○葉山町土地埋立て等の規制に関する条例
平成10年3月30日条例第14号
葉山町土地埋立て等の規制に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、土砂等による土地の埋立て、盛土若しくは土砂等のたい積又は切土による環境の破壊を防止するための必要な規制を行うことにより、良好な環境を保全するとともに災害の発生を防止することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 土砂等 土砂、砂利、岩石等で、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物以外のものをいう。
(2) 埋立て等 土砂等による土地の埋立て、盛土若しくは土砂等のたい積又は切土をいう(農地の利用増進のため、埋土、盛土又は土の採取を行い農地の形質を一時的に変更する行為を含む。)。
(3) 事業主 埋立て等に係る工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自ら当該工事を施工する者をいう。
(4) 工事施工者 事業主と請負契約により埋立て等の工事を請負った者又はその下請者をいう。
(事業主等の責務)
第3条 事業主及び工事施工者は、埋立て等に係る工事を施工するに当たり、その事業及び工事方法の概要等について、周辺住民に対して周知するように努めなければならない。
2 事業主及び工事施工者は、埋立て等に係る工事を施工するに当たり、良好な環境の保全及び災害の防止に関し必要な措置を講じなければならない。
3 事業主及び工事施工者は、埋立て等に係る工事の施工に伴い苦情又は紛争が生じたときは、誠意をもって解決に当たらなければならない。
(財産権の尊重)
第4条 町は、この条例の運用に当たっては、関係者の所有権その他の権利を尊重するよう留意しなければならない。
(埋立て等の許可)
第5条 次の各号のいずれかに該当する埋立て等をしようとする事業主は、当該埋立て等に係る工事に着手する前に、町長の許可を受けなければならない。
(1) 埋立て等に係る区域の面積(以下「埋立て等の面積」という。)が500平方メートル以上となるもの
(2) 埋立て等の面積が300平方メートル以上500平方メートル未満のもののうち、当該埋立て等に係る区域に隣接する土地において、当該埋立て等をする日前1年以内に埋立て等がなされ、又はなされている場合であって、当該既になされ、又はなされている埋立て等の面積との合計が500平方メートル以上となるもの
(3) 盛土若しくはたい積又は切土の高さが1メートル以上となり、かつ、当該盛土若しくはたい積又は切土に係る土砂等の量が500立方メートル以上となるもの
2 前項の許可(以下「埋立て等の許可」という。)には、良好な環境の保全及び災害の防止上必要な条件を付することができる。この場合において、その条件は、埋立て等の許可を受けた事業主に不当な義務を課するものであってはならない。
(許可の適用除外)
第6条 前条第1項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する埋立て等については、埋立て等の許可を受けることを要しない。
(1) 他の法令(条例を含む。)の規定による許可、認可等を受け、又は届出等をして行う埋立て等。ただし、森林法(昭和26年法律第249号)第10条の2第1項又は農地法(昭和27年法律第229号)第4条第1項若しくは第5条第1項の規定による許可を受けて行うもの(同法第4条第1項第5号又は第5条第1項第3号の規定による届出をして行うものを含む。)を除く。
(2) 国、地方公共団体その他公法人が行う埋立て等
(3) 非常災害のため必要な応急措置として行う埋立て等
(許可申請の手続)
第7条 埋立て等の許可を受けようとする事業主は、次に掲げる事項を記載した申請書を町長に提出しなければならない。
(1) 事業主及び工事施工者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
(2) 埋立て等の目的
(3) 埋立て等に係る区域の位置、埋立て等の面積、盛土若しくはたい積又は切土の高さ及び土砂等の量
(4) 埋立て等に関する設計
(5) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 前項の申請書には、埋立て等に係る区域の位置図、土地登記簿謄本その他規則で定める書類を添付しなければならない。
(許可の基準)
第8条 町長は、埋立て等の許可の申請があった場合において、当該申請に係る埋立て等が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、埋立て等の許可をしてはならない。
(1) 埋立て等に係る区域及びその周辺の地域における環境を保全するため、樹木、草花等の保存その他の必要な措置が講ぜられていること。
(2) 埋立て等に係る区域及びその周辺の地域における環境を保全するため、騒音、振動、粉じん、水質汚濁等による環境の悪化の防止について必要な措置が講ぜられていること。
(3) 埋立て等に係る区域及びその周辺の地域に、いっ水、土砂等の流出等による被害が生じないよう、安全上必要な措置が講ぜられていること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、埋立て等に伴う事故を防止するために必要な措置が講ぜられていること。
2 前項各号に掲げる基準を適用するために必要な事項は、規則で定める。
(標識の設置)
第9条 埋立て等の許可を受けた事業主は、埋立て等に係る工事を施工している間、町長が指定した当該埋立て等に係る区域の土地に規則で定める標識を設置しなければならない。
(変更の許可等)
第10条 埋立て等の許可を受けた事業主は、第7条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を変更しようとするときは、町長の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする事業主は、規則で定める事項を記載した申請書を町長に提出しなければならない。
3 埋立て等の許可を受けた事業主は、第7条第1項第1号、第2号又は第5号に掲げる事項を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を町長に届け出なければならない。
4 第5条第2項及び第8条の規定は、第1項の許可について準用する。
5 第1項又は第3項の場合における次条から第13条までの規定の適用については、第1項の許可又は第3項の規定による届出に係る変更後の内容を埋立て等の許可の内容とみなす。
(許可に基づく地位の承継)
第11条 埋立て等の許可を受けた事業主について相続又は合併があったときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、埋立て等の許可を受けた事業主が有していた当該許可に基づく地位を承継する。
2 埋立て等の許可を受けた事業主から埋立て等に係る区域内の土地の所有権その他当該埋立て等に係る工事を施工する権原を取得した者(相続又は合併により取得した者を除く。)は、規則で定めるところにより町長に届け出て、当該埋立て等の許可を受けた事業主が有していた当該許可に基づく地位を承継することができる。
3 次条第2項の規定による検査がされる前に、第1項の規定により埋立て等の許可を受けた事業主が有していた当該許可に基づく地位を承継した者は、その承継した日から起算して30日以内に、その旨を町長に届け出なければならない。
(完了の届出等)
第12条 埋立て等の許可を受けた事業主は、埋立て等に係る工事を完了したときは、完了の日から起算して15日以内に、規則で定めるところにより、その旨を町長に届け出なければならない。埋立て等に係る工事を廃止したときも、同様とする。
2 町長は、前項の規定による届出があったときは、当該工事が埋立て等の許可の内容に適合しているかどうかについて検査しなければならない。
(監督処分)
第13条 町長は、埋立て等の許可に係る工事が埋立て等の許可の内容に適合していないと認めるときは、当該埋立て等の許可を受けた事業主又は工事施工者に対して、当該工事の全部若しくは一部を停止し、又は相当の期限を定めて、埋立て等の許可の内容に適合させるため必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
2 町長は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、埋立て等の許可を取り消し、又は埋立て等に係る工事の全部若しくは一部の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて、埋立て等の許可に付した条件若しくは第8条第1項各号に掲げる基準に適合させるため必要な措置を講ずべき旨を命じ、若しくは原状回復を命じ、若しくは原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置を講ずべき旨を命ずることができる。
(1) 前項の規定による勧告に従わない事業主又は工事施工者
(2) 埋立て等の許可を受けずに埋立て等に係る工事を施工した事業主又は工事施工者
(3) 偽りその他不正な手段により埋立て等の許可を受けた事業主
(違反事実の公表)
第14条 町長は、前条第2項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、その旨及び当該命令の内容を公表することができる。
(報告の徴収)
第15条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、事業主又は工事施工者に対して、埋立て等に係る工事の状況その他必要な事項に関し報告を求めることができる。
2 事業主及び工事施工者は、前項の規定により町長から報告を求められたときは、その日から起算して10日以内に報告しなければならない。
(立入調査)
第16条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、埋立て等に係る区域の土地に立ち入り、当該土地又は当該土地において施工されている埋立て等に係る工事の状況を調査させることができる。
2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(罰則)
第18条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(1) 第5条第1項又は第10条第1項の規定による許可を受けないで埋立て等に係る工事を施工した事業主
(2) 第13条第2項の規定による命令に違反した者
第19条 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
(1) 第9条の規定に違反して標識を設置しなかった事業主
(2) 第10条第3項、第11条第3項、第12条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした事業主
(3) 第15条第2項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした事業主又は工事施工者
(4) 第16条第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ、又は忌避した者
(両罰規定)
第20条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。(平成10年8月規則第26号で、同10年9月1日から施行)
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に着工された埋立て等については、この条例の規定は、適用しない。
(施行日前に着工された埋立て等の取扱い)
3 町長は、前項の規定によりこの条例の規定が適用されない埋立て等について、この条例の目的を達成するため、埋立て等を行う者と協議して、その同意を得て必要な措置を講じることができる。