、立入検査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(委任)
第27条 この条例において別に定めることとされている事項及びこの条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
第6章 罰則
第28条 第23条第1項又は第2項前段の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役又は500,000円以下の罰金に処する。
第29条 次の各号のいずれかに該当する者は、500,000円以下の罰金に処する。
(1) 第8条第1項第1号の規定に違反した場合における建築物等の設計者(設計図書を用いないで工事を施工し、又は設計図書に従わないで工事を施工した場合においては、当該建築物等の工事施工者)
(2) 第9条第1項の規定に違反した者
(3) 第9条第3項の規定に違反した場合における当該建築物等の工事施工者
(4) 第23条第2項後段の規定による命令に違反した者
2 前項第1号に規定する違反があった場合において、その違反が建築主等の故意によるものであるときは、当該設計者又は工事施工者を罰するほか、当該建築主等に対して同項の刑を科する。
第30条 次の各号のいずれかに該当する者は、300,000円以下の罰金に処する。
(1) 第10条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(2) 第25条の規定による報告又は資料の提出をせず、又は虚偽の報告又は資料の提出をした者
(3) 第26条第1項の規定による調査、検査又は質問を拒み、妨げ、又は忌避した者
(4) 第26条第1項の規定による質問に対して答弁せず、又は虚偽の答弁をした者
第31条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前3条に規定する違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、市規則で定める日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。
(平成19年5月1日規則第4号で平成19年9月1日から施行)
(準備行為)
2 この条例の規定による審議会及び市民の意見の聴取は、この条例の施行前においても行うことができる。
(検討)
3 市長は、社会経済情勢の変化を勘案しつつ、この条例の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講じるものとする。
附 則(平成22年12月22日条例第42号)
(施行期日)
1 この条例は、平成23年4月1日から施行する。
(適用区分)
2 この条例による改正後の京都市眺望景観創生条例の規定は、この条例の施行の日以後の申請又は届出に係る建築物及び工作物(以下「建築物等」という。)について適用し、同日前の申請又は届出に係る建築物等については、なお従前の例による。
附 則(平成30年3月29日条例第68号)
(施行期日)
1 この条例は、平成30年10月1日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。
(準備行為)
2 この条例による改正後の京都市眺望景観創生条例(以下「改正後の条例」という。)の規定による審議会及び市民の意見の聴取は、この条例の施行前においても行うことができる。
(適用区分)
3 改正後の条例第15条第1項の規定は、この条例の施行の日以後に第11条第1項の規定による届出を行う者(同条第3項の規定により届出があったものとみなされる者を含む。)又は建築物等の建築等に着手する者について適用し、同日前に当該届出又は当該着手をした者については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
4 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。



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