○足立区自転車の安全利用に関する条例
令和元年10月23日条例第22号
足立区自転車の安全利用に関する条例を公布する。
足立区自転車の安全利用に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、平坦な地形である足立区(以下「区」という。)において、環境にやさしく身近な交通手段である自転車の安全利用を促進し、及び区、自転車を利用する者(以下「自転車利用者」という。)その他関係者の責務を明らかにすることにより、自転車利用者の運転マナー及び交通安全意識の向上を図り、もって自転車に関する事故の防止、自転車の秩序ある利用の推進及び自転車を安全に安心して利用できる環境の形成に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 自転車 道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第11号の2に規定する自転車をいう。
(2) 区民等 区の区域内(以下「区内」という。)に在住、在勤若しくは在学する者又は区内を通行する者をいう。
(3) 事業者 区内で事業活動を行う法人及び個人をいう。
(4) 関係団体 交通安全に関する活動を行う団体並びに区及び警察その他の関係機関が行う自転車の安全利用に関する施策に協力する団体をいう。
(5) 自転車小売業者 区内において自転車の販売又は整備を業として行う者をいう。
(6) 自転車貸付業者 区内において自転車の貸付けを業として行う者をいう。
(7) 学校 区内に所在する学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校をいう。
(8) 自動車等 道路交通法第2条第1項第9号に規定する自動車及び同項第10号に規定する原動機付自転車をいう。
(区の責務)
第3条 区は、国、都、区市町村、事業者及び関係団体との相互の連携及び協力の下に、自転車の安全利用を促進するため、施策を総合的に計画し、その実施に努めなければならない。
2 区は、自転車の安全利用の促進について、区民等、自転車利用者及び事業者の理解と協力を得られるよう広報活動及び啓発活動の実施に努めなければならない。
3 区は、都、区市町村、警察、事業者及び関係団体と連携して行う、自転車の安全利用の促進を目的とする事業の実施に努めなければならない。
4 区は、学校と連携及び協力し、その幼児、児童、生徒及び学生の発達の段階に応じた道路交通法の遵守及び自転車の安全な利用方法の習得を目的とする交通安全教育を実施するよう努めなければならない。
5 区は、高齢者(65歳以上の者をいう。以下同じ。)に対し、高齢者の特性に応じた道路交通法の遵守及び自転車の安全な利用の方法の習得を目的とする交通安全教育を実施するよう努めなければならない。
6 区は、自転車利用者の自転車損害賠償責任保険等(自転車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障することができる保険又は共済をいう。以下同じ。)への加入を促進するため、情報の提供その他の必要な措置をとるよう努めなければならない。
7 区は、自転車の安全利用を促進するため、歩行者、自転車及び自動車等が共に安全に通行することができる道路の環境、自転車の駐車に係る環境その他自転車の利用に係る環境の整備を行うよう努めなければならない。
(区民等の責務)
第4条 区民等は、自転車の安全利用について理解を深め、歩行者、自転車及び自動車等が共に道路を安全に通行することができる環境が形成されるようにそれぞれの立場で努めなければならない。
2 区民等は、区及び警察が実施する自転車の安全利用に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(自転車利用者の責務)
第5条 自転車利用者(第1号にあっては未成年者を除く。)は、自転車が車両(道路交通法第2条第1項第8号に規定する車両をいう。)であることを認識して自転車の安全利用に努め、及び同法その他の自転車の利用に関する法令及び条例(以下「法令等」という。)の規定を遵守し、自転車を安全に利用するために、特に次に掲げる事項を守らなければならない。ただし、第4号から第6号までの事項について、東京都道路交通規則(昭和46年東京都公安委員会規則第9号)第8条各号に特別の定めがある場合は、この限りでない。
(1) 自転車損害賠償責任保険等に加入すること。ただし、当該自転車利用者以外の者により、当該利用に係る自転車損害賠償責任保険等の加入の措置が講じられているときは、この限りでない。
(2) 自転車の盗難を防止するため、盗難防止効果の高い錠前を取り付け、施錠その他の適切な措置を講じること。
(3) その利用する自転車について、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律(昭和55年法律第87号)第12条第3項に規定する防犯登録を受けること。
(4) 傘を差し、物を担ぎ、物を持つ等視野を妨げ、又は安定を失うおそれのある方法で、自転車を運転しないこと。
(5) 自転車を運転するときは、携帯電話用装置を手で保持して通話し、又は画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと。
(6) 高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で自転車を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない。
2 自転車利用者は、前項に定めるもののほか、次に掲げる事項に努めなければならない。
(1) 歩行者の通行の頻繁な商店街、駅前広場等の区域内を通行するときは、歩行者の通行を優先し、徐行すること。この場合において、歩行者の歩行を妨げるおそれがあるときは、一時停止又は自転車の押歩きをすること。
(2) 不用になった自転車を適切に廃棄又は再利用すること。
(3) ひったくり等の犯罪を防止するため、ひったくり防止カバーその他の用具を活用すること。
(4) 自転車乗車用ヘルメットを着用すること。
(5) 利用する自転車について、定期的に点検し、必要な整備をすること。
(関係団体の責務)
第6条 関係団体は、自転車利用者に対し、自転車の安全利用に関する意識を啓発するよう努めなければならない。
2 関係団体は、区及び警察が実施する自転車の安全利用に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(自転車小売業者の責務)
第7条 自転車小売業者は、事業活動を通じ、自転車利用者及び自転車を購入しようとする者に対し、自転車の安全利用、防犯登録の勧奨、点検整備及び自転車損害賠償責任保険等について、情報を提供するよう努めなければならない。
2 自転車小売業者は、盗難防止効果の高い錠前、ひったくり防止カバーその他の用具の普及に努めなければならない。
3 自転車小売業者は、自転車に関する事故を防止するため、前照灯及び反射器材又は尾灯を装備した自転車を販売するよう努めなければならない。
(自転車貸付業者の責務)
第8条 自転車貸付業者は、自転車を借り受けようとする者に対し、自転車損害賠償責任保険等を付した自転車を貸し付けなければならない。
2 自転車貸付業者は、事業活動を通じ、自転車利用者に対し、自転車の安全利用について適切な助言をするよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第9条 事業者は、その事業の用に供する自転車の利用に係る自転車損害賠償責任保険等に加入しなければならない。ただし、当該事業者以外の者により、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償責任保険等の加入の措置が講じられているときは、この限りでない。
2 事業者は、法令等の遵守、自転車の安全利用及び盗難の防止を図るため、その従業員に対し、情報の提供その他の必要な措置を講じるよう努めなければならない。
3 事業者は、区及び警察が実施する自転車の安全利用に関する施策に協力するよう努めなければならない。
4 事業者は、その事業活動を行う施設において自転車の駐車需要を生じさせる場合は、当該施設の利用者のために必要な自転車駐車場の確保、自転車駐車場の利用の啓発、近隣自転車駐車場への誘導その他の必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(学校の責務)
第10条 学校は、その幼児、児童、生徒及び学生に対し、発達段階に応じた自転車の安全利用及び盗難の防止に関する教育、啓発及び指導を行うよう努めなければならない。
2 学校は、その幼児、児童、生徒及び学生を保護する責任のある者に対し、自転車の安全利用に関する意識を啓発するよう努めなければならない。
3 学校は、区及び警察が実施する自転車の安全利用に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(保護者、同居者等の責務)
第11条 未成年者を監護する保護者(以下「保護者」という。)は、その保護する未成年者の自転車の利用に係る自転車損害賠償責任保険等に加入しなければならない。ただし、当該保護者以外の者により、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償責任保険等の加入の措置が講じられているときは、この限りでない。
2 保護者は、その保護する未成年者に対し、自転車の安全利用及び盗難の防止に関する指導を行うよう努めなければならない。
3 保護者は、自転車の安全利用において、その保護する未成年者の模範となるよう努めなければならない。
4 保護者は、その保護する未成年者の利用する自転車について、定期的に点検し、必要な整備をするよう努めなければならない。
5 保護者は、その保護する未成年者を自転車に乗車させるとき又は当該未成年者が自転車を利用するときは、当該未成年者に対し、自転車乗車用ヘルメットを着用させる等安全対策に努めなければならない。
6 高齢者の親族又は高齢者と同居する者は、当該高齢者に対し、自転車乗車用ヘルメットの着用並びに自転車の安全利用及び盗難の防止について必要な助言をするよう努めなければならない。
(自動車等運転者の責務)
第12条 自動車等を運転する者は、車道を通行する自転車の安全に十分配慮して自動車等を運転するよう努めなければならない。
(委任)
第13条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
付 則
(施行期日)
1 この条例は、令和2年1月1日から施行する。ただし、第5条第1項第1号、第8条第1項、第9条第1項及び第11条第1項の規定は、同年4月1日から施行する。
(足立区自転車等の駐車秩序及び自転車等駐車場の整備に関する条例の一部改正)
(次のよう略)