○調布市福祉のまちづくり条例
平成9年3月21日条例第5号
調布市福祉のまちづくり条例
目次
前文
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 基本的施策(第7条―第11条)
第3章 情報の共有化のための取組(第12条)
第4章 都市施設の整備(第13条―第17条)
第5章 特定都市施設の整備(第18条―第26条)
第6章 住宅の整備
第1節 通則(第27条・第28条)
第2節 集合住宅(第29条―第31条)
第7章 雑則(第32条―第34条)
附則
私たちの願いは,高齢者や若者も,障害がある人もない人も,また,大人や子どもも生涯をとおして人としての尊厳を認め合いながら,いきいきとした生活を営むことができるような豊かで温かいまち調布を実現することである。
そして,だれもが住み慣れたまちで安心かつ快適な生活が営め,また,だれもが進んで社会参加のできる,そのような社会の実現に向け,ユニバーサルデザインの理念に立ったまちづくりを推し進めることは,私たちの責務である。
このためには,保健,医療,住環境,防災,教育などあらゆる分野で福祉の視点に立った配慮が必要であり,市,市民及び事業者の自主的な参加による協働の営みが必要である。
私たちは,豊かで温かいまち調布の実現を目指すことをここに宣言し,ユニバーサルデザインの理念に基づき,高齢者,障害者,子ども,外国人,妊産婦,傷病者その他の年齢,個人の能力,生活状況等の異なるすべての人が安全かつ円滑に利用できる施設の整備とサービスの向上を図るため,この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は,福祉のまちづくりについての基本理念並びに市,市民及び事業者の責務を明らかにするとともに,施設の整備及びサービスの向上を図るための施策に係る基本的事項を定め,協働してその施策を総合的かつ計画的に推進することにより,福祉のまちづくりを推進し,もって豊かで温かいまち調布の実現を目指すことを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) ユニバーサルデザイン 年齢,性別,国籍,個人の能力等にかかわらず,できるだけ多くの人が利用できるよう生活環境その他の環境を作りあげることをいう。
(2) 福祉のまちづくり ユニバーサルデザインの理念に基づき,すべての人が,安全で,安心して,かつ,快適に暮らし,又は訪れることができるまちづくりを推進するための取組をいう。
(3) 都市施設 病院,図書館,飲食店,ホテル,劇場,物品販売業を営む店舗,車両等(鉄道の車両,自動車その他の旅客の運送の用に供する機器で規則で定めるものをいう。以下同じ。)の停車場を構成する施設,道路,公園その他の多数の者が利用する施設で規則で定めるものをいう。
(4) 集合住宅 共同住宅,長屋,寮又は宿舎(個人の占有部分を除く。)をいう。
(市の責務)
第3条 市は,市民及び事業者の参加と協力の下に,福祉のまちづくりに関する基本的かつ総合的な施策を策定し,及び実施する責務を有する。
2 市は,福祉のまちづくりに関する施策に,市民及び事業者の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。
3 市は,市民及び事業者の福祉のまちづくりに関する活動に対し,これらの者の福祉のまちづくりを推進するうえで果たす役割の重要性にかんがみ,必要に応じて支援及び協力を行うよう努めるものとする。
(市民の責務)
第4条 市民は,福祉のまちづくりについて理解を深め,自ら福祉のまちづくりに努めるとともに,相互に協力して福祉のまちづくりを推進する責務を有する。
2 市民は,市がこの条例に基づき実施する福祉のまちづくりに関する施策に協力するよう努めなければならない。
3 市民は,施設,物品又はサービスのすべての人の円滑な利用を妨げないよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は,その事業活動に関し,その所有し,又は管理する施設及び物品並びに提供するサービスについて,自ら福祉のまちづくりに努めるとともに,他の事業者と協力して福祉のまちづくりを推進する責務を有する。
2 事業者は,市がこの条例に基づき実施する福祉のまちづくりに関する施策に協力するよう努めなければならない。
3 事業者は,その事業の実施に当たり,施設,物品又はサービスのすべての人の円滑な利用を妨げないよう努めなければならない。
(福祉のまちづくりの総合的推進)
第6条 市は,福祉のまちづくりが総合的かつ効果的に推進されることの重要性にかんがみ,市民,事業者,国及び他の地方公共団体と相互に連携を図るとともに,必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
第2章 基本的施策
(計画の策定)
第7条 市長は,福祉のまちづくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本となる計画(以下「推進計画」という。)を策定するものとする。
2 推進計画は,次の各号に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 福祉のまちづくりに関する目標
(2) 福祉のまちづくりに関する施策の方向
(3) 前2号に掲げるもののほか,福祉のまちづくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための重要事項
3 市長は,推進計画を策定するに当たっては,市民及び事業者の意見を推進計画に反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。
4 市長は,推進計画を定め,又は変更したときは,速やかにこれを公表するものとする。
(教育及び学習の振興等)
第8条 市は,福祉のまちづくりに関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実により,福祉のまちづくりについて,市民及び事業者が理解を深めるとともに,これらの者の自発的な活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
(情報の提供)
第9条 市は,前条に規定する福祉のまちづくりに関する市民及び事業者の理解の深化及び自発的な活動の促進に資するため,福祉のまちづくりの状況その他の福祉のまちづくりに関する必要な情報を適切に提供するものとする。
(支援)
第10条 市は,市民又は事業者が福祉のまちづくりに関する活動を自発的に行うこととなるよう誘導するため,特に必要と認めたときは,適正な助成その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
(施策の評価点検及び市民等の意見の反映)
第11条 市長は,福祉のまちづくりに関する施策を適正に実施するため,当該施策について定期的に評価点検を行うものとする。
2 前項に規定するもののほか,市長は,市民及び事業者の意見を福祉のまちづくりに関する施策に反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。
第3章 情報の共有化のための取組
第12条 事業者は,その所有し,又は管理する施設及び物品並びに提供するサービスをすべての人が円滑に利用するために必要かつ有益な情報を適時に,かつ,適切に入手できるようにするため,当該情報を自ら把握し,適切に提供するほか,必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第4章 都市施設の整備
(都市施設整備基準の策定)
第13条 市長は,都市施設の整備について,事業者の判断の基準となるべき事項(以下「都市施設整備基準」という。)を策定しなければならない。
2 都市施設整備基準は,次の各号に掲げる事項について,都市施設の種類及び規模に応じて定めるものとする。
(1) 出入口の構造に関する事項
(2) 廊下及び階段の構造並びにエレベーターの設置に関する事項
(3) 車いすで利用できる便所及び駐車場に関する事項
(4) 案内標示及び視覚障害者誘導用ブロックの設置に関する事項
(5) 歩道及び公園の園路の構造に関する事項
(6) 前各号に掲げるもののほか,都市施設を円滑に利用することができるようにするために必要な基幹的事項
3 市長は,都市施設整備基準を定め,又は変更したときは,速やかにこれを公表するものとする。
(都市施設整備基準への適合努力義務)
第14条 都市施設を所有し,又は管理する者(以下「施設所有者等」という。)は,当該都市施設を都市施設整備基準に適合させるための措置を講ずるよう努めなければならない。
2 施設所有者等は,すべての人が円滑に都市施設から他の都市施設へ移動することができるようにするため,他の施設所有者等との連携を図り,自ら所有し,又は管理する都市施設とその周辺の都市施設とを一体的に整備するよう努めなければならない。
(整備基準適合証の交付)
第15条 施設所有者等は,都市施設を都市施設整備基準に適合させているときは,規則で定めるところにより,市長に対し,都市施設整備基準に適合していることを証する証票(以下「整備基準適合証」という。)の交付を請求することができる。
2 市長は,前項の規定による請求があった場合において,当該都市施設が都市施設整備基準に適合していると認めたときは,規則で定めるところにより,当該請求をした施設所有者等に対し,整備基準適合証を交付するものとする。
(都市施設の安全な利用の確保)
第16条 都市施設を管理する者は,当該都市施設の安全かつ円滑な利用について適切な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 市民及び事業者は,都市施設において,物品の放置その他の行為(以下「物品の放置等」という。)によりすべての人の安全な移動又は利用を妨げることのないよう努めなければならない。
3 都市施設を管理する者は,物品の放置等その他すべての人の安全な移動又は利用の妨げとなる事由を発見したときは,速やかに当該妨げとなる事由を排除するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(移動手段の確保)
第17条 市長は,すべての人の安全かつ円滑な移動を確保するため,適切な移動手段の確保及び整備に努めるものとする。
2 市長は,公共交通機関について,すべての人の安全かつ円滑な移動を確保するため,必要と認めたときは,その車両等の構造上の配慮及び運行上の配慮について必要な措置を講ずるよう要請するものとする。
第5章 特定都市施設の整備
(特定都市施設遵守基準の遵守)
第18条 都市施設で規則で定める種類及び規模のもの(以下「特定都市施設」という。)の新設又は改修(建築物については,増築,改築,大規模の修繕,大規模の模様替え又は用途変更(用途を変更して特定都市施設にする場合に限る。)をいう。以下同じ。)をしようとする者(以下「特定整備主」という。)は,都市施設整備基準のうち特に守るべき基準として規則で定めるもの(以下「特定都市施設遵守基準」という。)を遵守するための措置を講じなければならない。
2 特定都市施設を所有し,又は管理する者(第22条第1項に規定する既存特定都市施設所有者等を除く。)は,特定都市施設遵守基準を遵守しなければならない。
(届出)
第19条 特定整備主は,第13条第2項各号に掲げる事項について,規則で定めるところにより,工事に着手する前に市長に届け出なければならない。ただし,法令等により,都市施設整備基準に適合させるための措置と同等以上の措置を講ずることとなるよう定めている事項については,この限りでない。
2 前項の規定による届出をした者は,当該届出の内容の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をするときは,当該変更をする事項について,規則で定めるところにより,当該事項に係る部分の当該変更後の内容の工事に着手する前に市長に届け出なければならない。
(指導及び助言)
第20条 市長は,特定整備主に対し,その特定都市施設(工事中のものを含む。以下同じ。)について第14条及び第18条第1項に規定する措置の適確な実施を確保するため必要と認めたときは,都市施設整備基準を勘案して特定都市施設の設計及び施工に係る事項について必要な指導及び助言をすることができる。
(工事完了届)
第21条 特定都市施設の新設又は改修に係る工事が完了したときは,規則で定めるところにより,市長に届け出なければならない。
(既存特定都市施設の状況の把握等)
第22条 この章の規定の施行の際現に存する特定都市施設(以下「既存特定都市施設」という。)を所有し,又は管理している者(以下「既存特定都市施設所有者等」という。)は,当該既存特定都市施設を都市施設整備基準に適合させるための措置の状況の把握に努めなければならない。
2 市長は,前条に規定するもののほか,既存特定都市施設所有者等に対し,既存特定都市施設について前項に規定する措置の適確な実施を確保するため特に必要と認めたときは,当該既存特定都市施設の都市施設整備基準への適合状況を勘案し,必要な措置を講ずるよう指導及び助言をすることができる。
(報告の徴収)
第23条 市長は,特定整備主又は特定都市施設を所有し,若しくは管理する者(以下「特定整備主等」という。)に対し,規則で定めるところにより,第20条及び前条第2項の規定の施行に必要な限度において,当該特定都市施設に係る第18条の規定の遵守の状況及び都市施設整備基準への適合状況について,報告を求めることができる。
(勧告)
第24条 市長は,第19条の規定による届出を行わずに同条に規定する工事に着手した者に対して,当該届出を行うべきことを勧告することができる。
2 市長は,特定整備主等が正当な理由なく第18条の規定に違反していると認めたとき,又は特定整備主等の特定都市施設の新設若しくは改修に伴って講ずる第14条第1項の規定に基づく措置が正当な理由なく都市施設整備基準に照らして著しく不十分であると認めたときは,規則で定めるところにより,当該特定整備主等に対し,必要な措置を講ずることを勧告することができる。
(公表)
第25条 市長は,前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わなかったときは,その旨を公表することができる。
2 市長は,前項の規定による公表をしようとする場合は,前条の規定による勧告を受けた者に対し,意見を述べ,証拠を提示する機会を与えるものとする。
(特定都市施設に関する調査)
第26条 市長は,第20条,第22条第2項,第24条及び前条第1項の規定の施行に必要な限度において,その職員に,特定整備主等の同意を得て,特定都市施設に立ち入り,第18条の規定の遵守の状況及び都市施設整備基準への適合状況について調査させることができる。
2 前項の規定による調査をする職員は,その身分を示す証明書を携帯し,特定整備主等その他の関係人に提示しなければならない。
第6章 住宅の整備
第1節 通則
(情報の収集)
第27条 市長は,住宅の整備に関する適切な基準等を市民に提示するため,必要な情報の収集に努めるものとする。
(住宅の供給)
第28条 住宅を供給する事業者は,すべての人が円滑に利用できるようにするために配慮された住宅の供給に努めなければならない。
第2節 集合住宅
(集合住宅整備基準の策定)
第29条 市長は,集合住宅の整備について,事業者の判断の基準となるべき事項(以下「集合住宅整備基準」という。)を策定しなければならない。
2 市長は,集合住宅整備基準を定め,又は変更したときは,速やかにこれを公表するものとする。
(集合住宅整備基準への適合努力義務)
第30条 集合住宅を所有し,又は管理する者は,当該集合住宅を集合住宅整備基準に適合させるための措置を講ずるよう努めなければならない。
(準用)
第31条 第15条の規定は,集合住宅整備基準に適合している集合住宅について準用する。
2 第5章の規定は,規則で定める規模の集合住宅の新設又は改修について準用する。
第7章 雑則
(市の施設の先導的整備等)
第32条 市は,自ら設置する都市施設又は集合住宅について,都市施設整備基準又は集合住宅整備基準に適合するよう率先して整備に努めるものとする。
2 市長は,国及び他の地方公共団体その他規則で定める公共的団体(以下「国等」という。)に対し,これらが設置する都市施設又は集合住宅について,都市施設整備基準又は集合住宅整備基準への適合に率先して努めるよう要請するものとする。
(国等に関する特例)
第33条 国等及び市については,第19条から第26条までの規定は適用しない。
2 市長は,国等に対し,都市施設又は集合住宅について,都市施設整備基準又は集合住宅整備基準への適合状況その他必要と認める事項について報告を求めることができる。
(委任)
第34条 この条例の施行について必要な事項は,規則で定める。
附 則
この条例は,平成9年4月1日から施行する。ただし,第12条から第14条まで,第4章及び第27条から第31条までの規定は,規則で定める日から施行する。
(平成10年3月規則第9号で,同10年4月1日から施行)
附 則(平成21年9月18日条例第23号)
1 この条例は,平成21年10月1日から施行する。
2 この条例による改正後の調布市福祉のまちづくり条例(以下「改正後の条例」という。)第18条の規定は,この条例の施行の日以後に改正後の条例第19条の規定による届出をした者について適用する。