○岸和田市景観条例
平成22年6月28日条例第19号
岸和田市景観条例
岸和田市都市景観条例(平成6年条例第2号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 良好な景観形成
第1節 景観形成基本方針(第8条)
第2節 景観計画(第9条―第11条)
第3節 行為の届出(第12条―第23条)
第4節 景観重要建造物(第24条―第26条)
第5節 景観重要樹木(第27条―第29条)
第6節 景観協定(第29条の2)
第3章 景観の保全
第1節 歴史的景観の保全(第30条・第31条)
第2節 景観阻害物件等(第32条・第33条)
第4章 支援及び事業
第1節 削除
第2節 岸和田市景観形成市民団体(第38条・第39条)
第3節 事業及び助成等(第40条―第42条)
第5章 雑則(第43条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の施行に関し必要な事項その他岸和田市における良好な景観形成に関する基本的な事項を定め、もって岸和田らしい景観を保全し、創生し、未来へ継承することのできる快適な環境及び住みよい文化的で潤いのある美しいまちの実現に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において使用する次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 景観形成 地域性、歴史性、風土性、文化性等を活かした岸和田らしい景観を保全し、育成し、又は創生することをいう。
(2) 建築物等 建築物、建築物以外の工作物で規則で定めるもの並びに屋外広告物及びこれを掲出する物件をいう。
(3) 建築行為等 法第16条第1項第1号から第3号までに掲げる行為をいう。
(4) 市民 市内に住み、働き、若しくは学ぶ人又は市内に事業所を置く次号に規定する事業者をいう。
(5) 事業者 市内で事業活動を行う者をいう。
(6) 歴史的まちなみ 建築物等が連たんして歴史的に豊かな特色を持つことにより、市民に親しまれ、愛着を持たれるような景観を形成しているまちなみをいう。
2 前項に定めるもののほか、この条例において使用する用語の意義は、法において使用する用語の例による。
(市長の責務)
第3条 市長は、この条例の目的を達成するため、法第4条に規定する地方公共団体の責務を踏まえ、良好な景観形成に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、これを実施しなければならない。
2 市長は、前項の施策の策定及び実施に当たっては、市民の意見、要望等が十分に反映されるよう努めなければならない。
3 市長は、道路、公園その他の公共施設の整備を行う場合には、良好な景観形成に先導的役割を果たさなければならない。
4 市長は、市民が良好な景観形成に寄与することができるよう、景観に関する知識の普及を図る等必要な措置を講じなければならない。
一部改正〔平成29年条例18号〕
(市民の責務)
第4条 市民は、自らが景観形成の主体であることを認識し、その個性と創意を発揮するとともに、良好な景観形成に積極的に寄与するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、その事業活動の実施に当たっては、自らも景観形成の主体であることを認識し、専門的知識を活用し、良好な景観形成に積極的に寄与するよう努めなければならない。
(国等に対する要請)
第6条 市長は、この条例の目的を達成するため、国の機関、他の地方公共団体その他関係機関に対して、適切な措置を講ずるよう要請するものとする。
(財産権の尊重及び他の公益との調整)
第7条 この条例の運用に当たっては、関係者の財産権その他の権利を尊重するとともに、公共事業その他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 良好な景観形成
第1節 景観形成基本方針
(景観形成基本方針の策定)
第8条 市長は、本市における良好な景観形成を総合的かつ計画的に進めるため、景観形成基本方針(以下「基本方針」という。)を策定するものとする。
2 基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 景観形成の基本的な考え方
(2) 岸和田市の景観特性
(3) 景観形成の基本目標及び基本指針
(4) 景観形成施策の推進に関する事項
3 市長は、基本方針を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ市民及び別に条例で設置する岸和田市景観審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
4 市長は、基本方針を策定し、又は変更したときは、遅滞なくこれを公表しなければならない。
一部改正〔平成25年条例16号・29年18号〕
第2節 景観計画
(景観計画)
第9条 法第8条第1項の景観計画は、市長が定めるものとする。
2 景観計画は、基本方針に適合するものでなければならない。
3 市長は、景観計画区域内において特に重点的に景観形成を図るべき地区(以下「重点地区」という。)を景観計画において定めることができる。
4 法第8条第2項第2号に規定する良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項は、景観計画区域について定めるほか、重点地区ごとについても定めるものとする。
5 市長は、景観計画において、法第8条第2項各号に規定するもののほか、良好な景観形成のための行為に係る誘導基準を定めるものとする。
一部改正〔平成29年条例18号〕
(策定の手続)
2 市長は、景観計画を定めようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
3 前2項の規定は、景観計画の変更について準用する。ただし、景観計画の変更の内容が重点地区に係るもののみである場合には、第1項に規定する措置に代えて、当該重点地区の市民の意見を聴取するものとする。
一部改正〔平成29年条例18号〕
(景観計画への適合)
第11条 景観計画区域内において建築行為等又は公共施設の整備を行う者は、当該建築行為等又は公共施設の整備が景観計画に適合するよう努めなければならない。
第3節 行為の届出
(条例で定める添付図書)
第12条 景観法施行規則(平成16年国土交通省令第100号。以下「省令」という。)第1条第2項第4号の規定により条例で定める図書は、届出を要する行為の種類に応じて規則で定める図書とする。
(法第16条第5項後段の規定による通知の手続)
第13条 法第16条第5項後段の規定による通知は、規則で定める書面に省令第1条第2項各号に掲げる図書その他市長が必要と認める書類を添付して行うものとする。
(届出を要しない行為)
第14条 法第16条第7項第11号の規定により同条第1項及び第2項の規定による届出を要しない行為として定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 規則で定める建築物若しくは工作物の新築、新設、増築、改築又は移転であって、規則で定めるもの
(2) 規則で定める建築物若しくは工作物の外観を変更することとなる修繕若しくは模様替え又は色彩若しくは材質の変更であって、規則で定めるもの
(3) 重点地区以外の景観計画区域における都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第12項に規定する開発行為であって、規則で定めるもの
(国等に対する協議の要請)
第15条 市長は、法第16条第5項の規定による通知があったときは、良好な景観形成に果たす公共の用に供する建築物等の役割に鑑み、当該通知を行った国の機関又は地方公共団体に対し同条第6項の規定による協議を求めるものとする。
一部改正〔平成29年条例18号〕
(事前協議)
第16条 法第16条第1項若しくは第2項の規定による届出又は同条第5項の規定による通知を行おうとする者は、あらかじめ当該届出又は通知の内容について、規則で定める書面に省令第1条第2項各号に掲げる図書その他市長が必要と認める書類を添付して提出し、規則で定めるところにより市長に協議を求めることができる。
(事前協議に係る行為に対する指導)
第17条 市長は、前条の規定による事前協議の求めがあった場合において、その対象となる行為が景観計画に定められた当該行為の制限に適合しないと認めるときは、規則で定めるところにより、事前協議を求めた者に対し、設計の変更その他必要な措置をとるよう指導するものとする。
(勧告及び命令)
第18条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告又は法第17条第1項若しくは第5項の規定による命令を行おうとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
(公表)
第19条 市長は、法第16条第3項の規定により行った勧告に正当な理由なく従わない者がある場合において、当該勧告の原因となった行為が周辺の景観形成に著しい支障を及ぼすものであると認めるときは、当該勧告に従わない者の住所、氏名及び当該勧告の内容を公表することができる。
2 市長は、前項の規定による公表を行おうとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
3 市長は、第1項の規定による公表を行おうとするときは、公表により氏名を公表されることとなる者又はその代理人に弁明の機会を付与しなければならない。
(特定届出対象行為)
第20条 法第17条第1項の特定届出対象行為は、重点地区における法第16条第1項第1号に規定する行為(同条第5項及び第7項の規定により届出を要しない行為を除く。)とする。
2 前項の特定届出対象行為を行う者は、第11条の規定にかかわらず、当該特定届出対象行為を景観計画に適合させなければならない。
(適合通知書の発行)
第21条 市長は、法第16条第1項又は第2項の規定による届出に係る行為が景観計画に適合すると認めたときは、規則で定めるところにより書面により通知するものとする。
(行為の着手制限期間の短縮)
第22条 市長は、前条の通知を行う場合において、当該通知を行う日において法第18条第1項本文の期間が経過していないときは、当該通知を行う日を当該期間の末日として、法第18条第2項の規定により同条第1項の期間を短縮するものとする。
(完了等の届出等)
第23条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為を完了し、又は中止したときは、その旨を市長に届け出なければならない。
2 前項の規定は、法第16条第5項の規定による通知を要する行為について準用する。
第4節 景観重要建造物
(景観重要建造物の指定)
第24条 市長は、法第19条第1項の規定により景観重要建造物の指定をし、又は法第27条第2項の規定により指定の解除をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
2 市長は、景観重要建造物の指定又は指定の解除をしたときは、規則で定めるところにより告示するものとする。
(景観重要建造物の管理の方法の基準)
第25条 法第25条第2項の管理の方法の基準は、次のとおりとする。
(1) 景観重要建造物の修繕は、原則としてその外観を変更することのないようにすること。
(2) 消火器の設置その他の景観重要建造物の防災上の措置を講ずること。
(3) 景観重要建造物が滅失することを防ぐため、その敷地、構造及び建築設備の状況を定期的に点検し、良好な景観の保全のために必要な措置を講ずること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、景観重要建造物の良好な景観の保全のため必要な管理の方法の基準として規則で定める事項を遵守すること。
(勧告及び命令)
第26条 市長は、法第23条第1項の規定による命令又は法第26条の規定による命令若しくは勧告を行おうとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
第5節 景観重要樹木
(景観重要樹木の指定)
第27条 市長は、法第28条第1項の規定により景観重要樹木の指定をし、又は法第35条第2項の規定による指定の解除をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
2 市長は、景観重要樹木の指定又は指定の解除をしたときは、規則で定めるところにより告示するものとする。
(景観重要樹木の管理の方法の基準)
第28条 法第33条第2項の管理の方法の基準は、次のとおりとする。
(1) 景観重要樹木の良好な景観が損なわれないよう適切に(せん)定その他の管理を行うこと。
(2) 景観重要樹木が滅失し、又は枯死することを防ぐため、病害虫の駆除その他の措置を講ずること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要樹木の良好な景観の保全のため必要な管理の方法の基準として規則で定める事項を遵守すること。
(勧告及び命令)
第29条 市長は、法第32条第1項において準用する法第23条第1項の規定による命令又は法第34条の規定による命令若しくは勧告を行おうとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
第6節 景観協定
追加〔平成30年条例18号〕
(景観協定の認可の手続)
第29条の2 市長は、法第81条第1項に規定する景観協定に係る同条第4項、法第84条第1項、法第88条第1項又は法第90条第1項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
追加〔平成30年条例18号〕
第3章 景観の保全
全部改正〔平成29年条例18号〕
第1節 歴史的景観の保全
全部改正〔平成29年条例18号〕
(歴史的まちなみの保全)
第30条 市長は、歴史的まちなみ及びこれと一体をなしてその歴史的景観を形成している環境を保全するため、必要な施策を実施しなればならない。
2 市長は、前項の施策の実施に当たっては、歴史的まちなみ及びこれと一体をなしてその歴史的景観を形成している環境を保全することが必要と認める区域を、歴史的まちなみ保全地区として指定し、及び当該指定に係る区域の保全計画を策定するものとする。
3 市長は、前項の規定により歴史的まちなみ保全地区として指定し、及び当該指定に係る区域の保全計画を策定しようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。
一部改正〔平成29年条例18号〕
(景観重要建造物及び景観重要樹木の保全)
第31条 市長は、景観重要建造物のうち歴史的、文化的又は建築的な価値が高い建造物として認めるもの及び景観重要樹木のうち歴史的又は文化的な価値が高い樹木として認めるものを保全するため、必要な施策を実施しなければならない。
第2節 景観阻害物件等
(景観阻害物件等に関する要請)
第32条 市長は、景観計画区域において良好な景観形成を阻害するものであると認められる建築物等その他の物件があるときは、その所有者、使用者等に対し、良好な景観形成のための必要な措置を講ずるよう要請することができる。
(空地の利用等に関する要請)
第33条 市長は、景観計画区域において良好な景観形成を阻害していると認められる空地があるときは、当該空地の所有者に対し、良好な景観形成に配慮した利用又は管理の措置を講ずるよう要請することができる。
第4章 支援及び事業
一部改正〔平成25年条例16号〕
第1節 削除
削除〔平成25年条例16号〕
第34条から第37条まで 削除
削除〔平成25年条例16号〕
第2節 岸和田市景観形成市民団体
(景観形成市民団体の認定)
第38条 市長は、良好な景観形成に寄与する活動を行う市民の団体又はその団体を支援しようとするNPO(特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項の特定非営利活動法人をいう。)を岸和田市景観形成市民団体(以下この条及び次条において「景観形成市民団体」という。)として認定することができる。
2 景観形成市民団体の認定の要件その他必要な事項は、規則で定める。
(活動の支援)
第39条 市長は、景観形成市民団体に対して、その主体性を尊重し、積極的な活動が行われるよう、必要な支援を行うものとする。
第3節 事業及び助成等
(事業)
第40条 市長は、良好な景観形成に係る調査、啓発活動、表彰その他必要な事業を実施するものとする。
(助成等)
第41条 市長は、良好な景観形成のために必要な行為をする者に対し、技術的援助をし、又はその行為に係る経費の一部を助成することができる。
(景観アドバイザー)
第42条 市民に対し、良好な景観形成を図るために必要な情報を提供し、相談に応じるため、岸和田市景観アドバイザーを設置する。
2 前項に定めるもののほか、岸和田市景観アドバイザーに関し必要な事項は、規則で定める。
追加〔平成25年条例16号〕、一部改正〔平成29年条例18号〕
第5章 雑則
第43条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
一部改正〔平成25年条例16号〕
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成22年10月1日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。
(準備行為)
2 法第8条第1項の景観計画の策定及び策定に関し必要な手続その他の行為は、この条例の施行の日前においても、することができる。
(経過措置)
3 この条例は、平成22年10月1日以後の法第16条第1項及び第2項の規定による届出並びに同条第5項の規定による通知に係る行為について適用し、同日前に行うこの条例による改正前の岸和田市都市景観条例(平成6年条例第2号。以下「旧条例」という。)第11条の規定による届出に係る行為については、なお従前の例による。
4 旧条例の規定により策定された都市景観形成基本計画は、この条例の規定による景観形成基本方針とみなす。
5 この条例の施行の際現に旧条例の規定による岸和田市都市景観審議会の委員、岸和田市環境デザイン委員会の委員及び景観アドバイザーである者は、それぞれこの条例の規定による岸和田市景観審議会の委員、岸和田市環境デザイン委員会の委員及び岸和田市景観アドバイザーとみなす。この場合において、これらの委員等の任期は、それぞれ旧条例の規定によって委嘱した委員等の任期の残任期間とする。
6 旧条例の規定により認定を受けた景観形成市民団体は、この条例の規定による岸和田市景観形成市民団体とみなす。
(特別職の職員で非常勤の者の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
(次のよう略)
附 則(平成25年3月26日条例第16号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。(後略)
附 則(平成29年3月27日条例第18号)
(施行期日)
1 この条例は、平成29年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日前に市長が別に定めるところにより指定した歴史的まちなみ保全地区及び策定した保全計画については、この条例の規定による改正後の岸和田市景観条例第30条第2項により市長が指定した保全地区及び策定した保全計画とみなす。
附 則(平成30年3月27日条例第18号)
この条例は、平成30年4月1日から施行する。