○筑西市土地開発事業の適正化に関する指導要綱
平成22年3月23日市告示第22号
筑西市土地開発事業の適正化に関する指導要綱
(目的)
第1条 この要綱は、本市における土地開発事業の施行に関し、必要な基準等を定め、その適正な施行を確保することにより、開発区域及びその周辺の地域における災害を防止するとともに、自然保護と環境保全を図り、もって本市の土地利用の合理化及び市民の福祉の増進に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 土地開発事業 一団の土地の区画形質の変更に関する事業をいう。
(2) 開発区域 土地開発事業を行う土地の区域をいう。
(3) 事業主 土地開発事業に係る工事(以下「工事」という。)の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自ら工事を施行する者をいう。
(4) 工事施行者 土地開発事業の工事の請負人又は請負契約によらないで自ら工事を施行する者をいう。
(適用事業)
第3条 この要綱は、次の各号のいずれかに該当する土地開発事業を除き、開発区域の面積が1ヘクタール(土採取にあっては、開発区域の面積が1ヘクタール又は採取する土の量が2万立方メートル)以上の一団の土地開発事業について適用する。
(1) 国、地方公共団体並びに独立行政法人都市再生機構、独立行政法人労働者健康安全機構、独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、独立行政法人環境再生保全機構、独立行政法人中小企業基盤整備機構、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構、独立行政法人水資源機構、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、独立行政法人空港周辺整備機構、地方共同法人日本下水道事業団、公益財団法人茨城県教育財団、茨城県道路公社、茨城県土地開発公社、公益社団法人茨城県農林振興公社及び公益財団法人茨城県開発公社が事業主となって行う土地開発事業
(2) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第29条第1項に規定する開発行為に係る土地開発事業(前号に該当するもの及びゴルフ場に係るものを除く。)
(3) 鉱業法(昭和25年法律第289号)に規定する鉱業に係る土地開発事業
(4) 採石法(昭和25年法律第291号)に規定する採石に係る土地開発事業
(5) 砂利採取法(昭和43年法律第74号)第2条に規定する砂利採取に係る土地開発事業
(6) 農産物、林産物若しくは水産物の生産又は集荷の用に供する目的で行う農地の集団化、農林用地の造成、土地改良、養殖池の造成及びこれらに類するもの(土地開発事業への土砂の供給を兼ねるものを除く。)で、次に掲げる者が行う土地開発事業
ア 農地法(昭和27年法律第229号)に規定する耕作者及び同法第2条第3項に規定する農地所有適格法人
イ 農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律第101号)第2条第4項に規定する農地中間管理機構
ウ 農業協同組合法(昭和22年法律第132号)に規定する農業協同組合又は同連合会
エ 森林組合法(昭和53年法律第36号)に規定する森林組合又は同連合会
オ 水産業協同組合法(昭和23年法律第242号)に規定する漁業協同組合、漁業生産組合又は漁業協同組合連合会
カ 土地改良法(昭和24年法律第195号)第5条に規定する土地改良区
キ 国又は地方公共団体の補助又は融資事業により土地開発事業を施行する者
(7) 非常災害のため必要な応急措置として行う土地開発事業
(8) 次に掲げる公益の用に供する土地開発事業
ア 図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定する図書館、博物館法(昭和26年法律第285号)第2条第1項に規定する博物館又は社会教育法(昭和24年法律第207号)第20条に規定する公民館の用に供する目的で行う土地開発事業
イ 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(大学を除く。)の施設であって、都市計画法施行令(昭和44年政令第158号)第1条第2項第1号に該当する施設の用に供する目的で行う土地開発事業(学校の主たる施設が県外にあるものを除く。)
ウ 鉄軌道及び駅前広場の用に供する目的で行う土地開発事業
エ 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第120条第1項に規定する認定電気通信業者が同項に規定する認定電気通信事業の用に供する目的で行う土地開発事業
オ 道路運送法(昭和26年法律第183号)第3条第1号イに規定する一般乗合旅客自動車運送事業、貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)第2条第2項に規定する一般貨物自動車運送事業(同条第6項に規定する特別積み合せ貨物運送をするものに限る。)又は自動車ターミナル法(昭和34年法律第136号)第2条第5項に規定する一般自動車ターミナルの用に供する目的で行う土地開発事業
カ 日本郵便株式会社が設置する日本郵便株式会社法(平成17年法律第100号)第4条第1項第1号に掲げる業務の用に供する目的で行う土地開発事業
キ 電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第1項第9号に規定する電気事業又はガス事業法(昭和29年法律第51号)第2条第13項に規定するガス工作物の用に供する目的で行う土地開発事業
ク 放送法(昭和25年法律第132号)に規定する放送事業の用に供する目的で行う土地開発事業
ケ と畜場法(昭和28年法律第114号)第3条第2項に規定すると畜場又は化製場等に関する法律(昭和23年法律第140号)第1条第3項に規定する死亡獣畜取扱場の用に供する目的で行う土地開発事業
コ 卸売市場法(昭和46年法律第35号)第2条第4項に規定する地方卸売市場の用に供する目的で行う土地開発事業
一部改正〔平成24年市告示141号・26年78号・28年200号〕
(事業主の責務)
第4条 土地開発事業を行おうとする者は、土地開発事業の計画を策定するに当たっては、次に掲げる事項を順守するよう努めるものとする。
(1) 茨城県及び本市の定める土地利用に関する計画その他の施策と調和すること。
(2) 地域住民の意見を尊重し、その理解と協力が得られること。
一部改正〔平成27年市告示119号〕
(設計の基準)
一部改正〔平成27年市告示119号〕
(防災等の措置)
第6条 事業主又は工事施行者は、工事を施行し、廃止し、又は中止しようとするときは、当該工事に係る開発区域及びその周辺の地域において、次に掲げる事態が生じないよう適切な措置を講ずるよう努めるものとする。
(1) 土砂崩れ、出水等による災害が生じること。
(2) 河川及び水路の利水及び排水に支障を及ぼすこと。
(3) 排水路その他の排水施設の使用に支障を及ぼすこと。
(4) 交通に支障を及ぼすこと。
一部改正〔平成27年市告示119号〕
(報告、助言等)
第7条 市長は、この要綱の施行に必要な限度において事業主又は工事施行者に対し、工事に関する報告又は資料の提出を求めることができる。
2 市長は、この要綱の目的のため必要と認めるときは、当該土地開発事業の事業主に対して、助言、指導又は勧告を行うことができる。
一部改正〔平成27年市告示119号・28年200号〕
(補則)
第8条 この要綱の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
一部改正〔平成27年市告示119号〕
附 則
(施行期日)
1 この告示は、公布の日から施行する。
(筑西市開発行為等に関する指導要綱の一部改正)
〔次のよう〕略
附 則(平成24年市告示第141号)
この告示は、平成24年10月1日から施行する。
附 則(平成26年市告示第78号)
この告示は、公布の日から施行する。
附 則(平成27年市告示第119号)
(施行期日)
1 この告示は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この告示の施行の際現になされている設計の承認の申請については、市長はなお従前の例により承認を行うものとする。
3 この告示の施行の際既に設計の承認を受けている土地開発事業及び前項の規定により承認を受けた土地開発事業に係る変更及び検査の手続については、なお従前の例による。
附 則(平成28年市告示第200号)
この告示は、公布の日から施行する。
別表第1(第5条関係)
設計の基準
1 土採取に係る土地開発事業以外の事業

区分

設計の基準

1 森林

(1) 保全

ア 森林の伐採は、最小限に留めるよう設計及び施行すること。この場合において、ゴルフ場の造成を行うときは、開発区域内に40%以上の樹林地帯を保存すること。

イ ゴルフ場のコースの造成に当たっては、コース間に約20m以上の樹林帯を保存すること。

(2) 植樹

開発区域内の自然環境の保全及び植生の回復等を図るため積極的に植樹すること。

2 防災

(1) 切盛土

ア 事業の施行については、自然の景観を損わないよう努めるとともに自然の保全に努めること。

イ 土砂移動量(切土及び盛土の合計量)は、当該開発行為の目的実施のための必要最小限度とし、ゴルフ場に係る土地開発事業についての土砂移動量は、18ホール当たりおおむね250万mとする。

ウ 切土をする場合において、切土をした後の地盤にすべりやすい土質の層があるとき又はがけ面が生じるときは、安全な措置を講じること。

エ 盛土をする場合には、盛土をした後の地盤に雨水その他の地表水の浸透によるゆるみ、沈下又は崩壊が生じないよう締固めその他の措置を講じること。

オ 著しく傾斜している土地において盛土をする場合には、盛土をする前の地盤と盛土が接する面が、すべり面とならないよう段切りその他の措置を講じること。

(2) 防災施設

開発区域内の造成に伴い利水若しくは排水に支障を及ぼし、又は土砂の流出、出水等の被害を及ぼすことのないよう、水文資料、地質、地形等を勘案して適切な防災ダム及び防災施設等を設置し、防災に万全を期すこと。

(3) 防火施設

消火栓、防火水槽等を設置し、隣接地との間に防火樹の植栽あるいは防火帯を設けるなど火災の予防に十分配慮すること。

3 排水施設

(1) 設置

ア 雨水(処理された汚水及びその他の汚水でこれと同程度以上に清浄されたものを含む。)を放流する場合、その放流先の排水能力に支障があるときは、当該開発区域内において一時雨水を貯留する調整池の設置又は河道改修を行うこと。

イ 排水施設は、放流先の排水能力、利水の状況その他の状況を勘案し、当該開発区域内の下水(雨水、処理された汚水等)を有効かつ適切に排出できるよう下水道、排水路その他の排水施設又は河川その他の公共の水域に接続していること。

ウ 調整池の設置については、「茨城県の大規模宅地開発に伴う調整池技術基準」によること。

(2) 構造

ア 排水施設は、堅固で耐久力を有する構造であること。

イ 排水施設は、コンクリート、れんがその他の耐水性の材料で造り、かつ、漏水を最小限度のものとする措置が講じられていること。

ウ 排水施設は、道路及び他の排水施設の維持管理上支障がない場所に設けられていること。

4 用水


ア 用水は、原則として公共水道を使用し、やむを得ず地下水又は表流水を使用する場合は、開発区域外の農耕用のかんがい用水、水道用水等に支障のないよう安全な揚水又は取水をすること。

イ 水質は、水道法(昭和32年法律第177号)第4条に定める水質基準に合致したものであること。

5 擁壁

(1) 設置

ア 開発区域内にがけ面があるとき又は切土若しくは盛土をした土地の部分にがけ面が生じるときは、当該がけ面が擁壁で覆われていること。ただし、切土をした土地の部分に生じることとなるがけ若しくはがけの部分が、次のいずれかに該当するもの又は土質試験等に基づく地盤の安定計算により擁壁で覆う必要がないと認められるがけ若しくはがけの部分のがけ面については、この限りでない。

(ア) 土質が次の表の左欄に掲げるものに該当し、かつ、その土質に応じ勾配が中欄の角度以下のもの

(イ) 土質が次の表の左欄に掲げるものに該当し、かつ、その土質に応じ勾配が中欄の角度を超え右欄の角度以下のもので、がけの上端から下方に垂直距離5m以内の部分







土質

擁壁を要しない勾配の上限

擁壁を要する勾配の下限



軟岩(風化の著しいものを除く。)

60度

80度



風化の著しい岩

40度

50度



砂利、真砂土、関東ローム、硬質粘土その他これらに類するもの

35度

45度







イ 擁壁で覆うことを要しないときは、石張り、芝張り等の措置によりそのがけ面が保護されていること。

(2) 構造

ア 高さが2mを超える擁壁の構造は、鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造、間知石練積み造その他の練積み造であること。

イ 擁壁は、壁面の面積3m以内ごとに1個の耐水材料を用いた水抜穴(内径7.5cm以上)が設けられ、かつ、擁壁の裏面で水抜穴の周辺その他必要な部分には、砂利等の透水層が設けられていること。

(3) 地表水の処理

切土又は盛土をした土地の部分に生じるがけ面の上端に続く地盤は、特別の事情のない限り、そのがけの反対方向に雨水その他の地表水が流れるように勾配が設けられていること。

6 道路


ア 開発区域の主要な道路と開発区域外の道路との取り付け道路(以下「取り付け道路」という。)は、道路構造令(昭和45年政令第320号)の規定に準拠して建設すること。

イ 取り付け道路は、開発区域外の平均車道幅員5.5m以上の道路(開発区域の周辺の道路の状況によりやむを得ないと認められるときは、車両の通行に支障がない道路)に接続していること。

2 土採取に係る土地開発事業

区分

設計の基準

1 掘削

(1) 採取工法

ア 採取工法は、通常「階段式工法」、「傾斜式工法」又は「平面式工法」で行い、いわゆる「エグリ掘り」は行わないこと。

イ 隣地との保安距離は、最小限度2m以上を残し、隣地に人家又は公共施設等がある場合は、土質及び地形を勘案して保安上必要な距離をとること。なお、擁壁等の堅固な建造物を設ける場合は、この限りでない。

ウ 採取途中の災害防止のため、極力「切り下げ方式」を採用すること。

(2) 最終法面

ア 最終法面は、極力階段を設けること。

イ 階段を設ける場合は、切土高5m以下とし、階段幅は、2m以上とすること。

(3) 深さ

掘削の深さは、掘削する場所の周辺の土地のうち最も低い部分よりも低くしないものとすること。

(4) 切土の標準勾配

土質及び切土高に応じ、次に示す角度以下とすること。





土質

切土高5m以上の場合

切土高5m未満の場合


軟岩(風化の著しいものを除く。)

60度

70度

風化の著しい岩

40度

50度

砂利、真砂土、関東ローム、硬質粘土その他これらに類するもの

35度

45度






2 災害防止

(1) 崩壊防止対策

ア 地山の亀裂、陥没等の異常の有無及び含水、ゆう水の状態を絶えず監視するとともに、計画的採取に努めること。

イ 1日の作業終了時に、落石、倒木のおそれのある浮石や立木がある場合は、その日のうちに除去すること。

ウ 気象状況に絶えず留意し、気象状況の悪化が予想される場合は、作業の中止、危険箇所の保全処置等適切な措置を講じること。

(2) 土砂流出対策

採取中、集中豪雨その他の原因で土砂が付近に流出しないよう土俵積、土盛堤・柵等の仮設工事を行い、完了後も土砂流出のおそれがある場合は、擁壁、堰堤その他これに代わり得る施設を築造し、土砂の流出に対処すること。

(3) 排水施設

ア 採取中、表面水によって法面が洗掘され、又は崩壊するおそれのある場合は、法肩に接する地山に法肩に沿って素掘側溝、コンクリートラフ等による排水溝を設置し、地山からの流水が法面に流れ込まないよう処置すること。また、完了後は、法肩線又は小段に集排水施設を設け、縦排水溝、斜排水溝及びその接合点には集排水桝等も考慮して円滑に排水すること。

イ ゆう水によって法面が洗掘され、又は崩壊するおそれのある場合は、水抜きのための水平孔、盲渠等を設置し、ゆう水の排除措置を講じること。

(4) 採取跡地の保全及び利用

ア 採取行為を完了し、又は廃止したときは、跡地の崩壊を防止するため、法面には保護工を施行すること。

イ 採取跡地の利用計画は、周辺の環境と調和するよう配慮すること。また、採取しようとする土地が農地の場合は、農地に復元すること。

3 公害及び保安対策

(1) 立入禁止柵

採取場内は、一般の立入を禁じ、周囲を有刺鉄線柵、トタン塀又は板塀によって囲い、出入口には扉を設け、標識をつけること。

(2) 騒音対策

始業、終業の時間を明確にし、騒音公害になるような早朝、深夜作業は行わないこと。

(3) 粉じん対策

採取場からの粉じん、運搬路から生じるホコリ等が周辺の生活環境を阻害しないよう散水、防じん材散布、運搬車両の洗い場を設置する等適切な措置をとること。

(4) 交通対策

ア 運搬車の公道への出入口等必要な箇所には、交通整理員を配置し、安全上の配慮をすること。

イ 積込場所において規定積載量を超えないよう留意するとともに、車両には必ず全面シートを装置し、路面を汚損したときは、速やかに清掃すること。

4 緑の保護及び緑化対策


ア 樹林のうち、景観上その他の見地から重要と思われるものについては、極力その全部又は一部の保存を図ること。

イ 採取跡地の法面については、原則として緑化することとし、周辺の状況、掘削前の状態を考慮して次のとおり植樹、植草等を行うこと。

(ア) 採取に当たり、山林の一部を伐採し、付近の景観を悪化させた場合は、植樹、植草を併用して行い、緑の復元を図ること。

(イ) 前記以外の場合は、植草、種子吹付を行うこと。