○石狩市環境基本条例
平成12年10月4日条例第49号
石狩市環境基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条―第8条)
第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策(第9条―第35条)
第3章 環境審議会及び環境市民会議(第36条―第38条)
附則
私たちの石狩市は、日本有数の大河石狩川が日本海にとうとうと注ぐ石狩平野の西端に位置している。海と川とに代表されるこの地の自然は、はるか昔から、ここに住む人々に、生活の糧や美しい景観などの豊かな恵みをもたらし続けてくれた。
こうした自然の恵みを活かしながら、時には過酷な自然と闘いながら、石狩市は、農漁業を中心に古くから栄えてきた。さらに近年は、日本経済の伸長を背景とする石狩湾新港地域の開発等により、多様な産業が集積し、人口が急激に増加するなど、著しい発展を続けている。これに伴い、私たちの暮らしも飛躍的に便利で快適なものとなった。
しかしながら、石狩市と我が国に進歩と発展をもたらした都市化の進展や経済活動の拡大は、一方では資源の浪費や環境への負荷の増大を招いた。これらの事象は、今日、人々の身近な環境に様々な影響を及ぼすだけにとどまらず、私たちの生存基盤である地球環境さえも脅かすまでに至っている。
もとより、私たちは、恵み豊かな環境の下に、健康かつ安全で文化的な生活を享受する権利を有するとともに、この環境を将来の世代に引き継ぐ責務を担っている。
今こそ、経済活動を優先した大量生産、大量消費、大量廃棄型のこれまでの生活様式を見直し、人と多様な動植物が共存することができる、環境への負荷の少ない社会を築くために、行動を起こさなければならない。
そのためには、先人たちの営みから環境への配慮についての知恵を学んだり、子どもたちの豊かな感受性を育むなどのことを通して、市、事業者及び市民がそれぞれの役割に応じた責務を自覚し、環境の保全及び創造に向けて自ら取り組むとともに積極的に協力していくことが必要である。
このような認識の下に、私たちは、一人ひとりが主人公となって潤いと安らぎのある環境未来都市石狩を実現するとともに、これを将来の世代に継承していくことを決意し、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全、回復及び創造(以下「環境の保全及び創造」という。)について、市、事業者及び市民が協力して取り組むための基本理念を定め、並びにそれぞれの責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康かつ安全で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。第9条において同じ。)に係る被害が生ずることをいう。
(3) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全及び創造は、市民が健康かつ安全で文化的な生活を営む上で必要とする良好な環境を確保し、これを将来の世代に引き継ぐように適切に進められなければならない。
2 環境の保全及び創造は、市、事業者及び市民がそれぞれの役割に応じた責務を自覚し、三者の協働の下に自主的かつ積極的に進められなければならない。
3 環境の保全及び創造は、人と多様な動植物との共生を基調とし、生態系を適切に保全するとともに、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な循環型社会の形成に向けて適切に進められなければならない。
4 地球環境保全は、人の活動による環境への負荷が地球規模に及んでいることを市、事業者及び市民が自らの問題として認識し、それぞれの事業活動及び日常生活において積極的に推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、環境の保全及び創造に関し、市域の自然的社会的条件に応じた基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2 市は、自らの施策を実施するに当たっては、率先して環境への負荷を低減するように努めなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。
2 事業者は、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られるように必要な措置を講ずる責務を有する。
3 前2項に定めるもののほか、事業者は、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、廃棄物の発生を抑制し、及び再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。
4 前3項に定めるもののほか、事業者は、その事業活動に係る環境の保全及び創造に関する情報を自主的に提供するように努めるとともに、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全及び創造に自ら積極的に努め、及び市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。
(市民の責務)
第6条 市民は、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷を低減するように努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、市民は、環境の保全及び創造に自ら積極的に努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。
(石狩市環境白書)
第7条 市長は、毎年、環境の保全及び創造に関して講じた施策、環境の状況、環境への負荷の状況等を明らかにするため、石狩市環境白書を作成し、これを公表するものとする。
(環境月間)
第8条 市民及び事業者(以下「市民等」という。)の間に広く環境の保全及び創造についての関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全及び創造に関する活動を行う意欲を高めるため、毎年の6月を環境月間とする。
2 市は、環境月間の趣旨にふさわしい事業を実施するように努めるものとする。
第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策
(施策の基本方針)
第9条 市は、第3条に定める基本理念にのっとり、次に掲げる基本方針に基づき、環境の保全及び創造に関する施策を実施するものとする。
(1) 市民の健康と安全を守るとともに快適な生活環境を保全するため、公害を防止し、自然環境を保全するなどの措置を講ずることにより、環境の保全上の支障を未然に防止すること。
(2) 多様な野生動植物が生息できるように生態系を保全するとともに、森林、緑地、海、川、農地等の多様な自然環境及び良好な自然景観を地域の自然的社会的条件に応じて適正に保全すること。
(3) 自然の保護と回復を図るとともに、人に潤いと安らぎを与える豊かな自然との触れ合いを維持し、及び創出し、並びに地域に調和した歴史的文化的遺産を保全すること。
(4) 市、事業者及び市民の協働の下に、廃棄物の発生の抑制、多様なエネルギーの利用及び資源の効率的かつ循環的な利用を推進することにより、持続的発展が可能な社会の形成及び地球環境保全に貢献すること。
(環境基本計画)
第10条 市長は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、環境の保全及び創造に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を策定しなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全及び創造に関する総合的かつ長期的な目標
(2) 環境の保全及び創造に関する施策の基本的な方向
(3) 前2号に定めるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策の推進に必要な事項
3 市長は、環境基本計画を策定するに当たっては、あらかじめ、市民等の意見を反映することができるように必要な措置を講ずるとともに、石狩市環境審議会の意見を聴かなければならない。これを変更するときも、また同様とする。
4 市長は、環境基本計画を策定したときは、速やかに、これを公表しなければならない。これを変更したときも、また同様とする。
(施策の実施のための計画)
第11条 市長は、環境の保全及び創造に関する施策を効果的に実施するため、市が環境基本計画に基づき中期的に実施する施策に関する計画を策定しなければならない。
2 市長は、前項の計画を策定するに当たっては、あらかじめ、市民等の意見を反映することができるように必要な措置を講ずるとともに、石狩市環境審議会の意見を聴かなければならない。これを変更するときも、また同様とする。
3 市長は、第1項の計画を策定したときは、速やかに、これを公表しなければならない。これを変更したときも、また同様とする。
(環境影響評価の推進)
第12条 市は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を行う事業者が、その事業の実施に当たりあらかじめその事業に係る環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全及び創造について適正に配慮することを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
(規制的措置)
第13条 市は、公害の原因となる行為及び自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれのある行為に関し、必要な規制の措置を講ずるものとする。
2 前項に定めるもののほか、市は、環境の保全上の支障を防止するために必要な規制の措置を講ずるよう努めるものとする。
(経済的措置)
第14条 市は、市民等が行う環境への負荷の低減に資する施設の整備その他環境の保全及び創造に関する市民等の活動を促進するため、必要な経済的助成の措置を講ずるように努めるものとする。
2 市は、環境への負荷の低減を図るため特に必要があるときは、市民等に適正かつ公平な経済的負担を求める措置を講ずるものとする。
(環境の保全上の支障を防止するための施設の整備)
第15条 市は、廃棄物処理施設、下水道終末処理施設その他の環境の保全に関する公共的な施設の整備を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
2 市は、公園その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適切な整備及び適正な利用のための事業を推進するものとする。
(廃棄物の発生及び資源の消費の抑制)
第16条 市は、環境への負荷を低減し、及び資源の消費を抑制するため、廃棄物の減量化及び資源の循環的利用を促進するとともに、未利用エネルギー等の有効活用を推進するものとする。
2 市は、積雪寒冷な本市において前項に掲げる目的を達成するためには特に冬期間における対策が重要であることにかんがみ、暖房用エネルギーの消費の抑制を図るとともに環境への負荷の少ない総合的な雪対策に関する調査研究を推進するものとする。
(環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進)
第17条 市は、環境への負荷の低減に資する製品等の利用を促進するため、必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(森林、緑地、農地等の保全)
第18条 市は、多様な野生動物の生息環境を保全し、並びに大気及び水質の浄化その他の環境保全機能を維持するため、地域の特性に応じて、森林、緑地及び農地の保全並びに緑化の推進に努めるものとする。
(海浜植物の保護及び回復)
第19条 市は、市民等と協働して、海浜地域特有の気候及び風土の下に生育する海浜植物を保護し、及びその回復を図るものとする。
(水環境の保全、回復等)
第20条 市は、海域、河川等の良好な水環境及び健全な水循環機能を保全し、及びその回復を図るとともに、市民が水に親しむことができる環境を確保するものとする。
(生態系と共生する農漁業の振興等)
第21条 市は、環境への負荷が少なく、かつ、生態系と共生することができるような農漁業の振興に努めるとともに、自然資源の持続的利用を推進するものとする。
(景観の保全等)
第22条 市は、地域の自然と調和した景観及び歴史的文化的遺産を保全し、及び保存するとともに、その活用に努めるものとする。
(美観の保護、創出等)
第23条 市は、廃棄物の散乱及び不法投棄を防止するとともに、まちの美観を保護し、及び創出し、並びに清潔で衛生的なまちづくりを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
(環境の保全に関する教育、学習等)
第24条 市は、市民等が環境の保全及び創造についての理解を深めるとともに、市民等の環境の保全及び創造に関する活動を行う意欲が増進されるよう、環境の保全及び創造に関する教育及び学習の振興を図るものとする。
2 前項の場合において、市は、特に次代を担う児童及び生徒を対象とした措置を講ずるように努めるものとする。
(市民等の参加機会の確保と意見の反映)
第25条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を実施するに当たっては、市民等が参加する機会を確保するように努めなければならない。
2 市は、環境の保全及び創造に関する市民等の意見を、施策に反映させるように努めるものとする。
(自発的活動の推進)
第26条 市は、市民、事業者又はこれらが構成する団体が自発的に行う環境の保全及び創造に関する活動が推進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
(情報の収集、提供及び公開)
第27条 市は、環境の保全及び創造に関する教育及び学習並びに市民等の自発的活動の推進に資するため、環境の保全及び創造に関する必要な情報の収集、提供及び公開に努めるものとする。
(事業者の環境管理に関する取組の促進)
第28条 市は、事業者がその事業活動に伴う環境への負荷を低減するように自主的な管理を行うことを促進するため、助言その他の必要な措置を講ずるものとする。
(化学物質等に係る措置)
第29条 市は、環境の保全上の支障を防止するため、人の健康を損なうおそれのある化学物質等について情報の収集、提供その他の必要な措置を講ずるものとする。
(調査、研究、監視等の体制整備)
第30条 市は、環境の保全及び創造に関する活動の促進に資するため、必要な調査及び研究を行うものとする。
2 市は、環境の状況を迅速かつ的確に把握するため、必要な監視及び測定の体制を整備するものとする。
(協定等の締結)
第31条 市長は、事業活動に伴う環境への負荷の低減を図るため、必要に応じて、事業者と事業活動に伴う環境への負荷の低減に関する協定等を締結するものとする。
(国及び他の地方公共団体との協力等)
第32条 市は、市域外への環境への負荷の低減に努めるとともに、広域的な取組が必要とされる環境の保全及び創造に関する施策について、国及び他の地方公共団体(以下「国等」という。)と協力して、その推進に努めるものとする。
2 市は、国等が市域内の環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を実施しようとするときは、環境の保全及び創造に関する市の施策と整合を図るように国等に協力を求めるものとする。
(財政的措置)
第33条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるように努めるものとする。
(施策の推進体制の整備)
第34条 市は、市の機関相互の緊密な連携及び施策の調整を図り、環境の保全及び創造に関する施策を推進するための体制を整備するものとする。
2 市は、環境の保全及び創造に関する施策を、市民等との協働の下に推進するための体制を整備するものとする。
(地球環境保全に資する施策の推進)
第35条 市は、地球の温暖化の防止、オゾン層の保護等の地球環境保全に資する施策を積極的に推進するものとする。
2 市は、国等と連携し、環境の保全及び創造に関する情報の提供、技術の活用等により、地球環境保全に関する国際協力の推進に努めるものとする。
第3章 環境審議会及び環境市民会議
(環境審議会)
第36条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づく合議制の機関として、石狩市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議する。
(1) 環境基本計画に関すること。
(2) 環境の保全及び創造に関する基本的事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、他の条例の規定によりその権限に属せられた事項
3 審議会は、必要があると認めたときは、前項各号の事項に関し市長に建議することができる。
(組織)
第37条 審議会は、市長が委嘱する委員15人以内をもって構成する。
2 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 委員は、再任されることができる。
4 前3項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営について必要な事項は、規則で定める。
(環境市民会議)
第38条 次に掲げる事項について市民等が主体的に協議する場として、環境市民会議(以下「市民会議」という。)を置く。
(1) 環境の保全及び創造に関する施策を、市が市民等との協働の下に推進するための方策
(2) 環境の保全及び創造に関する市民等の活動を効果的に推進するための方策
2 市長は、市民会議に対し、情報の提供その他の必要な支援を行わなければならない。
3 市長は、市民会議の協議の結果を施策に反映するように努めるものとする。
4 市民会議の組織及び運営について必要な事項は、規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第7条、第3章及び次項から附則第4項までの規定は、平成13年4月1日から施行する。
(石狩市環境美化推進条例の一部改正)
(次のよう省略)
(石狩市公害防止条例の一部改正)
(次のよう省略)
(石狩市自然保護条例の一部改正)
(次のよう省略)