○羽咋市男女が共に輝く21世紀のまちづくり条例
平成13年3月27日条例第3号
羽咋市男女が共に輝く21世紀のまちづくり条例
前文
我が国では戦後、日本国憲法に男女平等の理念がうたわれて以来、男女平等の実現に向けた様々な取組が、国際社会における取組とも連動しつつ進められてきた。平成11年6月には、男女共同参画社会基本法が施行され、女性も男性もすべての個人が、互いにその人権を尊重し、喜びも責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を充分に発揮できる男女共同参画社会の実現は、21世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置づけている。
これらの背景には、社会制度や慣行において性別による差別や固定的な性別役割分担が残っており、男女間の経済的格差も大きく、女性の人権が充分尊重されているとは言い難い状況がある。そして、そのことが地域によっては、結婚難、少子化、高齢化、人口減少、地域経済の停滞に拍車をかける要因のひとつとなっている。
本市で行った意識調査や地区公民館でのまちづくり会議などからは、家庭、地域、職場、学校、人権などにおいて問題が提起され、平成12年7月に発足した羽咋市男女が共に輝くまちづくり推進懇話会において、幅広い市民の多様な意見を集約した意見書がとりまとめられたところである。
21世紀を迎えた今、真に豊かで活力あるまちづくりを進めるためには、男女の対等なパートナーシップを実現することが必要である。本市は、この意見書を踏まえ、それを担うにふさわしいひとづくりを目指し、ここに羽咋市男女が共に輝く21世紀のまちづくり条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、男女が共に輝くまちづくりの形成に関し、基本理念を定め、市、市民及び事業者等の責務を明らかにするとともに、施策の基本的な事項を定めることによって、市民一人ひとりの個性が光り輝き、豊かで活力ある21世紀の羽咋市の実現を目指すことを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 男女共同参画社会 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会をいう。
(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため、必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(3) 事業者等 市内において公的機関、民間を問わず、又は営利、非営利を問わず事業を行う個人及び法人その他の団体をいう。
(4) ジェンダー 男女別に期待される役割やイメージなどの社会的、文化的に作られた性差のことをいう。
(5) セクシャル・ハラスメント 市民生活のあらゆる場において他の者を不快にさせる性的な言動をいう。
(6) ドメスティック・バイオレンス 夫や恋人などの親密な関係にあるパートナーからの暴力をいう。
(7) エンパワーメント 内にもっていて抑圧されていた力をひきだし、あらゆる分野で自分のことは自分で決め、行動できるよう力をつけ、発揮することをいう。
(基本理念)
第3条 男女が共に輝くまちづくりの基本理念は、次のとおりとする。
(1) 一人ひとりがその能力を充分に発揮でき、固定的な性別役割分担でなく多様な生き方が選択できる活力ある社会であること。
(2) 男女が、相互の理解と協力のもと、家庭、地域、職場、学校その他のあらゆる活動の場において平等に責任を分かち合う活力ある社会であること。
(3) あらゆる分野における政策、方針決定の場に男女の個人としての能力が尊重され、それとともに、営利、非営利を問わず新しい事業や活動が活発におこされ、男女が共に参画する活力ある社会であること。
(4) 性別による差別や、ドメスティック・バイオレンスなどの暴力がない、すべての人の人権を尊重する活力ある社会であること。
(実現すべき姿)
第4条 市、市民及び事業者等は、次の各号に掲げる事項を男女が共に輝くまちづくりにあたっての実現すべき姿とし、この達成に努めるものとする。
(1) 家庭において実現すべき姿
ア 家族のすべてが、「男らしさ」「女らしさ」という固定観念にとらわれず、相互の個性と「その人らしさ」を尊重しあう良好なパートナーシップを築くこと。
イ 「男は仕事」「女は家庭」といった性別役割分担の意識がなくなり、家事、育児、介護などは、家族みんなが関わり、喜びも責任も共に分かち合い、家族のつながりが深まること。
ウ 家族それぞれが多様な生き方を選択でき、それをみんなが認め合う充実した家庭生活が営まれること。
(2) 地域において実現すべき姿
ア 男性も女性も対等に地域活動やまちづくりに参画することにより、連帯感や満足感が得られるとともに、豊かで住みよい地域づくりに貢献できること。
イ 家族の理解と協力のもとで男女が共にボランティアやNPO(民間非営利組織)などに積極的に参加し、その中から多くの女性リーダーが育つこと。
ウ 古い慣習やしきたりにとらわれず、人権が尊重され、差別のない心豊かな地域社会がつくられること。
(3) 職場において実現すべき姿
ア 育児休業や介護休業を男女とも積極的に取得し、仕事と家庭がゆとりをもって両立できるようになること。
イ 採用、配置、賃金、昇進などの男女格差が解消されることにより、個人の能力、個性、意欲などが充分に発揮される、生き生きとした職場になること。
ウ 管理職の男女比が均衡し、行政における政策決定や、農業、商業などのあらゆる産業分野における経営方針決定に男女の共同参画が進んでいくこと。
エ 営利、非営利を問わず、積極的な起業が男女によって行われ、豊かで活力あるまちづくりが着実に進むこと。
(4) 学校において実現すべき姿
ア 「男の子らしく」「女の子らしく」ではなく、個性と能力を尊重する教育が進むこと。
イ 人権教育が進み、人を思いやる心が育つこと。
ウ 進学や就職などでは、ジェンダーにとらわれない個人の能力や適性を考慮した進路指導が行われること。
(5) 人権擁護において実現すべき姿
ア ドメスティック・バイオレンスを含む女性に対するあらゆる形態の暴力を防止し被害者を安全に保護すること。
イ だれもが性別を理由とする差別を受けないこと。
(市の責務)
第5条 市は、男女共同参画社会の実現に向けた総合的な施策を策定し、これを計画的に実施しなければならない。
2 市は、男女共同参画に関する施策の策定及び実施にあたっては、男女が共に輝くまちづくりの共同のパートナーとして市民の意見が尊重されるようにしなければならない。
(市民の責務)
第6条 市民は、男女共同参画について理解を深め、相互に協力し、あらゆる分野において、自ら進んで男女共同参画社会の形成に努力しなければならない。
2 市民は、男女が共に輝くまちづくりの共同のパートナーとして市が実施する男女共同参画に関する施策に積極的に協力するものとする。
(事業者等の責務)
第7条 事業者等は、その事業活動に関し、男女共同参画社会の実現に努めなければならない。
2 事業者等は、男女が共に輝くまちづくりの共同のパートナーとして男女共同参画に関する市の施策に積極的に協力するものとする。
(行動計画の策定等)
第8条 市は、男女共同参画社会の実現のため、具体的な施策体系としての羽咋市男女が共に輝くまちづくり行動計画(以下「行動計画」という。)を策定するものとする。
2 市は、行動計画を策定又は変更するときは、男女が共に輝くまちづくりの共同のパートナーとして、市民の意見を尊重するものとする。
(相談所の設置)
第9条 市は、ドメスティック・バイオレンスを含むあらゆる暴力やセクシャル・ハラスメントの防止及び被害者の保護のために相談所を設置するものとする。
2 市は、前項の目的を達成するため、市内外の行政機関や民間団体と積極的に連携するものとする。
(男女共同参画促進の支援)
第10条 市は、男女が共に輝くまちづくりの共同のパートナーとして、女性のエンパワーメントを目指す事業や積極的改善措置等、市民や事業者等が行う男女共同参画社会の実現に向けた取組に対し、積極的な支援を行うものとする。
(実施状況の年次報告)
第11条 市は、毎年の施策の実施状況及び成果を市民に公表しなければならない。
(推進委員会)
第12条 市は、男女が共に輝くまちづくりを推進するため、羽咋市男女共同参画推進委員会(以下「推進委員会」という。)を設置する。
2 推進委員会は、男女が共に輝くまちづくりに関し、市長の諮問に応じ、調査、審議し、答申するものとする。
3 推進委員会は、男女が共に輝くまちづくりに関し、市長に随時建議するものとする。
4 推進委員は、委員20名以内をもって組織する。
5 推進委員は、市民、各種団体の代表者、学識経験者等から市長が委嘱する。
6 推進委員は、男女が共に輝くまちづくりに関し、意見、苦情等の情報収集、普及活動等を行う。
7 推進委員の男女の一方の委員の数は、委員総数の10分の4未満であってはならない。
8 推進委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、推進委員に欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(その他)
第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
この条例は、平成13年4月1日から施行する。