○いわき市の景観を守り育て創造する条例
平成12年8月25日いわき市条例第70号
いわき市の景観を守り育て創造する条例
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 景観形成基本計画(第6条)
第3章 市の景観形成施策
第1節 景観形成重点地区(第7条―第16条)
第2節 大規模行為(第17条―第24条)
第3節 景観重要建築物等(第25条―第28条)
第4節 既存施設等に対する要請(第29条)
第5節 公共事業に関する景観形成(第30条)
第6節 顕彰(第31条)
第4章 自主的な景観形成活動
第1節 沿道修景協定(第32条)
第2節 景観まちづくり市民団体(第33条・第34条)
第3節 景観推進員(第35条)
第5章 いわき市景観審議会(第36条―第38条)
第6章 雑則(第39条)
第7章 罰則(第40条・第41条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本市の景観形成について、市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、良好な自然景観を守り、文化的な景観を育て、及び美しく魅力のある景観を創造し、もって潤いと安らぎのある豊かな生活環境の確保に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 景観形成 良好な景観を保全し、育成し、又は創造することをいう。
(2) 建築物等 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物(以下「建築物」という。)及び擁壁、煙突、広告塔、高架水槽、観覧車、コンクリートプラント、石油貯蔵施設、ごみ処理施設等の工作物で規則で定めるもの(以下「工作物」という。)をいう。
(3) 大規模行為 次に掲げる行為をいう。
ア 建築物等で、その高さ又は面積が規則で定める高さ又は面積を超えるもの(以下「大規模建築物等」という。)の新築、改築、増築又は移転(改築又は増築の後において、その高さ又は面積が規則で定める高さ又は面積を超えるものとなる場合における改築又は増築を含む。)
イ 大規模建築物等の外観の模様替え又は色彩の変更
ウ 土地の区画形質の変更(水面の埋立て又は干拓を含む。以下同じ。)で、変更に係る土地の面積が規則で定める面積を超えるもの又は規則で定める規模を超える法面(擁壁が設置される部分を含む。以下同じ。)を生ずるもの
エ 鉱物の掘採又は土石の類の採取で、地形の外観の変更に係る土地の面積が規則で定める面積を超えるもの又は規則で定める規模を超える法面を生ずるもの
オ 屋外における物品の集積又は貯蔵で、その高さ又はその用に供される土地の面積が規則で定める高さ又は面積を超えるもの
(市の責務)
第3条 市は、景観形成に関する施策を策定し、及びこれを推進する責務を有する。
(事業者の責務)
第4条 事業者は、その事業活動の景観に与える影響が大きいことを認識し、自ら景観形成を図るために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、市が推進する景観形成に関する施策に協力する責務を有する。
(市民の責務)
第5条 市民は、自らが景観形成の主体であることを認識し、自ら景観形成に努めるとともに、市が推進する景観形成に関する施策に協力する責務を有する。
第2章 景観形成基本計画
第6条 市長は、景観形成に関する施策について、基本となる方針及び計画的に推進するための方策を明らかにした計画(以下「景観形成基本計画」という。)を定めなければならない。
2 市長は、景観形成基本計画を定めようとするときは、あらかじめ、いわき市景観審議会の意見を聴かなければならない。
3 市長は、景観形成基本計画を定めたときは、速やかに、これを公表しなければならない。
4 前2項の規定は、景観形成基本計画の変更について準用する。
第3章 市の景観形成施策
第1節 景観形成重点地区
(景観形成重点地区の指定等)
第7条 市長は、景観形成を図る上で重要な地区を景観形成重点地区として指定することができる。
2 市長は、景観形成重点地区を指定しようとするときは、あらかじめ、その旨を公告し、その指定の案を、当該公告の日の翌日から起算して2週間、公衆の縦覧に供しなければならない。
3 市長は、前項の規定による公告を行うときは、あらかじめ、景観形成重点地区の指定の趣旨及び内容を周知させるための説明会を開催しなければならない。
4 第2項の規定による公告があったときは、当該公告に係る地区の住民並びに当該地区に存する土地の所有者及び当該地区に存する土地について地上権、賃借権その他の土地を使用する権利を有する者は、同項に規定する縦覧期間満了の日までに、同項の指定の案について市長に意見書を提出することができる。
5 市長は、景観形成重点地区を指定するに当たっては、いわき市景観審議会の意見を聴かなければならない。この場合において、市長は、前項の意見書の提出があったときは、その内容の要旨をいわき市景観審議会に報告しなければならない。
6 市長は、景観形成重点地区を指定したときは、その旨及びその区域を告示し、その関係図書を公衆の縦覧に供しなければならない。
7 第2項から前項までの規定は、景観形成重点地区の区域の変更及び指定の解除について準用する。
(地区景観基本計画)
第8条 市長は、景観形成重点地区を指定するときは、景観形成基本計画に基づき、当該地区における景観形成に関し基本となる計画(以下「地区景観基本計画」という。)を定めなければならない。
2 前条第2項から第6項までの規定は、地区景観基本計画の決定、変更及び廃止について準用する。この場合において、同条第6項中「その旨及びその区域」とあるのは、「その旨」と読み替えるものとする。
(地区景観形成基準)
第9条 市長は、景観形成重点地区を指定するときは、地区景観基本計画に基づき、当該地区における景観形成のための基準(以下「地区景観形成基準」という。)を定めなければならない。
2 地区景観形成基準には、次に掲げる事項のうち、地区景観基本計画を達成するために必要な事項を定めるものとする。
(1) 建築物等の位置、規模、形態、意匠、色彩及び素材並びに敷地の緑化に関する事項
(2) 土地の区画形質の変更後における土地の形状及び当該土地の緑化並びに当該変更に伴い生ずる法面の外観に関する事項
(3) 鉱物の掘採又は土石の類の採取に係る土地の区域の遮へい並びに当該掘採又は採取の跡地の形状及び当該跡地の緑化に関する事項
(4) 屋外における物品の集積又は貯蔵の方法及び集積され、又は貯蔵された物品の遮へいに関する事項
(5) 木竹の伐採及び当該伐採の跡地の緑化に関する事項
(6) 前各号に掲げるもののほか、景観形成に関し必要な事項
3 第7条第2項から第6項までの規定は、地区景観形成基準の決定、変更及び廃止について準用する。この場合において、同条第6項中「その旨及びその区域」とあるのは、「その旨」と読み替えるものとする。
(地区景観形成基準の遵守)
第10条 景観形成重点地区において次条第1項各号に掲げる行為をしようとする者は、当該行為を地区景観形成基準に適合させるよう努めなければならない。
(行為の届出)
第11条 景観形成重点地区において次に掲げる行為をしようとする者は、その内容を市長に届け出なければならない。
(1) 建築物等の新築、改築、増築又は移転
(2) 建築物等の外観の模様替え又は色彩の変更
(3) 土地の区画形質の変更
(4) 鉱物の掘採又は土石の類の採取
(5) 屋外における物品の集積又は貯蔵
(6) 木竹の伐採
2 前項の規定による届出は、同項各号に掲げる行為に着手する日の30日前までに、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した届出書を提出して行わなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 行為の種類
(3) 行為の場所
(4) 行為に着手する日
(5) 行為の内容に関する次に掲げる事項
ア 建築物に係る前項第1号又は第2号に掲げる行為にあっては、用途、高さ、敷地面積、建築面積、延べ面積、構造、外観の仕上げ材料、形態、意匠、色彩、敷地の緑化の方法及び外観の模様替え又は色彩の変更の面積(同項第2号に掲げる行為の場合に限る。)
イ 工作物に係る前項第1号又は第2号に掲げる行為にあっては、種類、高さ、築造面積、表示面積(広告塔、広告板その他これらに類するものに係る行為の場合に限る。)、構造(形態及び意匠を含む。)、色彩、敷地の緑化の方法及び外観の模様替え又は色彩の変更の面積(同項第2号に掲げる行為の場合に限る。)
ウ 前項第3号に掲げる行為にあっては、目的、面積、変更後における土地の形状及び当該土地の緑化の方法並びに変更に伴い生ずる法面の外観、高さ及び長さ
エ 前項第4号に掲げる行為にあっては、目的、面積、法面の高さ及び長さ、掘採又は採取に係る土地の区域の遮へいの方法並びに掘採又は採取の跡地の形状及び当該跡地の緑化の方法
オ 前項第5号に掲げる行為にあっては、目的、種類、高さ、面積、物品の集積又は貯蔵の方法及び集積され、又は貯蔵された物品の遮へいの方法
カ 前項第6号に掲げる行為にあっては、目的、伐採種別、樹種、伐採面積、木竹の高さ及び伐採の跡地の緑化の方法
3 第1項の規定による届出をした者が、当該届出に係る第14条第1項の指導若しくは助言又は同条第2項の規定による通知(以下この条において「指導等」という。)を受けた場合において、その者が当該届出に係る指導等を受けた日以後、当該届出をした日から起算して30日を経過する日までの間に当該指導等に係る第1項各号に掲げる行為に着手したときは、当該届出は、前項に規定する期限までにされたものとみなす。
4 第1項の規定による届出をした者は、当該届出に係る第2項第5号に掲げる事項を変更しようとするときは、規則で定めるところにより、変更に係る行為に着手する日の30日前までに、その内容を市長に届け出なければならない。ただし、第14条第1項の指導若しくは助言又は同条第3項の規定による勧告に従うことにより変更を生ずるときは、この限りでない。
5 第3項の規定は、前項本文の規定による届出をした者が当該届出に係る指導等を受けた場合について準用する。この場合において、第3項中「第1項各号に掲げる行為」とあるのは、「変更に係る行為」と読み替えるものとする。
6 第1項の規定による届出をした者は、当該届出に係る第2項第1号若しくは第4号に掲げる事項に変更があったとき又は当該届出に係る行為を取りやめたときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。
(景観形成に及ぼす影響に関する協議)
第12条 景観形成重点地区において、前条第1項第1号又は第2号に掲げる行為のうち次に掲げる建築物等に係る行為(以下「重点地区特定行為」という。)をしようとする者は、同条第1項の規定による届出(当該届出をした後にその行為の内容を変更することにより重点地区特定行為となる場合にあっては、同条第4項本文の規定による届出)をする前に、規則で定めるところにより、市長に協議しなければならない。
(1) 建築物で、高さが13メートルを超えるもの又は建築面積が1,000平方メートルを超えるもの
(2) 工作物で、地盤面から当該工作物の上端までの高さが13メートルを超えるもの又は築造面積が1,000平方メートルを超えるもの
2 市長は、前項の規定による協議があった場合において、景観形成を図る上で必要があると認めるときは、当該協議をした者に対し、規則で定めるところにより、当該協議に係る重点地区特定行為が景観形成に及ぼす影響に関する調査を行うことを求めることができる。
(適用除外)
第13条 前2条の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。
(1) 非常災害のために必要な応急措置として行われる行為
(2) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で、景観形成重点地区における景観形成を図る上で支障を及ぼすおそれが少ないものとして規則で定めるもの
(3) 法令に基づく許可、認可、認定又は届出に係る行為で、次に掲げるもの
ア 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第43条第1項本文又は第125条第1項本文の許可及び同法第43条の2第1項本文、第81条第1項本文又は第127条第1項本文の規定による届出に係る行為
イ 福島県立自然公園条例(昭和33年福島県条例第23号)第10条第3項又は第6項の認可、同条例第21条第3項本文の許可、同条例第31条第1項本文の規定による届出及び同条例第37条第3項又は第6項の認定に係る行為
ウ 福島県文化財保護条例(昭和45年福島県条例第43号)第11条第1項本文又は第27条第1項本文の許可及び同条例第9条第1項本文(同条例第28条において準用する場合を含む。)、第20条本文又は第21条第1項の規定による届出に係る行為
(4) 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行われる行為
(5) 農林漁業を営むために行われる土地の区画形質の変更、土石の類の採取、屋外における物品の集積若しくは貯蔵又は木竹の伐採
(6) 国、地方公共団体その他規則で定める者が行う行為
(7) この節の規定が適用されることとなった際現に着手している行為(大規模行為を除く。)
(指導又は助言、勧告及び公表)
第14条 市長は、第11条第1項又は第4項本文の規定による届出があった場合において、景観形成を図る上で必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、地区景観形成基準に基づき、必要な措置を講ずるよう、規則で定めるところにより、文書で指導又は助言をすることができる。
2 市長は、前項の指導又は助言を行う必要がないと認めるときは、第11条第1項又は第4項本文の規定による届出をした者に対し、規則で定めるところにより、その旨を文書で通知しなければならない。
3 市長は、第1項の指導を受けた者が当該指導に従わない場合において、景観形成を図る上で著しく支障があると認めるときは、当該指導に従うよう文書で勧告することができる。
4 市長は、前項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ、第1項の指導に従わない者に口頭で意見を述べ、又は意見書を提出する機会を与えなければならない。
5 市長は、第3項の規定による勧告をするに当たっては、いわき市景観審議会の意見を聴かなければならない。この場合において、市長は、前項の意見又は意見書の内容をいわき市景観審議会に報告しなければならない。
6 市長は、第3項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、規則で定めるところにより、その旨及び当該勧告の内容を公表することができる。
(行為の完了の届出)
第15条 第11条第1項又は第4項本文の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為を完了したときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。
(経過措置)
第16条 一の地区が景観形成重点地区となる前に当該地区内における行為について第19条第1項又は第4項本文の規定によりされた届出で当該届出に係る行為が完了していないものは、当該地区が景観形成重点地区となった日以後においては、第11条第1項又は第4項本文の規定によりされた届出とみなす。
2 一の地区が景観形成重点地区以外の地区となる前に当該地区内における大規模行為について第11条第1項又は第4項本文の規定によりされた届出で当該届出に係る行為が完了していないものは、当該地区が景観形成重点地区以外の地区となった日以後においては、第19条第1項又は第4項本文の規定によりされた届出とみなす。
3 一の行為が第11条第1項の規定による届出を要する行為となった日から30日以内に当該行為に着手しようとする者に対する同条第2項の規定の適用については、同項中「同項各号に掲げる行為に着手する日の30日前までに」とあるのは、「あらかじめ」とする。
第2節 大規模行為
(大規模行為景観形成基準)
第17条 市長は、景観形成基本計画に基づき、大規模行為に関する景観形成のための基準(以下「大規模行為景観形成基準」という。)を定めなければならない。
2 大規模行為景観形成基準には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 大規模建築物等の位置、規模、形態、意匠、色彩及び素材並びに敷地の緑化に関する事項
(2) 土地の区画形質の変更後における土地の形状及び当該土地の緑化並びに当該変更に伴い生ずる法面の外観に関する事項
(3) 鉱物の掘採又は土石の類の採取に係る土地の区域の遮へい並びに当該掘採又は採取の跡地の形状及び当該跡地の緑化に関する事項
(4) 屋外における物品の集積又は貯蔵の方法及び集積され、又は貯蔵された物品の遮へいに関する事項
(5) 前各号に掲げるもののほか、景観形成に関し必要な事項
3 市長は、大規模行為景観形成基準を定めるに当たっては、いわき市景観審議会の意見を聴かなければならない。
4 市長は、大規模行為景観形成基準を定めたときは、その旨を告示しなければならない。
5 前2項の規定は、大規模行為景観形成基準の変更及び廃止について準用する。
(大規模行為景観形成基準の遵守)
第18条 景観形成重点地区以外の地区において大規模行為をしようとする者は、当該大規模行為を大規模行為景観形成基準に適合させるよう努めなければならない。
(大規模行為の届出)
第19条 景観形成重点地区以外の地区において大規模行為をしようとする者は、その内容を市長に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出は、大規模行為に着手する日の30日前までに、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した届出書を提出して行わなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 大規模行為の種類
(3) 大規模行為の場所
(4) 大規模行為に着手する日
(5) 第11条第2項第5号アからオまでに掲げる事項
3 第1項の規定による届出をした者が、当該届出に係る第22条第1項の指導若しくは助言又は同条第2項において準用する第14条第2項の規定による通知(以下この条において「指導等」という。)を受けた場合において、その者が当該届出に係る指導等を受けた日以後、当該届出をした日から起算して30日を経過する日までの間に当該指導等に係る大規模行為に着手したときは、当該届出は、前項に規定する期限までにされたものとみなす。
4 第1項の規定による届出をした者は、当該届出に係る第2項第5号に掲げる事項を変更しようとするときは、規則で定めるところにより、変更に係る行為に着手する日の30日前までに、その内容を市長に届け出なければならない。ただし、第22条第1項の指導若しくは助言又は同条第2項において準用する第14条第3項の規定による勧告に従うことにより変更を生ずるときは、この限りでない。
5 第3項の規定は、前項本文の規定による届出をした者が当該届出に係る指導等を受けた場合について準用する。この場合において、第3項中「大規模行為」とあるのは、「変更に係る行為」と読み替えるものとする。
6 第1項の規定による届出をした者は、当該届出に係る第2項第1号若しくは第4号に掲げる事項に変更があったとき又は当該届出に係る大規模行為を取りやめたときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。
(景観形成に及ぼす影響に関する協議)
第20条 景観形成重点地区以外の地区において、第2条第3号ア又はイに掲げる大規模行為のうち次に掲げる建築物等に係る行為(以下「大規模特定行為」という。)をしようとする者は、前条第1項の規定による届出(当該届出をした後にその大規模行為の内容を変更することにより大規模特定行為となる場合にあっては、同条第4項本文の規定による届出)をする前に、規則で定めるところにより、市長に協議しなければならない。
(1) 建築物で、高さが31メートルを超えるもの又は延べ面積が15,000平方メートルを超えるもの
(2) 工作物で、地盤面から当該工作物の上端までの高さが31メートルを超えるもの
2 第12条第2項の規定は、前項の規定による協議について準用する。この場合において、第12条第2項中「重点地区特定行為」とあるのは、「大規模特定行為」と読み替えるものとする。
(適用除外)
第21条 前2条の規定は、次に掲げる行為に該当する大規模行為については、適用しない。
(1) 第13条第1号及び第3号から第6号までに掲げる行為
(2) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で、景観形成を図る上で支障を及ぼすおそれが少ないものとして規則で定めるもの
(3) 専ら自己の居住の用に供する一戸建ての住宅の新築、改築、増築若しくは移転又は外観の模様替え若しくは色彩の変更
(4) この節の規定が適用されることとなった際現に着手している行為
(指導又は助言、勧告及び公表)
第22条 市長は、第19条第1項又は第4項本文の規定による届出があった場合において、景観形成を図る上で必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、大規模行為景観形成基準に基づき、必要な措置を講ずるよう、規則で定めるところにより、文書で指導又は助言をすることができる。
2 第14条第2項から第6項までの規定は、前項の指導又は助言について準用する。この場合において、同条第2項中「第11条第1項又は第4項本文」とあるのは、「第19条第1項又は第4項本文」と読み替えるものとする。
(大規模行為の完了の届出)
第23条 第19条第1項又は第4項本文の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為を完了したときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。
(経過措置)
第24条 一の行為が第19条第1項の規定による届出を要する大規模行為となった日から30日以内に当該大規模行為に着手しようとする者に対する同条第2項の規定の適用については、同項中「大規模行為に着手する日の30日前までに」とあるのは、「あらかじめ」とする。
第3節 景観重要建築物等
(景観重要建築物等の指定等)
第25条 市長は、景観形成重点地区において、当該地区の景観形成を図る上で重要な価値があると認める建築物等を景観重要建築物等として指定することができる。
2 市長は、景観重要建築物等を指定しようとするときは、あらかじめ、その所有者及び権原に基づく占有者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。
3 市長は、景観重要建築物等を指定するに当たっては、いわき市景観審議会の意見を聴かなければならない。
4 市長は、景観重要建築物等を指定したときは、その旨を告示しなければならない。
5 市長は、景観重要建築物等が滅失、損傷等により景観形成上の価値を失ったときその他特別の理由があるときは、その指定を解除することができる。
6 第3項及び第4項の規定は、景観重要建築物等の指定の解除について準用する。
(現状変更行為の届出)
第26条 景観重要建築物等について次に掲げる行為をしようとする所有者等は、規則で定めるところにより、あらかじめ、その内容を市長に届け出なければならない。ただし、当該行為が第11条第1項の規定により届出がされる行為であるときは、この限りでない。
(1) 改築、増築、移転、除却又は外観の修繕
(2) 外観の模様替え又は色彩の変更
(3) 所有権その他の権利の移転又は消滅
(指導又は助言、勧告及び公表)
第27条 市長は、前条本文の規定による届出があった場合において、景観形成重点地区の景観形成を図る上で必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な措置を講ずるよう、文書で指導又は助言をすることができる。
2 第14条第2項から第6項までの規定は、前項の指導又は助言について準用する。この場合において、同条第2項中「第11条第1項又は第4項本文」とあるのは、「前条本文」と読み替えるものとする。
(支援及び助成)
第28条 市長は、景観重要建築物等が有する景観形成を図る上で重要な価値を保持するために必要があると認めるときは、その所有者等に対し、技術的な支援を行い、又は当該価値を保持するために必要な経費の一部を助成することができる。
第4節 既存施設等に対する要請
第29条 市長は、景観形成重点地区において、当該地区の景観形成を図る上で著しく支障があると認める建築物等、土地又は屋外において集積され、若しくは貯蔵された物品の所有者又は管理者に対し、当該地区の地区景観形成基準に基づき、必要な措置を講ずるよう、文書で要請することができる。
2 市長は、前項の規定による要請をするに当たっては、いわき市景観審議会の意見を聴かなければならない。
第5節 公共事業に関する景観形成
第30条 市は、公共事業の実施に当たっては、福島県景観条例(平成10年福島県条例第13号。以下「県条例」という。)第22条第1項に規定する公共事業景観形成指針に配慮するとともに、当該公共事業が実施される地域における景観形成に寄与するよう努めるものとする。
第6節 顕彰
第31条 市長は、景観形成に著しく寄与していると認める者を顕彰することができる。
2 市長は、前項の規定による顕彰をしようとするときは、あらかじめ、いわき市景観審議会の意見を聴かなければならない。
第4章 自主的な景観形成活動
第1節 沿道修景協定
第32条 市長は、沿道の景観形成を図る上で重要な地区の住民並びに当該地区に存する土地の所有者及び当該地区に存する土地について地上権、賃借権その他の土地を使用する権利を有する者に対し、市長と当該地区に係る景観形成のための協定(以下「沿道修景協定」という。)を締結するよう求めることができる。
2 沿道修景協定には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 沿道修景協定の名称、目的及びその対象となる地区に関する事項
(2) 次に掲げる事項のうち、沿道修景協定の目的を達成するために必要な事項
ア 建築物等の位置、規模、形態、意匠、色彩及び素材並びに敷地の緑化に関する事項
イ 土地の区画形質の変更後における土地の形状及び当該土地の緑化並びに当該変更に伴い生ずる法面の外観に関する事項
ウ 屋外における物品の集積又は貯蔵の方法及び集積され、又は貯蔵された物品の遮へいに関する事項
エ 街路樹の位置、樹種及び高さに関する事項
(3) 沿道修景協定の有効期間に関する事項
(4) 沿道修景協定の変更及び廃止に関する事項
(5) 前各号に掲げるもののほか、沿道修景協定の対象となる地区の景観形成に関し必要な事項
第2節 景観まちづくり市民団体
(景観まちづくり市民団体の認定)
第33条 市長は、景観形成を図ることを目的とする自主的な活動を行う団体で次の各号のいずれにも該当するものを景観まちづくり市民団体として認定することができる。
(1) その活動が活動区域における景観形成に有効であると認められる団体
(2) 主に活動区域内の住民により構成されていると認められる団体
(3) 名称、目的、活動区域、活動内容その他市長が必要と認める事項が記載された規約を有する団体
2 前項の規定による認定を受けようとする団体は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。
3 市長は、景観まちづくり市民団体が第1項各号のいずれかに該当しなくなったと認めるときその他景観まちづくり市民団体として適当でないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
(支援及び助成)
第34条 市長は、景観まちづくり市民団体の活動を促進するために必要があると認めるときは、当該景観まちづくり市民団体に対し、技術的な支援を行い、又は当該活動に要する経費の一部を助成することができる。
第3節 景観推進員
第35条 市長は、景観形成に関し熱意と識見を有する者を景観推進員として置くことができる。
2 景観推進員は、次に掲げる活動を行う。
(1) 地域における景観形成に関する情報を収集し、及び提供すること。
(2) 景観形成に関し市が行う啓発活動を支援すること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、景観形成に関し市が行う施策に協力すること。
第5章 いわき市景観審議会
(審議会の設置及び権限)
第36条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、いわき市景観審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、この条例の規定により定められた事項を審議するほか、市長の諮問に応じ、景観形成に関する事項を調査審議する。
3 審議会は、景観形成に関する事項について、市長に意見を延べることができる。
(組織)
第37条 審議会は、委員15人以内で組織する。
2 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱する。
(1) 学識経験のある者
(2) 関係行政機関の職員
(3) 前2号に掲げる者のほか、市長が必要と認める者
3 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 委員は、再任されることができる。
(委任)
第38条 この章に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が規則で定める。
第6章 雑則
(委任)
第39条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が規則で定める。
第7章 罰則
第40条 第11条第1項若しくは第4項又は第19条第1項若しくは第4項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、20万円以下の罰金に処する。
第41条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の罰金刑を科する。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、規則で定める日から施行する。ただし、第2章、第17条及び第5章の規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日から起算して60日を経過する日の翌日までに第11条第1項各号に掲げる行為又は大規模行為に着手しようとする者については、第12条第1項又は第20条第1項の規定は、適用しない。
3 この条例の施行の際現に効力を有する県条例の規定により福島県知事その他の機関がした処分その他の行為又は現に県条例の規定により福島県知事その他の機関に対してされている届出その他の行為は、この条例の相当規定によりされたものとみなす。
附 則(平成17年3月31日いわき市条例第23号)
この条例は、平成17年4月1日から施行する。
附 則(平成21年11月27日いわき市条例第38号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成23年3月31日いわき市条例第12号)
この条例は、平成23年4月1日から施行する。