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○京都市環境基本条例
平成9年3月31日条例第92号
京都市環境基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条~第8条)
第2章 環境の保全に関する基本的施策
第1節 環境基本計画(第9条・第10条)
第2節 環境保全基準(第11条)
第3節 環境の保全の総合的推進のための施策(第12条~第17条)
第4節 個別の分野における施策(第18条~第28条)
第5節 参加と協力のための施策(第29条~第33条)
第3章 環境審議会(第34条~第37条)
附則
人類は、この地球に誕生して以来、大気、水、大地、生物等の自然の微妙な均衡の下に、その恵みを享受してきた。そして、京都の先人たちは、緑豊かな山々、清らかな流れ等の恵まれた自然の中で、優れた文化を創造するとともに、趣のある都市景観を形成する等、世界の人々を魅了する個性に満ちたまちを形作ってきた。
しかしながら、都市化の進展や生活様式の変化に伴って、都市生活に特有の公害が顕在化する等、私たちの身近な環境に様々な影響が現れてきた。更に、先進国を中心とする大量生産、大量消費及び大量廃棄を伴う人の活動は、直接又は間接に環境への負荷を増大させ、その影響は、自然の持つ復元力を超え、現在及び将来の人類を含むすべての生物の生存の基盤である地球環境を脅かすまでに至っている。
健全で恵み豊かな環境は、地球上のすべての生物にとって掛け替えのないものであり、すべての人は、その環境を享受する権利を有するとともに、その健全で恵み豊かな環境を保全し、将来の世代に継承していく責務を負っている。
このような認識の下に、本市、事業者、市民及び滞在者がそれぞれの立場において環境の保全に取り組むことにより、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な都市を実現することを決意し、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全について、基本理念を定め、並びに本市、事業者、市民及び通勤者、通学生、観光旅行者その他の滞在者の責務を明らかにするとともに、本市の自然的社会的条件に応じ、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めて、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、健全で恵み豊かな環境を確保し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生じる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係がある財産並びに人の生活に密接な関係がある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生じることをいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全は、次の各号に掲げる事項を基本理念として行わなければならない。
(1) 環境の保全は、現在及び将来の市民が健康で文化的な生活を営むうえで欠くことができない健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともに、その環境が将来にわたって維持されるよう適切に行われなければならないこと。
(2) 環境の保全は、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な都市を実現することを旨とし、及び科学的知見の充実の下に環境の保全上の支障が未然に防がれることを旨として、総合的かつ計画的に行われなければならないこと。
(3) 環境の保全は、本市、事業者及び市民が、すべての活動を行うに当たって、環境の保全の重要性を理解し、環境の保全について十分な配慮をするとともに、環境の保全に関する活動に参加し、及び協力することにより行われなければならないこと。
(4) 環境の保全は、恵まれた自然の中で優れた文化を創造してきた京都の環境の特質を生かすように推進されなければならないこと。
(5) 地球環境の保全は、本市、事業者及び市民がこれを共通の課題であると認識し、その認識が施策、事業活動及び日常生活に反映されることにより積極的に推進されなければならないこと。
(本市の責務)
第4条 本市は、基本理念にのっとり、本市の区域の自然的社会的条件に応じた環境の保全に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 本市は、基本理念にのっとり、環境の保全に関する施策の策定及び実施に当たっては、環境の保全に関する活動への事業者及び市民の参加及び協力を促進し、その意見を適切に反映する責務を有する。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生じる公害を防止するために必要な措置及び自然環境を適正に保全するために必要な措置を講じる責務を有する。
2 事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講じる責務を有する。
3 前2項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するよう努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するよう努めなければならない。
4 前3項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全に自ら努めるとともに、本市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
(市民の責務)
第6条 市民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、資源及びエネルギーの浪費を避ける等、日常生活に伴う環境への負荷の低減に自ら努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、市民は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、本市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
(滞在者の責務)
第7条 滞在者は、本市が実施する環境の保全に関する施策に協力することにより、本市の区域内における活動に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。
(年次報告)
第8条 市長は、毎年、環境の状況及び本市が環境の保全に関して講じた施策を明らかにした報告書を作成し、これを公表しなければならない。
第2章 環境の保全に関する基本的施策
第1節 環境基本計画
(環境基本計画)
第9条 市長は、本市の自然的社会的条件に応じ、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、環境の保全に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次の各号に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全に関する長期的な目標
(2) 環境の保全に関する個別の分野の施策の大綱
(3) 環境の保全に関する配慮の指針
(4) その他環境の保全に関する重要な事項
3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、京都市環境審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴くとともに、事業者及び市民の意見を適切に反映するために必要な措置を講じなければならない。
4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
(環境基本計画と他の施策との整合)
第10条 本市は、施策を策定し、又は実施するに当たっては、環境基本計画との整合性を確保しなければならない。
第2節 環境保全基準
第11条 市長は、市民の健康を保護し、並びに快適な生活環境及び良好な自然環境を保全するうえで維持されることが望ましい基準(以下「環境保全基準」という。)を定めなければならない。
2 市長は、環境保全基準を定めるに当たっては、審議会の意見を聴かなければならない。
3 市長は、環境保全基準を定めたときは、速やかにこれを告示しなければならない。
4 市長は、環境の保全に関する施策を総合的かつ有効適切に講じることにより、環境保全基準が確保されるよう努めなければならない。
5 環境保全基準については、常に適正な科学的判断が加えられ、必要な改定がなされなければならない。
6 第2項及び第3項の規定は、環境保全基準の改定について準用する。
第3節 環境の保全の総合的推進のための施策
(環境影響評価)
第12条 本市は、土地の形状の変更、工作物の新設その他これらに類する事業を行う事業者が、事前に環境に及ぼす影響について調査、予測及び評価を行い、その結果を公表し、事業の実施に際し環境の保全について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講じなければならない。
(環境の保全に資する施設の整備)
第13条 本市は、下水道、廃棄物処理施設、環境への負荷の低減に資する交通施設、公園、緑地その他の環境の保全に資する施設の整備を推進するために必要な措置を講じなければならない。
(規制的措置)
第14条 本市は、環境への負荷を低減するために必要な規制の措置を講じなければならない。
(誘導的措置)
第15条 本市は、事業者、市民又は滞在者が事業活動、日常生活又は滞在中の活動における環境への負荷の低減のための適切な措置を採ることを助長することにより環境の保全上の支障を防止するため、必要な助成の措置を講じるよう努めなければならない。
2 本市は、事業者、市民又は滞在者が、事業活動、日常生活又は滞在中の活動において環境への負荷の少ない行動を選択するよう、適正な経済的負担を課することについて調査及び研究を行い、特に必要があると認めるときは、そのために必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(国及び他の地方公共団体との協力)
第16条 本市は、環境の保全に係る広域的な取組を必要とする施策については、国及び他の地方公共団体と協力して、その推進に努めなければならない。
(調査及び研究の推進)
第17条 本市は、環境の状況の把握、環境の保全に資する新たな技術の開発及び環境の保全に関する施策の立案に資する環境の保全に関する調査及び研究の推進を図らなければならない。
2 本市は、研究機関等と連携し、環境の保全に関する学術研究を振興するよう努めなければならない。
第4節 個別の分野における施策
(公害等の防止に係る施策)
第18条 本市は、公害その他の人の健康又は生活環境に係る環境の保全上の支障を防止するために必要な措置を講じなければならない。
(環境への負荷の少ない総合的な交通体系の確立に係る施策)
第19条 本市は、環境への負荷の少ない総合的な交通体系の確立を図るために必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(資源の循環的な利用等に係る施策)
第20条 本市は、環境への負荷の低減を図るため、資源の節減及び循環的な利用、エネルギーの節減及び有効的利用並びに廃棄物の減量について、必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(事業者による環境管理の促進に係る施策)
第21条 本市は、事業者が自らの事業活動に伴う環境への負荷を低減させるための環境管理の実施を促進するために必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(監視等に係る施策)
第22条 本市は、環境の状況を把握するとともに、公害の発生を未然に防止するために必要な監視、観測、測定及び検査を行わなければならない。
2 本市は、環境に係る監視、観測、測定及び検査を行うために必要な体制を整備するよう努めなければならない。
(歴史的な自然環境の保全に係る施策)
第23条 本市は、文化財と一体となった固有の自然環境を保全し、及び活用するために必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(良好な都市景観の保全及び形成に係る施策)
第24条 本市は、固有の景観を形成している趣のある町並み、その背景となる山並み等の都市景観を保全するとともに、それぞれの地域にふさわしい都市景観を形成し、及び保全するために必要な措置を講じなければならない。
(緑地及び水辺の保全と創造に係る施策)
第25条 本市は、緑地及び水辺を保全し、創造し、及び活用するために必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(自然環境の保全に係る施策)
第26条 本市は、生物の多様性の確保が図られるとともに、多様な自然環境が保全されるために必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(地球環境の保全に係る施策)
第27条 本市は、地球の温暖化の原因となる物質及びオゾン層を破壊する物質の排出の抑制その他地球環境の保全に資する施策を推進しなければならない。
(国際協力及び国際交流に係る措置)
第28条 本市は、地球環境の保全に関する国際協力及び国際交流の推進に努めなければならない。
第5節 参加と協力のための施策
(環境の保全に関する教育、学習等)
第29条 本市は、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに環境の保全に関する広報活動の充実により、事業者、市民及び滞在者が環境の保全に関する理解を深めるとともに、環境の保全に関する活動を適切に行うことができるようにするために必要な措置を講じなければならない。
(情報の収集及び提供)
第30条 本市は、個人又は団体による自発的な環境の保全に関する活動を促進し、及び支援するため、環境の保全に関する情報を収集し、及び提供するよう努めなければならない。
(自発的な活動の促進及び支援)
第31条 本市は、個人又は団体による自発的な環境の保全に関する活動を促進し、及び支援するとともに、当該活動を行う者の連携を図るために必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(環境の保全に関する行動計画)
第32条 市長は、事業者、市民及び滞在者の環境の保全に関する行動を促進するため、環境の保全のための行動計画(以下「行動計画」という。)を定めなければならない。
2 市長は、行動計画を周知するとともに、その実施を促進するよう努めなければならない。
3 市長は、行動計画の策定及びその実施の促進に当たっては、事業者、市民及び滞在者が行動計画の策定及び実施に参加し、及び協力するために必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(協力と連携のための推進体制)
第33条 本市は、事業者、市民及び滞在者がそれぞれの立場において相互に協力し、及び連携して環境の保全に関する活動を推進するための体制を確立するために必要な措置を講じるよう努めなければならない。
第3章 環境審議会
(審議会)
第34条 環境の保全に関する基本的事項その他市長が必要と認める事項について、市長の諮問に応じ、調査し、及び審議するとともに、当該事項について市長に対し、意見を述べるため、環境基本法第44条の規定に基づき、審議会を置く。
(審議会の組織)
第35条 審議会は、委員35人以内をもって組織する。
2 委員は、学識経験のある者その他市長が適当と認める者のうちから、市長が委嘱し、又は任命する。
(委員の任期)
第36条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
(委任)
第37条 この章に定めるもののほか、審議会に関し必要な事項は、市長が定める。
附 則 抄
(施行期日)
1 この条例は、平成9年4月1日から施行する。



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