○福島市受動喫煙防止条例
令和2年6月19日条例第47号
福島市受動喫煙防止条例
受動喫煙は、がんや虚血性心疾患、脳卒中等の発症など、健康に悪影響を与えることが科学的に明らかとなっており、望まない受動喫煙を防止するために、健康増進法が平成30年7月に改正され、施設の類型・場所ごとに講ずべき対策などが定められた。
また、IOCとWHOは、たばこのないオリンピックを目指していることから、本市は東京2020オリンピック競技大会の開催都市として、当該大会の開催を契機に、受動喫煙防止対策を強化するとともに、その取組をレガシーとして継続していく必要がある。
このような認識の下に、望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進することにより、市民等一人ひとりが他人の健康にも配慮し、望まない受動喫煙を生じさせることのない地域社会の実現を目指してこの条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、健康増進法(平成14年法律第103号。以下「法」という。)に定めるもののほか、受動喫煙の防止に関し必要な事項を定めることにより、受動喫煙による市民等の健康への悪影響を未然に防止し、もって市民等の健康増進を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) たばこ たばこ事業法(昭和59年法律第68号)第2条第3号に掲げる製造たばこであって、同号に規定する喫煙用に供されるもの及び同法第38条第2項に規定する製造たばこ代用品をいう。
(2) 喫煙 人が吸入するため、たばこを燃焼させ、又は加熱することにより煙(蒸気を含む。次号において同じ。)を発生させることをいう。
(3) 受動喫煙 人が他人の喫煙によりたばこから発生した煙にさらされることをいう。
(4) 市民等 市内に居住し、勤務し、在学し、若しくは滞在し、又は市内を通過する者をいう。
(5) 保護者 親権を行う者その他の者で、20歳未満の者を現に監護するものをいう。
(6) 事業者 市内において事業を行う個人及び法人その他の団体をいう。
(市の責務)
第3条 市は、この条例の目的を達成するため、受動喫煙の防止に関し必要な施策を推進しなければならない。
2 市は、市民等、保護者、事業者及び多数の者が利用する施設(敷地を含む。以下「施設」という。)の管理権原者(施設の管理について権原を有する者をいう。以下同じ。)の受動喫煙の防止に関する取組を促進するため、科学的根拠に基づいた情報の提供、普及啓発その他の必要な支援を行わなければならない。
3 市は、市民等、保護者、事業者及び施設の管理権原者と連携し、及び協力して受動喫煙の防止に関する施策を推進しなければならない。
4 市は、自ら設置し、又は管理する施設について、受動喫煙が生じないよう、受動喫煙の防止に関する適切な措置を講じなければならない。
(市民等の責務)
第4条 市民等は、受動喫煙による健康への悪影響について理解を深めるとともに、他人に受動喫煙を生じさせることのないよう努めなければならない。
2 市民等は、市が実施する受動喫煙の防止に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(保護者の責務)
第5条 保護者は、その監護する20歳未満の者に対し、受動喫煙による健康への悪影響を未然に防止するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、受動喫煙による健康への悪影響について理解を深めるとともに、事業を行うに当たっては、受動喫煙が生じないよう、受動喫煙を防止するための環境の整備に取り組むよう努めなければならない。
2 事業者は、市が実施する受動喫煙の防止に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(教育等における情報提供)
第7条 市は、学校教育その他の場において、喫煙及び受動喫煙の有害性並びに受動喫煙の防止に関する情報の提供、普及啓発その他の必要な支援を行わなければならない。
(市が設置管理する施設における受動喫煙の防止)
第8条 何人も、市が設置し、又は管理する施設(第10条第1項に規定する受動喫煙防止重点区域内の当該施設を除く。以下この条において同じ。)のうち、法第28条第5号に規定する第1種施設においては、当該施設で喫煙をしてはならない。
2 何人も、市が設置し、又は管理する施設のうち、法第28条第6号に規定する第2種施設であって、当該施設に市長が規則で定める要件を満たす場所を有するものにおいては、当該施設(法第40条に規定する場所及び市長が規則で定める施設の特に指定する場所を除く。)で喫煙をしてはならない。
3 市長は、前項の場合において、規則で施設を定め、及び場所を指定するに当たっては、当該施設の性質、設置目的、立地環境、受動喫煙の防止のための取組状況等を勘案しなければならない。
4 何人も、市が設置し、又は管理する施設のうち、第1項及び第2項に規定する施設以外の施設(市長が規則で定める施設を除く。)においては、当該施設に遊具が設置されている場合又は当該施設を利用する子どもが周囲にいる場合には、喫煙をしてはならない。
5 市長は、第1項に規定する施設において、法第28条第13号に規定する特定屋外喫煙場所(次条において「特定屋外喫煙場所」という。)を設けないものとする。
(市以外の者が設置管理する児童福祉施設、学校等における受動喫煙の防止)
第9条 保育所、幼稚園、小学校、中学校、高等学校その他市長が規則で定める施設(市が設置し、又は管理する施設を除く。)の管理権原者は、当該施設において、特定屋外喫煙場所を設けないよう努めなければならない。
(受動喫煙防止重点区域の指定等)
第10条 市長は、福島駅東口駅前広場及びその周辺並びに福島駅西口駅前広場のうち、特に受動喫煙の防止を図る必要があると認める区域を、重点的に受動喫煙を防止する区域(以下「受動喫煙防止重点区域」という。)として指定することができる。
2 市長は、前項の規定により受動喫煙防止重点区域を指定したときは、その旨を告示しなければならない。
(受動喫煙防止重点区域の変更等)
第11条 市長は、必要があると認めたときは、受動喫煙防止重点区域の指定を変更し、又は解除することができる。
2 市長は、前項の規定により受動喫煙防止重点区域の指定を変更し、又は解除したときは、その旨を告示しなければならない。
(受動喫煙防止重点区域における喫煙の制限等)
第12条 何人も、受動喫煙防止重点区域内において喫煙をしてはならない。ただし、次項の指定喫煙所で喫煙をする場合は、この限りでない。
2 市長は、指定喫煙所(受動喫煙防止重点区域内又はその周辺において受動喫煙を防止するために必要な措置が講じられた喫煙をすることができる場所をいう。)を設けることができる。
(指導及び命令)
第13条 市長は、前条第1項の規定に違反した者に対し、喫煙の中止を指導することができる。
2 市長は、前項の規定による指導に従わない者に対し、喫煙の中止を命ずることができる。
(受動喫煙防止指導員)
第14条 市長は、前条の規定による指導及び命令に係る事務その他の受動喫煙の防止に関する事務を行わせるために、受動喫煙防止指導員を置くことができる。
2 前項に規定するもののほか、受動喫煙防止指導員について必要な事項は、市長が規則で定める。
(罰則)
第15条 第13条第2項の規定による命令に違反した者に対し、2,000円の過料を科する。
(委任)
第16条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が規則で定める。
附 則
この条例は、令和2年7月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(1) 第9条、第12条第1項及び第13条第1項の規定 令和2年10月1日
(2) 第13条第2項及び第15条の規定 令和3年3月1日