○いわき市再生可能エネルギー発電施設の適正な導入及び管理に関する条例
令和7年6月30日いわき市条例第27号
いわき市再生可能エネルギー発電施設の適正な導入及び管理に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーの利用を推進するに当たって、市内の再生可能エネルギー発電施設の適正な導入及び管理に関して、基本理念を定め、並びに市、事業者、土地所有者等及び市民の責務を明らかにするとともに、再生可能エネルギー発電設備の設置等について必要な事項を定めることにより、事業者による適正な設置及び管理を促し、もって自然環境及び生活環境(以下「自然環境等」という。)の保全、地域との調和及び共生並びに災害の防止を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 再生可能エネルギー発電設備 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号。第8条第1項第1号において「法」という。)第2条第2項に規定する再生可能エネルギー発電設備をいう。
(2) 事業 再生可能エネルギー発電設備の設置、当該設備を設置するために行われる土地の形質の変更(立木竹の伐採を含む。)及び当該設備により発電を行う事業をいう。
(3) 事業区域 事業を行う土地の区域であって、柵、塀その他の工作物の設置その他の方法により当該土地以外の土地と区別された区域をいう。
(4) 事業者 事業を計画し、これを行う個人及び法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)をいう。
(5) 地域住民等 事業区域の全部又は一部が所在する地縁による団体(地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2第1項に規定する地縁による団体をいう。)の区域に居住する個人及び当該区域に所在する法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)をいう。
(6) 土地所有者等 事業区域内に存する土地の所有者、占有者又は管理者をいう。
(基本理念)
第3条 本市の豊かな自然環境及び安全安心な生活環境は、市民の長年にわたる努力により形成されてきたかけがえのない財産であり、その恩恵を将来の世代に継承できるようその保全及び活用が図られなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、自然環境等の保全及び災害の防止のため、市内の再生可能エネルギー発電施設が適正に導入され、及び管理されるよう必要な措置を講ずるものとする。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、関係法令及び条例を遵守するとともに、自然環境等の保全及び災害の防止のため、再生可能エネルギー発電設備及び事業区域の適正な管理を行わなければならない。
2 事業者は、地域住民等との良好な関係を構築するよう努めなければならない。
3 事業者は、事業を終了しようとするときは、再生可能エネルギー発電設備を放置することなく速やかに撤去し、事業区域に係る土地を原状に回復するよう努めなければならない。
(土地所有者等の責務)
第6条 土地所有者等は、事業区域内に存する自らが所有し、占有し、又は管理する土地を適正に管理するとともに、この条例に基づいて行う市の措置に協力するよう努めなければならない。
(市民の責務)
第7条 市民は、この条例に基づいて行う市の施策及び措置に協力するよう努めなければならない。
(適用を受ける事業)
第8条 この条例の規定は、発電出力10キロワット以上の事業(次に掲げる事業を除く。)に適用する。
(1) 建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。)の屋根、屋上又は壁面に設置した再生可能エネルギー発電設備(太陽光を再生可能エネルギー源(法第2条第3項に規定する再生可能エネルギー源をいう。)とするものに限る。次号において同じ。)により行う事業
(2) 個人が自己の居住する土地及び当該土地に隣接する土地に設置した再生可能エネルギー発電設備により行う発電出力50キロワット未満の事業
(3) 再生可能エネルギー発電設備で発電した全ての電気を事業区域又は当該事業区域に隣接する土地において事業者自らが利用する事業
(4) 海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に関する法律(平成30年法律第89号)第2条第2項に規定する海洋再生可能エネルギー発電設備により行う事業
2 発電出力10キロワット未満の事業を複数実施する場合であって、事業者及び事業区域に一体性が認められるときは、前項の規定の例による。
(事業計画の概要に関する書類の提出)
第9条 事業者は、事業を実施しようとするときは、当該事業に係る計画の概要に関する書類を作成し、市長が規則で定める書類を添えて、市長が別に定める日までに市長に提出しなければならない。
2 事業者は、事業の変更(市長が規則で定める軽微な変更を除く。第11条第2項及び第14条第2項において同じ。)を行おうとするときは、当該事業の変更の概要に関する書類を作成し、市長が別に定める日までに市長に提出しなければならない。
(受理の通知)
第10条 市長は、前条第1項の事業に係る計画の概要に関する書類又は同条第2項の事業の変更の概要に関する書類の提出があったときは、事業者に通知するものとする。
2 市長は、前項の規定による通知に意見を付すことができる。
3 次条第1項又は第2項の規定による説明会の開催は、第1項の規定による通知後に行うよう努めなければならない。
(説明会の開催)
第11条 事業者は、事業を実施しようとするときは、第14条第1項の規定による届出を行う前に、地域住民等に対し、当該事業の計画に関する説明会を開催しなければならない。
2 事業者は、事業の変更を行おうとするときは、第14条第1項又は第2項の規定による届出を行う前に、地域住民等に対し、当該事業の変更に関する説明会を開催しなければならない。
3 事業者は、前2項の規定により説明会を開催しようとするときは、市長が規則で定めるところにより、地域住民等に対し、当該説明会の開催を周知しなければならない。
4 事業者は、市長が規則で定めるところにより、事業に係る地域住民等の意見の聴取及び当該意見に対する回答を行わなければならない。
5 前項の場合において、事業者は、事業に対する地域住民等の理解を得るよう努めなければならない。
6 事業者は、第1項又は第2項の規定により説明会を開催したときは、第14条第1項又は第2項の規定による届出を行う前に、当該説明会の報告書を作成し、第4項の意見及び回答に係る書類を添えて、市長に提出しなければならない。
(説明会の開催の特例)
第12条 前条第1項又は第2項の規定にかかわらず、市長は、市長が規則で定めるところにより、説明会の開催を省略させることができる。
2 市長は、前項の規定により説明会の開催を省略させるときは、事業者に対し、その旨を通知するものとする。
(三者協定)
第13条 市長は、事業が市長が規則で定める場合に該当するときは、事業者に対し、市長及び地域住民等の代表者との間で、事業の管理運用に係る協定(以下この条において「三者協定」という。)を書面により締結するよう要請するものとする。
2 事業者は、前項の規定による要請があったときは、三者協定を締結するよう努めなければならない。
3 事業者は、三者協定を締結した場合であって、次条第2項の規定による届出を行ったときは、市長及び地域住民等の代表者と協議の上、必要に応じて当該三者協定を変更しなければならない。
4 事業者は、三者協定を締結した場合であって、再生可能エネルギー発電設備を第三者に貸し付けようとするときは、当該第三者に対し、当該三者協定を遵守させなければならない。
5 三者協定は、締結の日以後に事業の譲渡、合併若しくは分割又は相続により事業者の地位を承継した者に対しても、その効力があるものとする。
(工事の着手等の届出)
第14条 事業者は、再生可能エネルギー発電設備の設置に関する工事(以下この条において「工事」という。)を行うときは、工事に着手する日の30日前までに、市長が規則で定める書類を添えて、その旨を市長に届け出なければならない。
2 事業者は、事業の変更を行おうとするときは、当該事業の変更後の工事に着手する日の30日前までに、市長が規則で定める書類を添えて、その旨を市長に届け出なければならない。
3 事業者は、工事を中止し、若しくは廃止し、又は中止した工事を再開したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
4 事業者は、工事を完了したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
5 市長は、前項の規定による届出があったときは、当該届出の内容が第1項又は第2項の規定による届出の内容に適合するかどうかを確認するものとする。
(維持管理等)
第15条 事業者は、再生可能エネルギー発電設備及び事業区域を常時安全かつ適正な状態に保つよう維持管理しなければならない。
2 事業者は、災害その他の事由により事業区域内又はその周辺において環境の保全上の支障が生じたときは、速やかに当該支障の除去のために必要な措置を講ずるとともに、その旨を市長に報告しなければならない。
(氏名等の変更及び地位の承継の届出)
第16条 事業者は、氏名又は住所(法人その他の団体にあっては、その名称、代表者の氏名又は主たる事務所の所在地)を変更したときは、市長が規則で定める書類を添えて、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
2 事業の譲渡、合併若しくは分割又は相続により事業者の地位を承継した者は、市長が規則で定める書類を添えて、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(事業の終了に関する届出等)
第17条 事業者は、事業区域内の全ての再生可能エネルギー発電設備の発電を終了したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
2 事業者は、事業区域内の全ての再生可能エネルギー発電設備の撤去が完了したときは、市長が規則で定める書類を添えて、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
3 市長は、前項の規定による届出があったときは、当該再生可能エネルギー発電設備が設置されていた区域の状況を確認するものとする。
(指導又は助言)
第18条 市長は、必要があると認めるときは、事業者に対し、必要な措置を講ずるよう指導又は助言を行うことができる。
(報告の徴収)
第19条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、事業者に対し、事業に関する報告又は資料の提出を求めることができる。
(立入検査等)
第20条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、事業区域その他事業と密接な関連を有する場所に立ち入り、再生可能エネルギー発電設備その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査又は質問を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(勧告)
第21条 市長は、事業者が次の各号のいずれかに該当すると認められるときは、当該事業者に対して、期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
(1) 第9条第1項の事業に係る計画の概要に関する書類若しくは同条第2項の事業の変更の概要に関する書類を提出せず、又は虚偽の記載をして提出したとき。
(2) 第11条第1項若しくは第2項の説明会を開催せず、又は同条第6項の報告書を提出せず、若しくは虚偽の記載をして提出したとき。
(3) 第14条第1項から第4項までの規定による届出を行わず、又は虚偽の届出を行ったとき。
(4) 第15条第2項の規定による報告を行わず、又は虚偽の報告を行ったとき。
(5) 第16条第1項若しくは第2項の規定による届出を行わず、又は虚偽の届出を行ったとき。
(6) 第18条の指導又は助言に正当な理由なく従わないとき。
(7) 第19条の規定による報告若しくは資料の提出を行わず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出を行ったとき。
(8) 前条第1項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に回答せず、若しくは虚偽の回答を行ったとき。
(国等への通報)
第22条 市長は、事業者が事業の実施に関し法令に違反している疑いがあると認められるときは、当該事業者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地。次項及び次条第1項において同じ。)並びに当該法令違反の内容を国その他の関係機関に通報するものとする。
2 市長は、前条の規定による勧告を受けた事業者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、当該事業者の氏名及び住所並びに当該勧告の内容を国その他の関係機関に通報するものとする。
(公表)
第23条 市長は、第21条の規定による勧告を受けた事業者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、当該事業者の氏名及び住所並びに当該勧告の内容を公表することができる。
2 市長は、前項の規定により公表しようとするときは、当該事業者に対し、あらかじめ、意見を述べる機会を与えるものとする。ただし、当該事業者が正当な理由なく意見の聴取に応じないとき、又は当該事業者の所在が不明であるときは、この限りでない。
(委任)
第24条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、令和7年10月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(次項において「施行日」という。)前に再生可能エネルギー発電設備の設置に関する工事に着手した者(次項において「既存事業者」という。)については、この条例の規定(第5条、第8条、第15条から第20条まで、第21条(第1号から第3号までに係る部分を除く。)、第22条及び第23条の規定を除く。)は、適用しない。
3 既存事業者は、施行日から30日を経過した日以後に市長が規則で定める事業の変更を行ったときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(検討)
4 市長は、自然環境等の保全、地域との調和及び共生並びに災害の防止を図る観点から、おおむね3年ごとに、この条例の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附 則(令和8年3月26日いわき市条例第16号)
この条例は、令和8年4月1日から施行する。