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○石狩市こどもの権利条例
令和6年12月19日条例第39号
石狩市こどもの権利条例
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 こどもにとって大切な権利(第3条―第6条)
第3章 こどもの権利を保障するための役割(第7条―第10条)
第4章 こどもの意見表明と参加(第11条・第12条)
第5章 こどもの権利の侵害に関する相談と救済(第13条―第20条)
第6章 条例を推進するための仕組み(第21条―第23条)
第7章 雑則(第24条)
附則
こどもは、それぞれが一人の人間として権利の主体であり、大きな可能性を持ったかけがえのない存在です。あらゆる差別や不利益を受けることなく、夢や希望を抱き、幸せに生きる権利があります。
今、いじめや虐待、貧困などつらい状況にあるこどもがいたり、子育ての負担感や孤立感から不安を抱える保護者がいます。
石狩市のこどもたちは、自分らしく健やかに成長していくために、次のことを願っています。
・命が守られ、自分らしく成長したい
・安心して遊んだり、休んだり、学んだりしたい
・自分で考えて行動し、おとなと同じように意見を言いたい
・おとなは責任を持ってこどもを育ててほしい
・いじめや暴力、差別、虐待のない社会になってほしい
・すべての人にこどもの権利を理解してほしい
おとなは、心豊かで安心できる環境をつくり、愛情を持ってこどもを守り育てます。そして、こどもの声を聴き、意見を尊重して一緒に考え、こどものために最も良いことを一番に考える責任があります。
わたしたちは、手話が言語であることを認め合えるまち、協働しながらまちづくりを進めるまち、市民が行政活動に参加するまちに住んでいます。
こどもたちの今と未来のために石狩市は、「こどもまんなかまちづくり」の考えのもと、どのような環境に生まれ、どのような状況で育っても、身近なところに安心できる居場所や頼れる人がいて、悩みや思いを話すことができ、相手も自分も大切にしながら、すべてのこどもがいつも笑顔で暮らせるみんなにやさしいまちを目指し、この条例を定めます。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、児童の権利に関する条約(平成6年条約第2号)、日本国憲法、こども基本法(令和4年法律第77号)その他関連する法令に基づき、こどもの大切な権利が将来にわたって保障され、こどもたちが安心して自分らしく健やかに成長していくための施策を総合的に推進することを目的とします。
(ことばの意味)
第2条 この条例におけることばの意味は、次のとおりです。
(1) こども 心身の発達の過程にある者をいいます。
(2) おとな こども以外の者をいいます。
(3) 保護者 親、児童福祉法(昭和22年法律第164号)に定める里親その他親に代わりこどもを養育する者をいいます。
(4) こどもに関係する施設 児童福祉法、学校教育法(昭和22年法律第26号)、社会教育法(昭和24年法律第207号)などに定める保育所、認定こども園、児童館、学校、図書館、公民館など、こどもが育ち、学ぶために利用する施設をいいます。
第2章 こどもにとって大切な権利
(安全に安心して生きる権利)
第3条 こどもは、安全に安心して生きるために、次のことが保障されます。
(1) 命が守られ、平和で安全な環境で、安心して暮らすこと。
(2) 愛情と理解を持って育まれ、健やかに成長すること。
(3) 障がいがあることや性別などを理由とした、あらゆる差別を受けないこと。
(自分らしく成長できる権利)
第4条 こどもは、自分らしく成長するために、次のことが保障されます。
(1) 一人ひとりの能力や個性を伸ばすこと。
(2) 自分に合った方法で学ぶこと。
(3) 遊んだり、休んだりすること。
(4) こどもであることにより、不当な扱いを受けないこと。
(意見を表明し、参加する権利)
第5条 こどもは、自分の意見を表明し、自分に関わりのあることに参加するために、次のことが保障されます。
(1) 自分の考えや意見を表明することができ、大切に受け入れられること。
(2) 必要な情報を得ること。
(3) 自分に関わりのあることの決定に参加すること。
(4) いろいろな考えの人が集まって仲間になること。
(守り、守られる権利)
第6条 こどもは、自分を守り、自分が守られるために、次のことが保障されます。
(1) あらゆる権利の侵害から守られること。
(2) いじめや虐待など、あらゆる暴力から、心や体が傷つかないように守られること。
(3) プライバシーが守られること。
(4) 失敗してもやり直す機会があり、そのための支援を受けられること。
第3章 こどもの権利を保障するための役割
(おとなの役割)
第7条 おとなは、こどもの権利が保障されるように努めるものとします。
2 事業者は、仕事と子育てが両立できるような環境づくりに努めるものとします。
(保護者の役割)
第8条 保護者は、こどものために最も良いことをこどもと一緒に考えて、愛情と理解を持ってこどもを育てるものとします。
2 保護者は、安心して子育てができるように、必要な支援を受けることができます。
(こどもに関係する施設の役割)
第9条 こどもに関係する施設は、こどものために最も良いことをこどもと一緒に考え、指導や支援をしながら、保護者と連携してこどもを育てるものとします。
2 こどもに関係する施設は、こどもの年齢や個性に応じて、こどもの主体的な活動を支援するものとします。
3 こどもに関係する施設は、いじめや虐待などの防止と相談しやすい環境づくりに努めるものとします。
(市の責務)
第10条 市は、こどもの権利を保障するため、国や他の自治体、関係機関と連携して必要な施策に取り組みます。
2 市は、保護者やこどもに関係する施設がそれぞれの役割を果たすことができるように、必要な支援をします。
3 市は、こどもが自分らしく、安心して過ごすことができる居場所づくりを進めます。
第4章 こどもの意見表明と参加
(こどもの意見表明)
第11条 こどもは、自分の意見を表明することができます。
2 こどもは、意見を表明したことによる不利益を受けません。
3 こどもは、自分の意見と同じように、他の人の意見を大切にし、尊重するように努めるものとします。
4 市、おとな、こどもに関係する施設の関係者は、こどもが意見を表明しやすい環境づくりに努めるものとします。
5 市、おとな、こどもに関係する施設の関係者は、年齢や発達などの理由によって、自分の意思をうまく表現できないこどもに対して、その意思をくみ取り、必要に応じてこどもの意見を代弁するように努めるものとします。
6 市、おとな、こどもに関係する施設の関係者は、こどもに関わりのあることを決めるときはこどもの意見を聴き、その意見を尊重し、こどものために最も良いことが優先されるように考慮するものとします。
7 市は、こどもが意見を表明しやすいように、これを支援する人材の育成に努めます。
(こどもの参加)
第12条 こどもは、市民の一員として、まちづくりに参加することができます。
2 おとなは、こどもの多様な社会参加に協力するように努めるものとします。
3 こどもに関係する施設は、その施設の運営と活動にこどもの意見を取り入れたり、こどもが参加したり、決定に関わることができるように努めるものとします。
4 市は、こどもに関係する施策と計画の決定、これらの実施結果の評価などをするときは、おとなと同じように、こどもにも意見を表明できる機会を設けるように努めます。
5 市は、こどもが市政に対して意見を表明し、自ら施策の実現に関わるための多様な仕組みづくりを推進します。
6 市は、こどもが社会参加の楽しさを味わうことができるように、こどもの社会参加を促進するための人材の育成に努めます。
7 市は、こどもが利用する公共施設について、その運営にこどもの意見を取り入れたり、参加できる仕組みづくりに努めます。
第5章 こどもの権利の侵害に関する相談と救済
(こどもの権利救済委員会の設置)
第13条 市は、こどもの権利の侵害に速やかに対応し、その権利が回復できるようにするため、石狩市こどもの権利救済委員会(以下「救済委員会」という。)を置きます。
2 救済委員会の委員(以下「救済委員」という。)は、3人以内とします。
3 救済委員は、次条に定める救済委員会の職務の遂行について利害関係がなく、こどもの権利に理解が深く、豊かな経験を有する者のうちから、市長が委嘱します。
4 救済委員は、任期を3年とします。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とします。
5 救済委員は、再任されることができます。
6 市長は、救済委員が心身の故障のため職務を遂行することができないと認めるときや職務上の義務違反その他救済委員としてふさわしくない非行があると認めるときは、これを解嘱することができます。
(救済委員会の職務)
第14条 救済委員会の職務は、次のとおりとします。
(1) こどもの権利の侵害に関する相談に応じ、必要な助言や支援をすること。
(2) こどもの権利の侵害に関する救済の申立て又は自己の発意に基づき、対象となるこどもや保護者の意向を最大限尊重しながら、事実の調査や調整をすること。
(3) 前号に定める調査や調整の結果、救済委員会が必要であると認めるときは、市長に対し、市の関係機関に是正の措置を講ずるように勧告すること又はこどもに関係する制度の改善を求めるための意見を表明すること。
(4) 第2号に定める調査や調整の結果、救済委員会が必要であると認めるときは、市長に対し、市以外の関係機関に是正の措置を講ずるように要請すること(以下「是正要請」という。)を提言すること。
(相談と救済の申立て)
第15条 すべての人は、次に掲げるこどもの権利の侵害に関する事項について、救済委員会に対し、相談と救済の申立てをすることができます。
(1) 市内に居住するこどもに関するもの
(2) 市内に通勤したり、市内のこどもに関係する施設に通学、通所、利用をするこども(前号に定めるこどもを除く。)に関するもの(相談と救済の申立ての原因となった事実が市内で生じた場合に限る。)
2 救済の申立ては、文書又は口頭で行います。
(救済委員会の責務)
第16条 救済委員会は、こどもの権利の擁護者として、こどもの意見などを聴き、公正で適正に職務を遂行するように努めるものとします。
2 救済委員会は、こどものために最も良いことを実現するために関係機関と相互に連携するものとします。
(救済委員会への協力)
第17条 市は、救済委員会の独立性を尊重し、職務の遂行に協力するとともに、必要な支援をします。
2 こども、保護者、おとな、こどもに関係する施設の関係者は、救済委員会の職務に協力するように努めるものとします。
(勧告などの尊重)
第18条 市長は、救済委員会から第14条第3号に定める勧告又は意見表明があった場合は、これらを尊重し、必要な措置を講ずるものとします。
2 市長は、前項の措置について、救済委員会に報告します。
3 市長は、救済委員会から第14条第4号の定めによる是正要請の提言があった場合は、市以外の関係機関に対する是正要請をするものとします。
4 前項に定める是正要請を受けた者は、これを尊重し、必要な措置を講ずるように努めるものとします。
5 市長は、第3項に定める是正要請を受けた者に対し、その是正のために講じた措置について、報告を求めるものとします。この場合において、市長は、その内容について救済委員会に報告します。
(活動状況の報告)
第19条 救済委員会は、毎年の活動状況を市長に報告し、市長は、これを公表します。
(こどもの権利調査相談員)
第20条 救済委員会の職務の遂行を補佐するため、石狩市こどもの権利調査相談員(以下「相談員」という。)を置きます。
2 第16条の規定は、相談員について準用します。
第6章 条例を推進するための仕組み
(こどもの権利の普及啓発)
第21条 市は、市民に対し、こどもの権利の普及啓発を行います。
2 市は、こどもの権利について理解や関心を深めるために、石狩市こどもの権利月間を定めます。
3 石狩市こどもの権利月間は、毎年11月とします。
(推進計画の策定)
第22条 市は、総合的にこどもの権利を保障するため、石狩市こどもの権利推進計画(以下「推進計画」という。)を策定します。
(推進計画の進め方と評価)
第23条 市は、推進計画の進捗状況について、毎年度調査します。
2 市は、石狩市子ども・子育て会議条例(平成25年条例第23号)に定める石狩市子ども・子育て会議に調査の結果を報告し、評価や意見を求めます。
3 市は、石狩市子ども・子育て会議の評価や意見を公表し、必要に応じて改善します。
第7章 雑則
(委任)
第24条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定めます。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、令和7年4月1日から施行します。
(石狩市非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
(次のよう省略)
(石狩市子ども・子育て会議条例の一部改正)
3 石狩市子ども・子育て会議条例(平成25年条例第23号)の一部を次のように改正します。
(次のよう省略)
(準備行為)
4 この条例の施行後最初に委嘱される救済委員の選任のための手続その他この条例を施行するために必要な準備行為は、この条例の施行前においても行うことができるものとします。
(検討)
5 市は、この条例の施行後5年を目途として、この条例の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて、必要な見直しをするものとします。



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